「今日だけ頑張ろう」が、子どもを追い詰めることがある

「今日だけ頑張ろう」が、子どもを追い詰めることがある

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コラム

―親の励ましが、子どもには拒否に聞こえるとき―

不登校の子どもに対して、親がつい言ってしまう言葉があります。

「今日だけ頑張ろう」

「一日だけ行ってみよう」

「行けば何とかなるよ」

「保健室だけでも行ってみたら」

これらは、親の愛情から出る言葉です。

子どもを苦しめようとしているわけではありません。

学校に少しでも行けたら、自信になるかもしれない。

完全に休んでしまうより、少しでもつながっていた方がいいかもしれない。

一度行ければ、流れが戻るかもしれない。

親はそう考えます。

しかし、子どもの側から見ると、この言葉がまったく違う意味に聞こえることがあります。

「学校に行きたくない」と言ったのに、

「今日だけ頑張ろう」と返される。

すると子どもは、

「やっぱり分かってもらえなかった」

「行きたくないと言ってはいけなかった」

「自分の苦しさは軽く見られている」

と感じてしまうことがあります。

親にとっては励ましでも、子どもにとっては拒否に近いのです。

特に、心身が限界に近い子にとって、学校へ行くことは「少し頑張る」程度のことではありません。

玄関に立つだけで吐き気がする。

制服を見るだけで涙が出る。

教室を想像するだけで息が苦しくなる。

そのような状態の子にとって、「今日だけ」は、とても重い言葉です。

大人でいえば、心身が壊れかけているのに、

「今日だけ会社に行こう」

「一日だけ頑張ろう」

「行けば何とかなる」

と言われるようなものです。

もちろん、時には少し背中を押すことが必要な場面もあります。

でも、それは子どもの状態がある程度安定してからです。

まだ不安が強く、体調にも反応が出ている段階では、背中を押すより、まず止まることが必要です。

「今日だけ頑張ろう」の前に、

「そんなにしんどいんだね」

「今日は少し休もうか」

「話せるときに話してね」

と言ってもらえること。

それだけで、子どもは安心します。

不登校対応で大切なのは、親の願いを急いで子どもに乗せないことです。

学校へ行ってほしいという願いは、当然あります。

でも、その願いをいったん脇に置いて、まず子どもの苦しさを見る。

それができたとき、子どもは少しずつ、自分の気持ちを話せるようになります。

励ましは、タイミングを間違えると圧力になります。

だからこそ、最初に必要なのは、

「頑張れ」

ではなく、

「今は苦しいんだね」

なのだと思います。


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