ADHDの子どもとの向き合い方

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コラム
ADHDとは、注意を向け続けること、衝動を抑えること、行動を順序立てて進めることに難しさが出やすい発達特性です。

これは、本人の努力不足や親のしつけの問題ではありません。

脳の中では、注意、計画、感情のブレーキ、見通しを立てる力に関わる部分が、少し独特な働き方をしていると考えられています。

特に、前頭前野という「考えてから動く」「今やるべきことを選ぶ」働きに関わる部分や、ドーパミン・ノルアドレナリンといった神経伝達物質の働きが関係すると言われています。

そのため、ADHDの子どもは、興味のないことにはなかなか集中できない一方で、好きなことには驚くほど集中することがあります。

忘れ物が多い。

順番を待つのが苦手。

思ったことをすぐ口にする。

片づけが苦手。

授業中にぼんやりする。

こうした姿は、わざと困らせているのではなく、脳の特性として起きている場合があります。

一方で、ADHDには大きな長所もあります。

発想が豊か。

行動力がある。

好奇心が強い。

切り替えが早い。

興味を持ったことに強く集中できる。

人と違う視点から物事を考えられる。

この力は、環境が合えば大きな才能になります。

向いている仕事としては、変化がある仕事、人と関わる仕事、発想力を生かす仕事、体を動かす仕事、短い集中を何度も使う仕事が合いやすい傾向があります。

たとえば、営業、企画、デザイン、動画制作、接客、起業、研究、プログラミング、スポーツ、現場仕事、クリエイティブな仕事などです。

反対に、長時間同じ作業を続ける仕事、細かい事務処理だけを延々と行う仕事、ミスが許されにくい単調な確認作業、予定変更ができない環境は苦手になりやすいことがあります。

ただし、これは「ADHDだからこの仕事しか無理」という意味ではありません。

大切なのは、本人の特性に合った環境と工夫を見つけることです。

親ができる一番大切な関わりは、「叱って直す」よりも「仕組みで支える」ことです。

忘れ物が多いなら、怒る前にチェックリストを作る。

片づけが苦手なら、収納を少なく、見える形にする。

宿題が続かないなら、短い時間に区切る。

できたことはすぐに認める。

注意するときは、長く説教せず、短く具体的に伝える。

「ちゃんとしなさい」ではなく、「まずノートを開こう」と言う。

ADHDの子は、失敗を繰り返す中で「自分はダメだ」と思いやすいです。

だからこそ、親の役割は、その子の自信を守ることです。

悪いところを直すだけでなく、良いところを見つけて伸ばすこと。

「あなたは困った子」ではなく、「あなたにはあなたの力の出し方がある」と伝えること。

その安心感が、子どもの成長の土台になります。

ADHDの子どもは、環境が合わないと叱られることが増えます。

しかし、環境が合えば、好奇心、行動力、発想力を大きな武器にできます。

大人がすべきことは、子どもを型にはめることではありません。

その子の脳の特性を理解し、力が出る場所を一緒に探すことです。

ADHDは欠点だけの名前ではありません。

その子らしい才能の芽を見つけるための、大切な手がかりなのです。
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