なぜ、ヒヤリハットが出ない施設になるのか?
「ヒヤリハットが少ないから、安全な施設とは限らない」介護に携わっている人であれば、この考え方自体は、すでに理解されていることだと思います。事故防止研修でも、ヒヤリハットは事故につながる可能性のあった出来事を振り返り、事故防止や再発防止につなげるために重要だと繰り返し伝えられます。現場でも、「ヒヤリハットが出ない方が、むしろ心配」「小さな気づきを出してもらうことが大切」と考えている管理者や職員は少なくないでしょう。つまり、問題は「ヒヤリハットの大切さを知らないこと」ではないのだと思います。それでも現場では、「ヒヤリハットがなかなか出てこない」「出てはいるけれど、似たような出来事が繰り返される」「対策が『気をつける』『確認を徹底する』で終わってしまう」ということがあります。大切だと分かっている。出した方がいいことも分かっている。それでも、なぜ出なくなるのでしょうか。「職員の意識が低いから」それだけで説明してしまってよいのでしょうか。今回はヒヤリハットの書き方や提出方法ではなく、必要だと分かっているのに、なぜ行動や改善につながらないのか。そこを、職員の心理と「職場」という組織の両方から考えてみたいと思います。「これくらい」が報告されなくなるのは、なぜだろう利用者が立ち上がったことに気づき、転倒する直前で支えた。服薬介助の直前に、別の利用者の薬を持っていることに気づいた。車いすを動かそうとしたとき、フットサポートの状態に気づいた。事故にはならなかった。そのとき、「危なかった。共有しておこう」と思う職員もいれば、「何も起きなかったから大丈夫」「このくらいならよくある」「わざわざ書くほどで
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