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第37回:理論株価計算、財務モデルの前提をどのように作るか (実務編)

第37回:理論株価計算、財務モデルの前提をどのように作るか (実務編)この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 以前、理論株価の計算で非常に重要になる財務モデルの作り方について、考え方のフレームワークを紹介しました。今回は続編として、(主に投資銀行業務を念頭に)もう少し実務寄りの話題として、実際にはどのようなアプローチが取られているか紹介したいと思います。【理論株価の計算:エクセルを使用したツール公開中!】【前回のブログ】まず、大きく分けて2つのパターンがあります。1.「マネジメント・ケース」が有るとき一般的に、投資銀行が例えばM&A案件において、買い手側あるいは売り手側のアドバイザーに就任する際、アドバイスを提供する事業会社(つまり、投資銀行にとってのクライアント企業)から、買収対象企業あるいは売却対象事業に関する事業計画を受領することが多いです。これは「マネジメント・ケース」と呼ばれ、多くの事例において5年程度の予想値を含むものとなります。また、予想値についてはクライアント企業が作成したものになります。これに対して、投資銀行において、前提条件等に対して一定程度調整をかけた予想値も同時に作成され、調整の掛け方によって、これらは「ベース・ケース」「強気ケース」「ストレス・ケース」等と呼ばれたりします。調整の程度については、一概に答えはなく、前回ブログ第16回でも言及したように、分析対象のビジネスに詳しい専門家等の意見もクロスチェックとして聞きながら作成す
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第24回:3表連動財務モデルによるDCF分析(企業価値評価)

第24回:3表連動財務モデルによるDCF分析(企業価値評価)この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 さて、今回は3表連動財務モデルによるDCF分析(企業価値評価、理論株価計算)についてです。いま出品しているサービスのなかで、DCFという手法を使用した理論株価計算ができるツールを公開しています。このツールは、”簡易版”という位置づけで、将来数値については損益計算書だけに注目して計算しています。投資銀行等の実務においては、このような簡易版で対応することもありますが、多くの場合において、将来数値について、損益計算書だけではなく、バランスシートやキャッシュフロー計算書の動きも合わせて確認した財務モデルを作成して、それをDCF分析の枠組みに取り込んで理論株価を計算する流れとなります。尚、こうした損益計算書・バランスシート・キャッシュフロー計算書を”3表”と言います。復習となりますが、DCF分析モデルは「バリュエーション・モデル」と呼び、”3表”が連動して動く財務モデルは「オペレーティング・モデル」と呼ばれます(以下、ブログ第1回ご参照)。この2つのモデルは本来は別々のものですが、今回は、それを「つなげる」作業を紹介したいと思います。つなげ方は比較的シンプルで直球ですが、以下、やっていきたいと思います。まず、用意する材料としては、以下で公開しているDCF分析モデルと、3表連動財務モデルです。また、本件で作成する完成形のモデルについても掲載しています。尚、以下では、3表連動
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第20回:LBO分析:その4 ~ 補論:Opening B/Sの作成 ~

第20回:Leveraged Buyout (LBO)分析:その4 ~ 補論:Opening B/Sの作成 ~この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 前回に引き続き、LBO分析について、今回は、最後の「補論」として、「Opening B/Sの作成」について説明したいと思います。これは、LBO分析のシリーズの最初の方で、LBO取引の途中にはSPCと買収対象企業が合併するというプロセスが関わるということを取り上げましたが、”SPCと買収対象企業が合併する前と後でどのようにバランスシートが変わるか”を示すシートの作成となります。これは、3表を連動させたLBOモデルを作成する際に必要となるものになります。さて、少し復習ですが、LBO取引のステップにおいて、投資フェーズでは以下が行われます。1.特別目的会社(SPC)の設立 = 買収”元”企業(主に投資ファンド等が設立します)、いわゆるペーパー・カンパニーです。 2.買収資金の調達(融資先銀行との交渉)、ビジネスプランの作成、実際の買収実施(上場企業を買収する場合は公開買付等になります) 3.買収対象企業と特別目的会社の合併図解すると下記の通りです(再掲):本ブログにおいては、フェーズ2→3にかけて、「買収直後の」買収対象企業のバランスシートの作成について述べていきたいと思います。→ このバランスシートのことは「Proforma B/S」や「Opening B/S」と呼ばれることがあります。実際の流れに入っていきたいと思
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第19回:LBO分析:その3 ~ 投資リターンの計算 ~

第19回:Leveraged Buyout (LBO)分析:その3 ~ 投資リターンの計算 ~この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 前回に引き続き、LBO分析について、今回は、ファンドにとっての投資リターンの計算について紹介していきたいと思います。まず、簡単に前回の復習ですが、ファンドの投資リターンの源泉は「負債の返済」にあります。企業価値が変わらなければ、「株主(=ファンド)価値 = 企業価値 - 負債」という計算式から、負債という差し引き項目が減少すれば、その分、株主価値も増加するということです。これを簡易版のモデルを使用して実際の計算でやってみたいと思います。尚、ファンドの採用試験においても、このような内容を電卓で計算させる、いわゆる”Paper LBO”が質問されるという話も聞いたことがあります(※私自身はファンドの採用試験を受けたことはありませんが...)。また、実際にもLBOの案件検討において、ざっくり計算のために利用されることもあると伺ったこともあります。【LBOモデルのサンプル・テンプレートを出品中です】(以下に続きます)さて、それでは、Paper LBOをやってみましょう。まずは前提です。【前提】・5x EBITDA にて企業Xを買収。尚、EBITDA倍率は Next 12 months ベースとする・買収価格は80%負債(debt)、20%資本(Equity)にて調達・買収対象企業の財務状況としては以下の通り: ① 1年目の売上高100百
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第18回:LBO分析:その2 ~ 価値創造の仕組み ~

第18回:Leveraged Buyout (LBO)分析:その2 ~ 価値創造の仕組み ~この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 前回に引き続き、LBO分析について、今回は、ファンド出資金の”価値”がどうして上がっていくのか、について紹介したいと思います。まず、価値創造には2つの側面があると考えており、(1)定性的な側面としてファンドが出資・買収することによって、経営の立て直しが進んだり、積極的な事業投資により新製品やサービスの展開が加速したり、といった点に加えて、(2)LBO取引においては、負債の返済によって、企業の価値そのものが変わらなかったとしても(下がるとマズイですが)、ファンド出資金の”価値”が計算上は上昇する仕組みがあります。今回はこの(2)について紹介していきたいと思います。【LBOモデルのサンプル・テンプレートを出品中です】(以下に続く)さて、まず思い出していただきたいのは、以下の2点です
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第17回:LBO分析:その1 ~ 概要の紹介 ~

第17回:Leveraged Buyout (LBO)分析:その1 ~ 概要の紹介 ~この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 今回は、M&Aの形態のひとつであるLBO(Leveraged Buyout(レバレッジド・バイアウト)の略)分析について紹介したいと思います。【LBOモデルのサンプル・テンプレートを出品中です】(以下に続きます)さて、今回は先ず「LBO分析の概要」について、紹介したいと思います。ひとことで言うと、LBOとは、企業買収の一つの手法で、借入金を活用した企業買収になります(つまり、Leveraged = レバレッジがかかった、Buyout = 買収、ということです)。横文字で書くと”何かすごそうだな”という印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、何か特殊な話ではなく、似たような取引は身近にも見られます:例えば、車のローンであったり、住宅ローン、あるいはFXや株式の信用取引をやったことがある方であれば、いわゆる「レバレッジ」取引になります。これらに共通していることは、少ない資本(手元現金)で大きな買収(買い物)ができる、という点にあります。企業買収におけるLBO分析も同じようなイメージを持っていただければと思います。ただ、LBO取引の場合は、金融機関/機関投資家(ファンド)等がより大きな収益を出せるように開発された手法という側面もあるので、事業シナジーを得る目的で事業会社がLBOを用いるケースよりも、投資ファンドが売買益を得る目
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第16回:理論株価計算、財務モデルの前提をどのように作るか

第16回:理論株価計算、財務モデルの前提をどのように作るかこの度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。さて、理論株価計算のブログやサービスを提供している中で、時々、どのように財務モデルの前提を作ったらよいか、という問い合わせを頂くこともあります。(以下に続きます)【理論株価の計算:エクセルを使用したツール公開中!】(以下に続きます)実はこの質問はかなり奥が深く、事業会社のIR(投資家窓口)と機関投資家のやりとりのなかでも、特に”上手なやりとり”の中では、それを意識した会話がなされることが多いと思っています。というのは、機関投資家のファンドマネージャーやアナリストは投資先の企業の分析スプレッドシートを持っており、それを常にアップデートしながら理論株価を見ながら行動していることが多い印象を持っています。機関投資家の取材では、多くの場合、そのスプレッドシートをどのように「動かすか」を意識した質問がなされることが多いです。スプレッドシートの変化は、投資家の理論株価にも影響を及ぼすためです。また、証券会社の立場でも、M&AやIPOの価格決めにおいて当然、財務モデルの前提は非常に重要になり、何度も修正やアップデートがなされる部分でもあります(ただ、証券会社の立場では、将来予想値等は事業会社に提供頂くことも多いです)。こうしたプロセスを経験した中で、「財務モデルの前提をどのように作るか」、私なりの考えを本ブログでは紹介したいと思います。さて、「財務モデルの前提をどのように
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第9回:企業価値評価 ~ 株主資本コスト、CAPMを使用した計算

第9回:企業価値評価 ~ 株主資本コスト、CAPMを使用した計算この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。前回第8回においては、DCF法による企業価値分析と割引率(WACC)に関する紹介をしました。今回は、WACCにおけるパラメーターであるCost of Equity(株主資本コスト)の計算について、お話ししたいと思います。基本的には借入金金利を参照すればよいCost of Debtに比べて(以下、WACC計算式再掲)に比べて、Cost of Equityの計算については色々な考え方があります。今回は、Cost of Equityの計算方法としてよく使われているCAPM(Capital Asset Pricing Model、「キャップ・エム」と読みます)について説明したいと思います。【再掲:WACC計算式】さて、CAPMの公式は以下の通りとなります。【CAPM公式】それぞれの式のパーツの意味合いについて説明して参ります。① マーケット・リスク・プレミアムここで、右辺の ” E[Rm] - rf ”が示すものは、「マーケット・リスク・プレミアム(Market Risk Premium、以下MRP)と呼ばれます。つまり、リスクを取るからリターンが出る、という観点に基づけば、「リスクのある株式投資をするからには、リスクの無い銀行預金として置いておく以上に儲けたい」ということです。
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第8回:バリュエーション・モデル(DCF法)と企業価値評価、株価計算について

第8回:バリュエーション・モデル(DCF法)と企業価値評価、株価計算についてこの度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。 エクセルによる財務モデリングの方法(第1~6回)に続き、今回はバリュエーション・モデルの代表的なものとして、Discount Cash Flow(DCF)分析について、説明したいと思います。このDCF法は一言で申し上げると、企業が将来に亘って生み出すキャッシュフローを現在の価値に割り引くことによって理論的な株価を算出することができる手法となります。まず、一番重要なこととして、DCF法で割り引く「キャッシュ・フロー」について解説します。⇒ DCF法で割り引くキャッシュ・フローは、(一般的には)Unlevered Free Cash Flowです。DCF法を紹介する多くの書籍には単に「フリー・キャッシュ・フロー」とだけ記載されていることが多いですが、コーポレートファイナンスにおいては、2つに分けることができます: (A)アンレバード・フリー・キャッシュ・フロー(Unlevered Free Cash Flow、あるいは、Free Cash Flow to Firm。以下、UFCF) (B)レバード・フリー・キャッシュ・フロー(Levered Free Cashflow、あるいはEquity Cash Flow、Free Cash Flow to Equity。以下、ECF) DCF法においては、(A)が主に使われるため、ここでは(A)について少し追加
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第7回:投資銀行流、ミスを減らし綺麗に見せるためのエクセルフォーマット術

この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。前回までの6回にわたって、エクセルによる財務モデリングの方法を紹介して参りました。今回は、「一休み」というところで、財務モデリングの正確性を高めつつ、エクセルを綺麗に見せるために投資銀行でよく使われているフォーマット術について取り上げようと思います。宜しくお願い致します。①フォントの色使い投資銀行等においては、以下のようなルールに基づいて数字のフォントの色付けをしていることが多いです・黒色:通常の(同じシート内で完結する)計算式・青色:直接入力しているセルや、仮定を置いているセル ・緑色:別のシートからリンクしているセル・赤色:その他の要注意なセル具体例は以下の通りです。下記のシートでは、例えば、国内海外の売上成長率等は「仮定」として成長率を設定しているため”青色”、一方で、合計として計算されるトータルの売上高成長率はシート内で計算されているものであるため”黒色”となっています。また、減価償却費や受取利息・支払利息は別シートで計算したものとリンクしているため”緑色”となっています。このような統一的なフォーマッティングを行う理由としては、(1)「確認」がしやすい:投資銀行等では、皆が複数のプロジェクトを同時に抱えているため、素早く・ミスのない資料を仕上げていく必要が出てきます。また、資料作成のプロセスにおいては、上司等の別の人による「確認」(レビュー)が入ります。ミスがあると一大事になるため、なるべく正確性を高めたいためです
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第6回:財務モデリング、3表連動モデルの完成まで(完成編)

この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。 もうゴールは目前です。ここから一気に複数のシートをつなげていき、バランスシート等もバランスさせていきます。【これまでのプロセス】【本ブログで取り上げている資料】以下、順番は実は多少は前後してもいいのですが、1つだけ前後をおススメしない順番がありますので、それは後述します。一旦は私の順番でつなげて参りたいと思います。①有利子負債とRevolver残高をバランスシート上につなげる※リンクするシート:「BS」「Debt_Interest」・有利子負債残高:BSシートの20行目に対して、Debt_Interestシートの13行目をリンクさせます。・Revolver残高:BSシートの21行目に対して、Debt_Interestシートの32行目をリンクさせます。BSは以下のようになります(計算途中であるため、細かい数値は変化の可能性あり)。②有利子負債の増減及びRevolverの調達・返済をキャッシュフロー上につなげる※リンクするシート:「CF」「Debt_Interest」・有利子負債の増減:CFシートの16行目に対して、Debt_Interestシートの12行目をリンクさせます。 ・Revolverの調達/返済:CFシートの17行目に対して、Debt_Interestシートの31行目をリンクさせます。 CFは以下のようになります(計算途中であるため、細かい数値は変化の可能性あり)。 ③PLの営業利益までを完成させ、一旦、PL当期利益とCFをつなげる※リンクするシート:「PL」「CF」「D&A」
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第5回:財務モデリング、3表連動モデルの完成まで(準備編)

この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。ここから一気に完成まで行きます。長くなってしまうため、「準備編」と「完成編」に分けて流れの紹介を進めて参ります。ややエクセル操作のテクニカルな部分も生じますし、複数のシートを行き来したりしますので、「準備編」では、まず必要になるパーツを整えて、「完成編」でシートを一気につなげていきたいと思います。【これまでのプロセス】【本ブログで取り上げている資料】 どうぞ宜しくお願い致します。■貸借対照表とキャッシュフロー計算書の準備新規でキャッシュフロー計算書を作成するために「CF」シートを追加します。「CF」シートと「BS」シート(第3回にて準備済み)の下準備をします。まず、「BS」シートにおいて、第3回に「WorkingCap」シート並びに「D&A」シートで計算した、営業債権、棚卸資産、営業債務、有形固定資産の金額をリンクさせます。下記の緑色の部分です。その他のBS項目は変化させない前提を置きます。そのため、FY21/12期以降は、FY20/12と同じ数字を横置きにしています。グレーの部分はまた後程戻ってきますので、一旦はこのままで置いておきます。Tips:"Balance Check"という項目を入れておくと良いです。計算式としては、資産合計ー負債合計ー資本合計で、ここがゼロであること確認します。「完成編」にて再度言及します。次に、「CF」シートに移ります。ここで1点重要なコツとして、CFシートは、実績値は不要です。理由としてはモデル上これまで様々な仮定を置いているため、過去のキャッシュの動きと将来の動きが必ずしも連動
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第3回:財務モデリング、「運転資本」シートの作成(3表連動モデル)

この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。第2回においてはPLの作成をご紹介しました。【本ブログで取り上げている資料】今回は、BS・CFの作成に入る前の準備として、「運転資本」と「投資及び減価償却」の計算を行います。これらを別個に計算する理由は「現預金の水準」に影響を及ぼす主要な項目であるためです。ブログ第1回でも触れましたが、売上が増大すれば一般的には運転資本は増加します。また、投資を行えば現預金は減る一方で減価償却が増加します。こうしたことを財務モデル上に反映させる必要があります。なぜならば、「現預金がマイナスになると、その企業は倒産するため」です。PLの業績予想を作成しただけでは、その計画はもしかしたら会社が倒産してしまう前提になっているかもしれません。さて、具体的な作業の紹介を進めて参ります。まず、下準備として、バランスシートについてFY20/12期の実績だけを入力しておきます。一部BS項目を参照するためです。「BS」シートという新規シートにて作成します。第3回:運転資本の計算
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第2回:財務モデリング、損益計算書の作成について(3表連動モデル)

この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。ブログ第1回では財務モデリングの概要について紹介しました。今回から3表連動モデル(簡易版)の具体的な作成の流れに入っていきます。ブログ第2回は予想損益計算書(PL)の作成、つまり業績予想の作成に関してです。今回はアサヒグループホールディングス(証券コード2502、以下”アサヒ”)を例に構築手順を案内して参りたいと思います。※後述しますが、いくつかのPL項目についてはBS・CFの作成プロセスで計算するため、PLの大枠はできますが、少しだけ”途中”までとなります。業績予想の作成において重要になるのが、①売上高、及び、②費用(売上原価、販売費及び一般管理費)となります。①から②を引くことによって、営業利益が算出されます。まず、①売上高について、です。モデリング上、売上高予想の計算は、以下のアプローチが取られることが多いです:(A)今年の売上高=前年の売上高x(1+成長率)(B)売上高=市場規模xシェア今回は簡易版ということで、(A)のアプローチを取りたいと思います。(B)のアプローチも可能ですが「市場規模」と「シェア」というのは、ややトップダウンの考え方になると私は理解しています。そのため、私としては、より企業個別の情報等(”ファンダメンタルズ”)を反映できる(A)のアプローチを紹介したいと思います。※尚、実務的には、(A)のアプローチを取りつつ、(B)でクロスチェック(マーケットシェアが異常に大きくならないか、等)をすることも多いです。具体的に作成を進めていきます。単に売上高のみからスタートしても良いのですが、アサヒ
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ブログ始めました~ 第1回:財務モデリングについて ~「3表連動モデル」の作り方

はじめまして、Taskaruと申します。外資系の投資銀行等において培った企業価値評価や財務分析等のスキルを生かして、なるべく初心者等でも要点を確認できるよう、お手伝いさせて頂ければと考えております。本ブログではコーポレート・ファイナンスに関わる話題を幅広く取り上げていきたいと考えています。乱筆乱文ですが、コーポレート・ファイナンスに少しでも興味を持っていただける人が増えれば私としても幸甚に存じます。どうぞ宜しくお願い致します。 第1回は「財務モデリング」について、です。ここから続く複数回にわたって、「3表連動モデル」の作り方(簡易版)について、解説していきたいと考えています。まずは「そもそも、財務モデリングとは?」という観点から解説して参りたいと思います。【3表連動モデルの作り方に関する今後の記事一覧】 まず、「財務モデリング」=「財務モデル」を構築する作業(多くの場合、エクセルを用いて)、ということですが、「財務モデル」には2つの種類がございます:①「バリュエーション・モデル」と ②「オペレーティング・モデル」 です。はじめに、①「バリュエーション・モデル」というのは、各種の評価手法(Discount Cash Flow法など)を用いて、実際に企業価値の計算をするところになります。具体的には、弊職が出品している『企業価値評価のエクセルシートをお送りします DCF分析のエッセンスを勉強したい方向けシンプルなモデルです』における、以下のような部分で、分析の前提条件や、分析に用いられるパラメーター条件等をまとめています。次に、②「オペレーティング・モデル」というのは、上記の「
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第4回:財務モデリング、「投資及び減価償却」シートの作成(3表連動モデル)

この度はお読み頂きまして誠に有難うございます。Taskaruです。【これまでのプロセス】第4回:投資及び減価償却の計算 新規のシートを作成します。今回は「D&A」というシートを追加します。全体像としては次のようになります。■まずは、有形固定資産の支出額(CAPEX)の予想を立てます。セルB9において、決算短信の「投資活動によるキャッシュフロー」から有形固定資産の取得による支出額を転記しています(企業によって項目の表示名は変わります)。
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