🌛 初めての一枚 ♪ / 初心(ぴゅあ)とポジティブ(夢)
初めての一枚あの日のこと、何度も思い出す。教材の動画を、何十回も巻き戻した。並べ方は、やっと覚えたところ。それだけ。なのに、いざカードを切ったら指先が硬くて……あ、これ本気で緊張してるんだ、って気づいた。一枚めくった。友達の顔が、変わった。当たったわけじゃない。ただ、ずっと聞いてた話が、カードの上に乗っかっただけ。それでも、その瞬間だけは確かに何かが起きた。うまく占えたかなんて、今でもわからない。わからないけど、あの日から、何かがずっと動いてる。今日は、あなたに、その一枚を渡しておく。何が始まる気がする?初めての一枚放課後の空き教室に、机を二つ寄せる音がした。窓の外はまだ明るくて、部活の声が遠くから聞こえてくる。あたしは鞄からタロットカードを取り出した。ココナラで買った教材、動画を何度も見て、やっと覚えた並べ方。今日、初めてこのカードで誰かを占う。「本当に瞳が占うの?」向かいに座った友達が、半分笑いながら聞いてくる。「うん。まだ下手かもしれないけど」手が震えていた。カードを切る指先が、いつもより硬い。教材の動画では簡単そうに見えたのに、実際に人を前にすると全然違う。この一枚一枚に、誰かの人生の重さが乗る。それがどれだけ重いことか、今、初めて分かった。三枚、机の上に並べる。過去、現在、未来。「これは……」言葉に詰まる。教材で覚えた意味と、目の前の友達の顔が、うまく繋がらない。現在の位置に出たのは、ソードの2。目隠しをした女性が、二本の剣を胸の前で交差させて座っている絵柄。その目隠しが、友達が前に話していた片思いの相手との距離に、重なって見えた。「相手のこと、まだ迷ってるでしょ」友
0