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【第1回】司法試験に複数回落ちている人に共通する盲点。それは『問いに答えていない』ことだ。

司法試験不合格の原因として、多くの人は、下記のような要因を挙げるのではないでしょうか。 ・知識不足 ・論点に気が付かなかった ・あてはめが薄くなってしまった、事実の抜き出しが少なかった 不合格となる場合、上記は原因ではないことが大半です。 私自身、司法試験を3回受験しています。私も、上記のような原因を疑って勉強を積み重ね、知識も理解力も文章力も付けました。模試でも1回目の受験の時から論文の成績でもAやBが付いていました。しかし、結果は2回とも2,000番台で、箸にも棒にもかからない状態でした。 転機は3回目でした。この年の私の答案は、それ以前と比べて内容は薄く、あてはめも最小限でした。ところが結果は、2,000番以上も順位を上げて合格することができました。 理由は、それまでの勉強法をごっそりやめて、戦略と方法論を見直したからです。具体的には、以下のようなことをやめました。 ・論証の作成や覚えることに時間を割くこと ・「論点に気が付けるように」と意識して勉強すること ・試験中に「自分の知っている知識・論点か」、「解いたことのある問題か」と、頭の中で検索すること 代わりにやったことは、「2時間・3,000字という枠組みの中で、問いに答えるためにはどうすればよいか」にこだわっただけです。1:「骨と皮だけ」の答案が、なぜ7位なのか3回目の受験の際には、合格答案の分析に時間をかけるようになりました。その中に1通、強烈に印象に残った答案がありました。 刑事系で7位で合格した受験生の答案です。その合格者の答案の字数は、刑法が約2,350字、刑訴が約2,300字でした。 まず前提として、論文式
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【第2回】司法試験の『合格ライン』を勘違いしていませんか?(一応の水準と不良の水準の境目を知る)

前回は、「問いに答えていない」という盲点についてお話ししました。 今回はその続きです。 「問いに答える」ことが司法試験合格の必要条件であるとして、では「問いに答えた」答案とはどういうものをいうでしょうか。答案を作成するうえで、何を優先する必要があるのでしょうか。1:合格答案のイメージを明確にすることが出来ていますか受験生にこの質問をすると、多くの場合、こういう答えが返ってきます。 ・「論点を落とさず、規範を正確に書いた答案」・「事実をしっかり拾って、あてはめが充実した答案」 ・「採点実感で『優秀な答案』と書かれているレベルの答案」 上記の答案も合格答案に含まれるかもしれませんが、ではその答案を具体的にイメージ出来るでしょうか。 合格答案とはどういうものか、明確にイメージすることが出来ないのであれば合格を目指すことは出来ません。 2:合格答案とは「不良の水準」でない答案である。ご存じの通り、採点実感は重要です。読んでいる人も多いと思いますが、採点実感で一番見るべきポイントは、「一応の水準」と「不良の水準」のコメント部分です。ここに合否の境界線があります。 司法試験は、合格ラインを1点でも下回ると、残念ながら全く評価されません。1位差で不合格となってしまった人も、順位が最下位であった人も同じ評価です。そうすると、何が何でも死守しなければならないポイントは、合格ラインを1点上回ることとなります。そのためには、合否の境界線を明確に見抜く必要があります。合格ラインが明確になれば、自ずと合格答案のイメージも明確になります。 もっとも、「下位合格で滑り込みを狙え!」と言っているわけではありま
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【第7回】点数・偏差値・平均点のみで判断していませんか?(「vs受験生」ではなく「vs自分」で分析する『実力発揮率』という考え方)

前回は、短答式試験にスポットを当て、点数のブレ幅から戦略を立てる必要性と、論文式試験も同様に分析すべきであることをお話ししました。今回も、短答式試験にスポットを当て、前回とは違った角度で戦略を立てる方法論をお話しします。大前提:正答率80%以上の問題だけを解く文字通りの意味です。予備校が出版する問題集には正答率が記載されていますが、その正答率の情報で構いません。正答率が80%以下の問題はやらなくて構いません。その代わり、「正答率80%以上の問題は絶対に間違ってはならない」という意識を強く持ちましょう。このようなことを言うと、「正答率の低い問題が気になる」、「それだけでは合格しない(気がする)」と言われるかもしれませんが、これには具体的な裏付けの数字があります。 『正答率80%以上に相当する問題を仮に全問正解した場合,短答合格点は優に超える』(「伊藤真の速習短答過去問」参照、現在は「伊藤塾 合格セレクション 司法試験・予備試験 短答式過去問題集」とタイトルが変わっている。) とされており、「誰でも解ける当たり前の問題を、当たり前に正解する」ことが一番重要であることがわかります。 そして、自身でチェックしてみるとわかりますが、思っている以上に、正答率80%以上の問題を確実に正解出来ていないことに気が付くはずです。 パレートの法則というのを聞いたことがあるでしょうか。「顧客の全体の2割である優良顧客が売り上げの8割を上げている」という法則のことです。司法試験も同様です。出題範囲やテーマは限られています。 正答率の低い問題に手を出すのは、優先順位を意識できておらず、正答率の高い問題への
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【第4回】事実は「抜き出す」のではなく、「要約」する(事実の抜き出しに字数を使うのはNGである理由)

前回(第3回)は、受験生全員に共通する2時間・3,000字という制約のルールの中で、答案に書くべき優先順位①〜⑤を紹介しました。 今回はその掘り下げです。特に⑤「事実を最低限踏まえた検討をすること」について、事実の抜き出しを端折りながら多くのことを検討する具体的な方法を説明します。1:事実は「要約するもの」である「事実を拾うほど良い答案になる」と思っている受験生は多いです。しかし、前回(第3回)も述べた通り、事実の抜き出しに字数を割くべきではありません。3,000字以内で答案を完成させなければならないわけですから、事実を引き写すほど、優先して書くべき字数の枠を圧迫します。 事実を引き写した方が点数が入るのであれば、極端なことをいうと、書き写した事実の文字数に比例して点数が高くなることになりますが、もちろんそのような試験ではありません。また、第1回でも紹介した、刑法と刑訴を2,300字(答案用紙4枚)で書いた刑事系7位の合格者の答案は、事実の抜き出しは必要最小限でした。 したがって、現在の司法試験のルールを前提とする場合、合理的に考えて、事実の抜き出しは「最小限」にとどめざるを得ないのです。 一方で、事実を無視して答案を作成することも当然のことながら出来ません。したがって、このジレンマを解消するためには、事実は「抜き出すもの」ではなく「要約するもの」という戦略を採らざるをえません。 2:「要約」で構わない理由ここまで聞いても、これまで教わってきた前提と違うため、抵抗感を感じる受験生もいると思いますので、いくつか裏付け的な話をします。 もちろん、何の意味もなく事実を抜き出している訳
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【第3回】2時間・3,000字で答案を書くための方法論

前回(第2回)のおさらいです。 想定外は一切許されない試験の性格上、最悪の状況を最初から想定した戦略を立てる必要があるため、受験生共通のルールとして、2時間・3,000字で答案を完成させる必要があることをお話ししました。 そして、3,000字以内で答案を完成するためには優先順位を付けざるを得ず、以下の①~⑤は絶対に省くことが出来ないことをお話ししました。 ①:問いに「形式的に」答えること ②:問いに「正しい方向を向いて」答えること ③:三段論法を最低限守ること ④:三段論法を維持するために「最低限度の規範」の論証がいること ⑤:具体的な検討のため、 問題文の事情を「最低限」踏まえて検討すること そして、上記の①~⑤を書くことが出来て初めて ⑥: あてはめを充実させること を書くことが出来るものの、字数的にその余裕はないところまでが前回の話です。今回は、上記の優先順位①〜⑤について、それぞれが具体的に何を意味するのかを説明します。 ①:問いに「形式的に」答えること当たり前のことですが、問いに「合わせて」答案は書かなければなりません。 例えば、設問で「Aの請求は認められるか」と聞かれていたら、答案の末尾は、「Aの請求は認められる。」もしくは、「Aの請求は認められない。」のいずれかで締めなければなりません。 「そんな当たり前のこと今更言うな」と思われるかもしれません。 しかし、前回、「一応の水準」のレベルは、「形式的に問いに答えられていた」答案レベルのものが非常に多いと話した通り、問題を読んでいない受験生は非常に多いのです。 例えば、前回紹介した、令和5年度行政法「設問1⑵」の問題で
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【第5回】「良い答案」とは何か?(色分けで、自分の答案の弱点が1分で見えるようになる理由)

前回(第4回)は、問題文の事実をそのまま抜きだすのはやめて、「要約」をしなければならないことについて説明しました。今回は、事実の抜き出しを減らすことに関連して、答案の分析方法について説明します。 1:今自分が書いている文章の位置づけを意識していますか?皆さんは答案を書いている際に、自分が今、答案の「どの部分」を書いているか、意識しながら書いているでしょうか? 「〇〇の論点」とか、「△△の規範」というような意味ではなく、自分が今書いている文は、司法試験の作法にしたがった場合、「どこに位置づけられる文章を今書いているのか」を意識しているでしょうか。 この意識がないと、「〇〇の論点は知っている!」とか、「△△でやったことあるやつだ!」というように、過去の知識に頼り飛びついて、書きたいことを書き、問題文で問われていることから離れてしまいやすくなります。 したがって、常に自分が今書いている文章は、「どこに位置づけられる類の文章なのか」を意識する必要があります。 2:色分けによる分析法答案の各文が、それぞれどういう類に位置づけられる文なのかを明確に把握する手法として、各文にアンダーラインで色を付けるという方法があります。自分の答案はもちろん、合格答案など人の答案についても色付けをする癖を付けましょう。 具体的には、下記のように4種類の文に分けて、それぞれ4色で色分けします。(下記の4色にしているのは、私的にそれぞれの色の違いが見やすかったからです。各々見やすい色を4色使用して色分けしてみてください)。 オレンジ:事例の問題提起・結論 青:論点の問題提起、規範 赤:問題文の事実の抜き出し 紫
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【第6回】「自己最高点を目標にする」のは戦略ではなく願望である(点数のブレ幅から合格戦略を立てる)

第1〜5回では、論文式試験を中心に説明してきました。 今回は、短答式試験を中心にお話ししますもっとも、短答式試験と論文式試験を別物として捉えることはNGです。後述しますが、今回取り扱う内容は、論文式試験でも同様に考えるものと位置づけてください。 短答式試験の勉強法は、基本的には、過去問を中心とした問題演習を地道に積み重ねて知識を定着させる方法が、昔から王道とされています。パーフェクト(辰巳)のようなテーマ別の問題集や、肢別本やアプリなど、手段に違いはあれど、基本的には私も問題演習の積み重ねの勉強で良いと考えます。 一方で、短答式試験は「やれば(誰でも)合格できる」といった風潮もありますが、勉強を積み重ねていても苦手な受験生はいますし、私も最後まで苦手意識がありました。 そこで、上記の勉強法がセオリーであり、絶対的な演習量が必要であることは前提としつつも、演習量だけで全てが解決するとは限らず、根性論ではなく、「自分に合った」合理的な勉強法を検討する必要があることについて、様々な角度から掘り下げます。 1:演習を積み重ねれば、その分短答の成績は上がるのか「(演習)量をこなせば点数は上がる」という趣旨のことを、合格者や短答式が得意な人から言われたことがある受験生もいるかと思いますが、問題演習を積み重ねても、その効果がなかなか現れずに焦っている受験生もいるのではないでしょうか。 実際、演習量と点数は単純な比例関係にはないと思います。それは、私自身の経験としてもそうですし、他の受験生を見ていてもそう感じます。 コツコツ勉強していても、なかなか結果が付いてこない日々が長く続き、点数がなかな
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これで予備試験はクリア! 六法を使った短答学習法

この学習法の目的とにかく六法をたくさん引く。短答問題を題材にしながら、法律の構造や仕組みを学ぶ。短答学習を単なる暗記時間に終わらせず、法的思考の養成につなげる。予備試験短答合格後、スムーズに論文合格につなげられるように準備する。この学習でどんな自分になるのか?①頭の中に六法のイメージを持てるようになるたくさん六法を引くと、自然とそのイメージが脳内に植え付けられていきます。それは、まるで計算の早い人が脳内でそろばんをはじいているかのようです。②答えだけでなく、その導き方を極められる正誤を判断できるかどうかも大事ですが、それだけでは不十分です。「条文から」正しい法的思考に基づいて答えにたどり着けるようにならなければいけません。「初見の問題に弱い」受験生は、これが出来ていません。③短答知識を論文で使えるように整理できる短答をクリアするだけでは、予備試験に最終合格することはできません。ただ、いざ短答と論文の勉強を両立しようとすると、勉強量が大変なことになります。短答で学んだことをそのまま論文でも使えるように意識しながら、勉強していくことが大切です。六法と法知識を密にリンクさせることで、それが可能になります。短答知識さえあれば、ある程度の合格答案は書けます。④論文で戦えるだけの問題分析力を備える「何を書いたらいいかわからなかった・・・」は論文不合格者あるあるです。それは、単に目の前の具体的事実関係を条文から整理することが出来ていないことが原因です。短答の問題は、比較的それがやりやすい。短答問題を条文からきちんと整理する術を学べば、論文で戦えるだけの問題分析力の基礎を作ることが出来るでしょ
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