皆さん、こんにちは。
当ブログのペイシェントハラスメント(ペイハラ)シリーズは、第2章4回目です。
前回は、B氏をICの席に着かせるためにチームとしての戦略を立て、アクションを起こし、それに対してB氏の反応はほぼ期待通りの反応でした。
今回はその続きでICまでをお話しする第2章としては最終回です。
第1章の初日の電話対応からこの第2章まで、当時のリアルな時間経過としては、約3週間です。
この3週の間、現場はB氏からの揺さぶりにさらされ続けてきました。
対応窓口はこの間は私が担当しましたが、それでもB氏は突然病棟に現れたりと、少なからずストレスを感じていたと思います。
この事例が当院の中で終結するのは、さらにここから2か月後ということになります。
シリーズもそれなりのボリュームにはなりますが、ポイントになるイベント以外は、本当に同じことが繰り返され、基本的には初日と同じ対応をしていったので、そこは病院にとってはしんどい期間ではありましたが、読者の皆さんには初日の対応でめいっぱい紹介しましたので適宜割愛していきます。
テンポアップしながらも、イベントではしっかりと病院がどんなピンチに陥り、それをどうやって対応していったのかをできるだけ漏らさず紹介していきたいと思います。
【IC日程の確定】
私がB氏の「対応窓口を外された」ことが影響したのか、ICの日程再調整は順調に進み、B氏が提案したとおり、×日の19時に決定しました。
保留していた最終回答も、B氏の方から回答期日としていた日に病棟に電話があったそうです。
B氏の回答を受け、早速関係者間で情報共有するとともに、IC当日の対応は、私は同席しないものの、B氏入室後に部屋の外で待機することになりました。
また、今後のIC時は音声を録音することに決定しました。
ここで、録音について読者の皆さんは心配されるのではないかと思います。
盗聴は違法行為になりますが、話し合いの録音は相手方の同意を得る手続きをすることなく録音することは可能です。
過去、大阪で警察官の違法な取調べがあり、その録音データが公開されたことがありました。
この時、取調べを受けた人物は警察官に対して取調べを録音すること事前に告げていませんでしたが、裁判ではそのことについて違法性を争うことはありませんでした。
よって一般的には、自らが当事者として参加している会話を録音すること自体は直ちに違法とはされていません。
もちろん、録音することを事前に相手方に告知して話し合いに入ることも問題ありませんし、それすることによって相手の粗暴な言動を抑止することができる効果もあります。
今回のケースでは、B氏に対して事前にICを録音することを告げると、その場でICを拒否される可能性を認めたことから、秘密裏に録音をすることにしました。
【IC当日】
IC当日は、関係者全員が緊張していました。
このICの成否によって、この後の診療が円滑に進めることができるのか、病院として患者の診療に対して責務を果たしていくことができるのかが決まるのですから、相当な緊張と集中力をもってICに臨む必要がありました。
ICには、主治医の甲先生、病棟師長、担当MSWの3人が入りました。
B氏は、約束の時間通りに来院し、予定時間通りにICは開始されました。
主治医の甲先生は、まだB氏とのコンフリクト(軋轢)はなく、甲先生が言葉を慎重に選びながら丁寧かつ親切にわかりやすくAさんの病状説明したことで、IC自体は非常に穏やかに進みました。
ICでは、主治医から病状について説明、病棟師長から貸出となっている紙おむつ等の数について報告し、Aさんを療養型の病院に転院する方針を示したところ、B氏はすんなりと了承し、転院先の選定及び調整はMSWが行うこととなりました。
そして、私に対する苦言や手打ちに関する文書取り交わしの申し出もなかったのですが、気になったことは、B氏が甲先生の説明に関して、繰り返し繰り返し「それは『そう思う』なのか、『そうです』なのか」などと、言葉尻のニュアンスを確認することがありました。
当時の私は、このやり取りに少し違和感を覚えました。
後になって振り返ると、B氏は医師の発言の細かな表現を確認し、整理していたようにも思えます。
この時点では、病院側の目標であったICの実施と転院方針の説明は無事に終わったように見えました。
しかし、後になって振り返ると、この日のICには次のトラブルにつながる兆候が、B氏の言葉の端々にすでに現れていたのです。
(第2章了~第13回 その1へ続く)