皆さん、こんにちは。
いよいよこのペイシェントハラスメントシリーズも残りの回数がわずかになりました。
前回は、転院当日のB氏からの連続の電話による業務妨害についてお話しをしましたが、今回は、この電話攻勢を受け、今後B氏からの電話等の対応について、関係部門に通知をした内容をお伝えします。
今回掲載する文書は、実際に院内で関係部署へ通知した内容をもとにしたものです。病院だけでなく、他の業種でもカスタマーハラスメント対応を考える際の参考資料としてご活用いただければ幸いです。
対応マニュアル的な資料として、画像を参考にご活用ください。
【関係部門への協力要請】
この文書は、実際に私が院内へ通知した内容をもとに、個人情報等を除いて掲載しています。
対応拒否人物の情報共有とご協力のお願いについて
下記人物は、元患者の家族でありますが、当院及び系列病院での診療経過において、悪質なハラスメント行為を繰り返したため、本年○月✕日の転院時に「退院請求通知書」をもって、医師法第19条に基づく診療拒否及び当院への来院・職員へのあらゆる通信手段を用いての接触拒否を通知しております。
つきましては、下記の事項に従いご対応くださいますようお願い致します。
1 人物
B氏 当院IDなし
住所 ○○市・・・・・・・・
電話 090-✕✕✕✕-✕✕✕✕
※元患者・A氏(ID:0000000)の家族
年齢◆◆歳代、身長175センチくらい、肥満体型、軽度のだみ声
2 予想される当院への接触手段と手段別の態様例
(1) 電話
・「病院からの電話の着信(留守電)があった」と職員への取り次ぎを要
求する。
・「問合せをしたいことがある」等と正当な理由(虚言)を用いて、当職
への取り次ぎを要求する。
・一時的にメールで連絡を取り合うことになっているが、「メールが届か
ない」と虚偽の理由を用いて、当職への取り次ぎを要求する。
(2) 来院
・「病棟に借りている紙おむつを返しにきた」と病棟スタッフまたは当職
への接触を図ろうとする。
・「医療費の支払いにきた」と院内への侵入を図ろうとする。
・「医療安全のTKに呼ばれた」等と虚言を用いて、院内に侵入を図ろう
とする。
3 対応について
(1) 電話対応について
転院時に当人に交付した「退院請求通知書」にて今後の対応を拒否する
旨通知しているので、電話の取り次ぎについては、「病院内で取り次ぎし
ないよう決められている」と説明し、お断りしてください。
電話応対者の氏名を確認された場合は、「医療安全の観点から名前は名
乗るなと医療安全管理部のTKから指示されている」と説明し、断ってく
ださい。
「メールが届かない」という申し立てについては、○月に医事課で先方
から指定されたメールアドレスを聴き取りしており、既にそのメールアド
レスに対して複数回事務連絡のメールを送っています。よって、「メール
が届かない」というのは虚言と推察されます。
メールが届かない趣旨の発言があれば、「それは担当に伝えておきま
す」と返答して取り次ぎは断ってください。
第一次の対応での拒否は困難であることは承知しておりますが、この人
物は、対応のボーダーラインを下げさせ、そこを突いて要求を過剰化させ
ていくことを常套手段としております。
つけ入る隙を一切作らないことが最重要であることをご理解いただきご
協力ください。
(2) 来院時の対応について
施設の管理権限に基づき、B氏の当院への立ち入りを拒否しています。
「家族の付き添い」「親類の見舞い」等、種々の理由をつけて立ち入ろ
うとすることが予想されますが、同伴者(家族、代理人等)の立ち入りは
認めていただいて結構ですが、B氏にあっては施設外で待機するよう指示
してください。
本件については、○月△日(◎)に○○警察署刑事課に相談に行き、ト
ラブル発生時の対応の協力依頼をしております。
指示・警告に従わない場合は、警察に対応要請してください。
(3) 診療希望で来院した場合について
B氏は系列の医療機関のIDを有しておりません。
場合によっては、ウォークインの患者を装い院内に侵入する可能性があ
ります。
「B」姓の初診患者にあっては、必ず元患者のカルテを開いて確認いた
だき、本人であることを確認した場合は、診療拒否であることを告げて断
ってください。
受付で抗議等があれば、当職に即報いただくか、当職が対応できない場
合は「警察を呼びます」と警告し、威迫等の行為があれば警察官の臨場を
要請してください。
4 警察への相談状況について
○月△日(◎)、○○警察署刑事課を訪問し、刑事課長、刑事課長代理に
対し、本件の一連の経過を説明し、有事の際の協力依頼を行っています。
警察に依頼した項目は、
①本件について署内で情報共有していただく
②来院時のトラブルで、社会通念上行き過ぎた行為であると判断され
る場合、制服警察官の臨場要請をお願いする
③業務に支障をきたすような連続しての電話がある場合、警察からB
氏に連絡し、警告していただく
以上3点とし、積極的な事件化よりも抑止力的な対応をお願いしています。
5 注意事項
○ 警備におかれましては、院内外の巡回時は身の回りの安全をしっかりと
確認してください。
○ B氏からの接触、接触を図ろうとする動きを確認した場合、日時と言動
等をメモに残し、当職に報告をお願いします。(今後の対応を見据え、記
録化していきます)
○ 虚言があります。話を傾聴すると嘘で揺さぶりをかけたり、いつの間に
か相手のペースに引き込まれてしまいます。常に「拒否するよう言われて
いる」と毅然とした対応で拒否してください。(話を聴く必要はありませ
ん)
以 上
(第14回了 ~ 第15回=最終章へ続く)