このブログも回数を重ねるうちに、少しずつ閲覧回数が伸びてきました。
現在は火曜日と金曜日の朝に更新していますが、画面の向こうで更新を楽しみにしてくださる方がいると思うと、このペースを崩さずに走り続けたいと、身が引き締まる思いです。
今回は初めて前後編に分けての投稿となりました。
私の苦い経験と、病院トラブルにおける「組織対応」の本質についてお話しします。
どうぞお付き合いください。
【正中神経損傷、そして「看護師の加担」】
採血による正中神経損傷は、病院側の責任を問われやすい事例です。
しかし、その場で即座に過失を認め、法的な約束をすることはできません。
私の役割は、患者さんに寄り添いつつ、「院内で厳正に検証した上で改めて説明する。まずは安心して治療に専念していただくため、本件の医療費は請求しない」という病院の姿勢を伝えることでした。
当然、何が起きたかの医学的説明は、発生部門である診療科が行っているはず……そう信じて現場へ向かいました。
ところが、車椅子の患者さんの横に立つ看護師が、私を見るなり叫んだのです。
「この人に謝りなさいよ!」
彼女は私の説明を遮り、「病院が責任を取りなさい!」「今すぐここで認めて謝りなさい!」と患者さんを煽り始めました。
冷静だった患者さんもついに感情を昂らせ、私は双方から2時間にわたって罵声を浴びることになったのです。
【「アタッキング」は外側からだけではない】
この行為を「アタッキング」と呼びます。
怒鳴る、机を叩くといった外的な攻撃だけではありません。
組織内での「非協力」や、今回のように「梯子を外す」ことで担当者を孤立させる内的な行為も、立派なアタッキングです。
初めての経験だったこともあり、さすがの私でもショックを隠せませんでした。
過去、どんな厳しい現場でも味方から背中を撃たれる経験はありませんでしたから…
その後2週間ほど耳鳴りが続くなど、身体にも影響が出ましたが、この窮地を救ってくれたのは「組織」の力でした。
【組織防衛の鉄則:担当者を一人にしない】
医療安全の部長先生がこの事態を重く受け止め、病院長や看護部長へ速やかに報告。
当該看護師への厳しい処分を進言してくださいました。
病院が「担当者の責任にしない」という姿勢を明確に示してくれたのです。
さらに、この苦い経験を教訓に、病院では以下のルールが徹底されました。
・一人で対応しない(必ず複数対応)
・役割を分ける(説明・記録・判断)
・最終判断は組織が行う(個人に背負わせない)
この3つが守られていない現場では、どれだけ個人の能力が高くても、同じ問題が繰り返されます。
当時の病院の強力なバックアップがあったからこそ、私は「医療安全の道で現場を守る」と心に決めることができたのです。
【スタッフを守ることが、患者さんを守ることに繋がる】
「病院に守られている」という安心感があって初めて、スタッフは患者さんに対して誠実であり続けることができます。
事実、組織のサポートを得た私は、その後も患者さんの経営するお店を訪問するなど、粘り強く寄り添う対応を続けることができました。
いつしか患者さんも穏やかに接してくださるようになり、その甲斐もあってか、この症例としては極めて短い3カ月で症状が改善、示談交渉もスムーズに結了したのです。
【最後に:チームで「盾」を支える】
スタッフを守ることは、最終的に病院の医療の質を守ることに直結します。
難渋事例を、たった一人のスタッフに背負わせてはいけません。
もし、
・担当者が孤立してしまっている
・組織としての対応が統一できていない
・現場と管理側の連携に課題がある
そのような状況であれば、整理のお手伝いは可能です。