書類選考、面接を経て、採用内定を通知します。その後、入社日まで、様々な準備を行いますが、その中でも重要なのが、労働条件通知書です。入社時に交付しておかないと、万一のトラブルの際、会社が不利な状況になることもあります。本記事では、労働条件通知書について解説します!
1 労働条件通知書とは?
入社時に、従業員に交付する必要がある書類です。サンプルは、以下のとおりです。
2 労働条件通知書の役割
労働条件通知書は、労働条件を書面で通知することで、トラブルを防止するためのものです。例えば、「面接時と給料の額が違う。」といったような問い合わせを受けても、労働条件通知書に記載し、従業員も署名等しているのであれば、それは誤解であると、説明しやすくなります。主な記載事項は、賃金や労働時間、休暇等です。また、雇用契約書と一括して、「労働条件通知書兼雇用契約書」とすることも一般的です。
また、交付しないと、労基法第15条違反となり、労基署からの行政指導や、最悪のケースでは、30万円以下の罰金となることもあります
3 記載するべき項目
記載すべき項目は、下記のとおりです。ただし、四号の二以降は、会社にルールがある場合のみ、記載します。
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一 労働契約の期間に関する事項
一の二 有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間(労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第十八条第一項に規定する通算契約期間をいう。)又は有期労働契約の更新回数に上限の定めがある場合には当該上限を含む。)
一の三 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項(就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲を含む。)
二 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
三 賃金(退職手当及び第五号に規定する賃金を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
四 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
四の二 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
五 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及び第八条各号に掲げる賃金並びに最低賃金額に関する事項
六 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
七 安全及び衛生に関する事項
八 職業訓練に関する事項
九 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
十 表彰及び制裁に関する事項
十一 休職に関する事項
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4 作成時のポイント
トラブルになりやすいのが、「賃金」「休日」「契約期間」等です。「口頭で説明したから大丈夫」という考えは非常に危険で、後にトラブルとなり、労働条件通知書を交付していない場合、「そもそもなぜ労働条件通知書を交付していないのですか?」と、トラブルそのものとは別の角度からも、責任を問われてしまう可能性もありますので、必ず作成しておきましょう。また、記載すべき事項も法令で定められているので、下記に記載しておきますので、網羅できているかも、併せて確認しておきましょう。
5 まとめ
労働条件通知書について解説しました。当事務所では、労働条件通知書のみならず、労務管理について、ご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。元労基署職員(労働基準監督官)の視点から、適切なご提案をさせていただきます。