仕事ができる人に頼りすぎる会社が回らなくなる理由

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ビジネス・マーケティング
仕事ができる人がいる。
判断も早い。
顧客対応もうまい。
社内からの信頼も厚い。

一見すると、とても良いことです。

しかし実務では、
仕事ができる人に頼りすぎることで、かえって会社全体が回らなくなる
ということがあります。

これは、その人が悪いわけではありません。
むしろ優秀だからこそ、仕事が集中してしまうのです。

今回は、なぜ仕事ができる人に頼りすぎる会社が回らなくなるのかを整理します。

1.最初は「できる人に任せる」のが合理的


忙しい現場では、仕事ができる人に任せるのは自然なことです。
 ・早く処理できる
 ・判断が的確
 ・トラブル対応がうまい
 ・顧客からの信頼もある

このような人に仕事を任せると、短期的にはうまく回ります。

特に中小企業では、人員も時間も限られています。
そのため、経験のある人や能力の高い人に頼ること自体は、決して間違いではありません。

問題は、その状態が長く続きすぎることです。

2.頼りすぎると、仕事が人についてしまう

仕事ができる人に頼り続けると、次第に業務が属人化します。

例えば、
 ・この顧客はAさんしか分からない
 ・この業務はBさんしか対応できない
 ・判断基準が担当者の頭の中にしかない
 ・引き継ぎ資料がない
 ・トラブルが起きると結局いつも同じ人に戻る

この状態になると、仕事は「会社の仕組み」ではなく、
個人の経験や記憶に依存して回るようになります。

短期的には問題が見えにくいです。
なぜなら、優秀な人が頑張ることで、何とか処理できてしまうからです。

しかし、これが続くと会社全体の力は伸びにくくなります。

3.会社全体の処理能力が上がらない

属人化が進むと、仕事ができる人だけが忙しくなります。
一方で、周囲の人は経験を積みにくくなります。

その結果、
 ・できる人に仕事が集中する
 ・周囲が育たない
 ・さらにできる人に頼る
 ・その人がますます忙しくなる
という悪循環に入ります。

この状態では、会社全体の処理能力は上がりません。

本来であれば、仕事を分担し、標準化し、周囲に移していくことで、組織全体の力が高まります。
しかし、できる人に依存していると、仕事がその人のところで止まり、会社全体に広がりません。

結果として、人はいるのに仕事が回らないという状態が起きます。

4.優秀な人ほど不満がたまりやすくなる

もう一つ見落とされやすいのが、
優秀な人に業務が集中するほど、その人の不満もたまりやすくなる
という点です。

仕事ができる人には、自然と難しい仕事や急ぎの仕事が集まります。
一方で、そうではない人には仕事があまり振られず、余裕がある状態になることもあります。

すると、社内では次のような状態が起きます。
 ・優秀な人ほど忙しい
 ・難しい仕事ほど同じ人に集まる
 ・周囲はあまり育たない
 ・それでも報酬や評価に大きな差がない
 ・優秀な人だけが負担感を抱える

この状態が続くと、優秀な人からすれば、
「なぜ自分ばかり忙しいのか」
「これだけ負担しているのに、十分に報われていない」
と感じやすくなります。

そして本当に怖いのは、その人が辞めたときです。

業務、顧客対応、判断基準、過去の経緯がその人に集中しているほど、退職時の影響は大きくなります。
 ・引き継ぎができない
 ・顧客対応が止まる
 ・判断できる人がいなくなる
 ・残った人が急に混乱する
 ・会社全体の処理能力が落ちる

つまり、優秀な人に頼りすぎる会社は、
その人がいる間は何とか回っているように見えても、辞めた瞬間に弱点が一気に表面化する
というリスクを抱えています。

属人化の問題は、単なる業務効率の問題ではありません。
人材流出リスクそのものでもあります。

5.判断も遅くなる

属人化の問題は、作業だけではありません。
判断も遅くなります。

例えば、
 ・Aさんがいないと判断できない
 ・Bさんに確認しないと進められない
 ・顧客対応の方針が人によって違う
 ・重要な情報が特定の人に集まっている
このような状態では、組織としての意思決定が遅くなります。

しかも、できる人ほど多くの仕事を抱えているため、確認待ちや判断待ちが発生しやすくなります。

つまり、優秀な人がいるのに、
その人に集中しすぎることで、かえって全体のスピードが落ちるのです。

6.問題は「人の質」ではなく「仕組みがないこと」

ここで大切なのは、
仕事ができない人を責めることではありません。

問題は、
優秀な人に頼らないと回らない仕組みになっていることです。

会社として見るべきなのは、
 ・どの業務が属人化しているか
 ・どの判断が特定の人に集中しているか
 ・どこで引き継ぎが難しくなっているか
 ・どの情報が共有されていないか
 ・どの業務が退職時のリスクになっているか
という点です。

仕事ができる人をさらに頑張らせるのではなく、
その人の知識や判断基準を、会社の仕組みに変えていく必要があります。

7.まずやるべきこと

属人化を解消するために、最初から大きなシステムを入れる必要はありません。

まずは、次のような整理から始めることが重要です。
 ・業務を見える化する
 ・判断基準を言語化する
 ・よくある対応をテンプレート化する
 ・情報の保管場所を統一する
 ・担当者以外でも状況が分かるようにする

特に重要なのは、
「その人しか分からない」を減らすことです。

すべてを標準化する必要はありません。

ただし、会社として止まると困る業務から優先して、少しずつ仕組みに変えていくことが大切です。

8.優秀な人の役割を変える

仕事ができる人には、いつまでも処理役を担わせるべきではありません。

本来は、
 ・判断基準を作る
 ・後輩を育てる
 ・業務を標準化する
 ・改善点を見つける
 ・より難易度の高い仕事に集中する
といった役割に移ってもらう方が、会社全体にとって効果的です。

優秀な人が目の前の仕事を抱え続ける会社では、成長に限界が出ます。

一方で、優秀な人の知識や経験を仕組みに変えられる会社は、組織全体の力を高めることができます。

9.まとめ

仕事ができる人に頼ること自体は悪いことではありません。
しかし、頼りすぎると会社は回らなくなります。

理由は、
 ・業務が属人化する
 ・周囲が育たない
 ・判断が特定の人に集中する
 ・優秀な人に不満がたまりやすくなる
 ・退職時の影響が大きくなる
 ・会社全体の処理能力が上がらない
からです。

大切なのは、
人に頼ることと、仕組みで回すことを分けて考えることです。

優秀な人に任せるだけではなく、
その人の知識や判断を会社の仕組みに変える。

それができると、会社は個人の頑張りに依存せず、安定して回るようになります。

もし、
「特定の人に仕事が集中している」
「業務が属人化していて引き継げない」
「優秀な人に負担が偏っている」
「どこから仕組み化すればよいか分からない」
という場合は、状況整理のお手伝いも可能です。

ブログでは一般的な考え方をお伝えしていますが、
実際には会社ごとの業務内容や人員体制によって、取るべき対応は変わります。

現状の悩みや業務の流れをお聞かせいただければ、
どこに詰まりがあるのかを整理し、
仕組み化に向けた優先順位を一緒に考えることも可能です。

感覚ではなく、構造で整理する。
それだけで、会社の回り方は大きく変わります。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
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