1.値上げはなぜ難しいのか
値上げは、多くの企業にとって難しい意思決定です。
• 顧客が離れるのではないか
• 競合に負けるのではないか
• 売上が落ちるのではないか
こうした不安から、値上げを見送る企業も少なくありません。
しかしここで一つ、問いがあります。
売上が下がることは、本当に悪いことでしょうか。
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2.値上げで起きること
値上げをすると、通常は販売数量が減ります。
例えば次のようなケースを考えてみましょう。
価格1,000円で1,000個を販売している場合、売上は100万円です。
ここで価格を1,100円にするとします。
もし販売数量が900個に減ると、
売上は1,100円 × 900個 = 99万円 になります。
売上は減りました。
多くの人はここで「値上げは失敗だ」と考えます。
では、利益はどうでしょうか。
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3.重要なのは「限界利益」
ここで重要になるのが「限界利益」という考え方です。
限界利益とは、売上 − 変動費 です。
例えば、価格1,000円、変動費600円とすると
限界利益は400円です。
ここで価格を1,100円にすると、変動費は600円のままなので、
限界利益は500円になります。
仮に数量が900個に減ったとしたら
価格1,000円の場合:限界利益400円 × 1,000個 = 40万円
価格1,100円の場合:限界利益500円 × 900個 = 45万円
利益はむしろ増えています。
売上は減っても、利益は増えることがあるのです。
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4.値上げは「顧客を選ぶ」行為でもある
値上げは、単に価格を変えるだけではありません。
結果として
• 価格に敏感な顧客は離れる
• 価値を感じる顧客は残る
という変化が起こります。
つまり値上げは顧客を選ぶ行為でもあります。
例えば
• ブランドを守る
• サービス品質を維持する
• 特定の顧客層に集中する
といった戦略と深く関係します。
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5.値上げをどう判断するか
値上げを判断するときは売上ではなく
利益構造で考えることが重要です。
例えば
• 限界利益はどう変わるか
• 数量はどの程度減るか
• 固定費を回収できるか
• 顧客層はどう変わるか
こうした視点を整理することで、値上げは感覚ではなく
経営判断のテーマになります。
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6.最後に
値上げは、多くの企業にとって避けて通れない課題です。
重要なのは売上が減るかどうかではありません。
利益構造がどう変わるかです。
値上げとは、
利益と数量のトレードオフをどう選ぶかという経営判断なのです。
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