「がん保険からお金が出たけど、確定申告は必要?」「傷病手当金って税金かかるの?」——病気やけがで保険や給付を受けたとき、税務上の扱いが気になる方は多いと思います。この記事では、よくある給付・受取金の種類別に、課税・非課税をわかりやすく整理します。
💡 この記事はこんな方におすすめです
・がん保険・医療保険から給付金を受け取った方
・病気やけがで傷病手当金を受給中・受給予定の方
・医療費控除を申告したい方
1. まず結論|よくある給付金・受取金の課税まとめ
種類ごとの課税・非課税、確定申告の要否をまとめました。
2. がん保険の「給付金」と「返戻金」は別物
がん保険には大きく分けて2種類のお金があります。この2つは税務上の扱いがまったく異なるため、混同しないよう注意が必要です。
【「給付金(入院・手術・診断など)は非課税】
入院給付金・手術給付金・がん診断一時金など、身体の傷害・疾病に起因して受け取るお金は所得税法上、非課税とされています(所得税法施行令第30条)。確定申告は不要です。
【返戻金・満期保険金は課税対象】
解約返戻金や満期保険金は「一時所得」として課税対象になります。ただし一時所得には50万円の特別控除があるため、受取額が払込保険料+50万円以下なら税負担はゼロの場合もあります。
⚠️ 返戻金を受け取った場合の計算式
一時所得=(受取金額)−(払込保険料の総額)−(特別控除50万円)
この金額の1/2が他の所得と合算されて課税されます。受取額が大きい場合は確定申告が必要になることがあります。
3. 傷病手当金は非課税——医療費控除との関係も整理
会社員が病気やけがで働けない期間に受け取る傷病手当金(健康保険から支給)は非課税です。確定申告は不要ですし、所得としてカウントもされません。
✅ 傷病手当金と医療費控除の関係
傷病手当金は休業補償(生活保障)を目的とした給付であり、特定の治療費に対する補填ではありません。そのため、医療費控除の計算で医療費から差し引く必要はありません。傷病手当金の通知書は、医療費控除の申告には使用しません。
4. 医療費控除を申告する場合に保管が必要な書類
医療費控除を受けたい場合、差し引きの対象となるのは治療そのものに対して支払われた給付金です。具体的には以下が該当します。
📁 保管しておくべき書類
・医療費の領収書(病院・薬局など)
・保険会社からの給付金支払通知書(入院・手術給付金など)
・健康保険組合からの医療費通知(任意)
⚠️ 注意:給付金は該当する医療費から差し引きが必要
例えば、入院費用が30万円かかり、保険会社から入院給付金20万円を受け取った場合、医療費控除の対象は差し引いた10万円になります。給付金の支払通知書は、この計算のために保管しておく必要があります。
5. まとめ
確定申告が不要なケース
・がん保険・医療保険の給付金
・傷病手当金(健康保険)
・就業不能保険の給付金
確定申告が必要になるケース
・解約返戻金・満期保険金が払込保険料+50万円を超える場合
・医療費控除を申告したい場合(給付金との相殺計算が必要)
「自分の場合はどうなる?」と迷ったときは、受け取った書類の種類と金額を整理したうえで、税理士に確認することをおすすめします。
※ 本記事は2026年5月時点の税制に基づいています。税制改正等により内容が変わる場合があります