物語 第十話「石焼きイモ」

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石焼き芋

勝 「いしや~き いも~ いしや~き いも~ いしや~き い~~も~~
   こんな感じかな」

   ノック(トントントン)

篤史「まさる~」
勝 「はい、篤史か、開いてるよ」

   ドアの開く音

篤史「お前、さっきから、いしやきいも~って何やってるんだ?」
勝 「別に? どんな風に言えば美味しそうに聞こえるのかな~って研究
   してるところ」
篤史「なるほど、どれ? やってみ」
勝 「一緒に考えてくれるのか?」
篤史「おう! 友達だろ! 任せとけ!」
勝 「いしや~き いも~ いしや~き いいいも~」
篤史「だめだめ! 全然旨そうじゃない! 俺が見本してやる」
篤史「いしや~き いも~ いしや~き い~~も~」
勝 「なるほど、いい感じだな」

   ノック(トントントン)

敏夫「まさる~」
勝 「はい、敏夫か、開いてるよ」

   ドアの開く音

敏夫「篤史も一緒か、お前達なにしてる? さっきから、いしや~きいも~っ
   て?」
篤史「勝が、石焼イモの呼び声で、どれが一番おいしく聞こえるか、研究して
   るから一緒にな」
勝 「敏夫 何か用事か?」
敏夫「別に 俺も一緒に考えてやるわ」
勝 「いいのか?」
敏夫「友達だろ! 任せとけ!」
篤史「敏夫も、石焼イモの呼び声してみろよ」
敏夫「よし! いしや~~~き イモ~~ お芋 お芋 やっきイモ~」
勝 「いいね」
篤史「リズムがだいじだよな」
勝 「なるほど リズムか・・・・・・」
敏夫「そうそう なんか笑える感じもいいと思う」
勝 「笑える感じね?」
敏夫「勝 やってみろよ」
勝 「よし! いっしやき! イモイモ! いっしやき! イモイモ!」
篤史「ハハハ ラップかよ 」
敏夫「へただな! ラップはこうやるんだ ヘイ! いっしのヨ! 
   やっきのよ! うまいでヨ! 食ってみな! ヘイ!」
篤史「あははは それ! 受けるな!」
勝 「なるほど 一人なら考えつかないかもな。でも、おいしそうに
   聞こえるか?」
敏夫「そうだな おいしそうには聞こえないかもな?」
篤史「やっぱり オーソドックスなのがいいのかな?」
敏夫「オーソドックスだよな」
勝 「いしや~~き イモ~~か? もうひとひねりほしいよな」
篤史「それじゃ最初の敏夫のがいいだろ」
敏夫「いしや~~~き イモ~~ お芋 お芋 やっきイモ~か」
勝 「ぶなんなところだな」
篤史「勝はあまり気に入ってなさそうだな・・・」
勝 「ずっと聞き続けるからね・・・こだわるよ」
敏夫「そうだな」
篤史「そういえば! 俺たち焼き芋ってあまり買わないし、食べないよな?」
敏夫「そうだな・・・・・・ここは あいつらにも協力してもらうか」
勝 「あいつらって?」
篤史「まさる ちょっと待ってて」

   篤史と敏夫が部屋から出ていく(ドアの開閉音)

   インターホンの音(ピンポン)

洋子「はい、どなた?」
篤史「洋子、俺、篤史」
洋子「篤史? ちょっと待って」
敏夫「洋子いたな。来るかな?」

   ドアの開く音

洋子「お待たせ、あら敏夫も一緒なの? 二人揃ってどうしたの?」
篤史「洋子に頼みがあるんだけど?」
洋子「頼みって?」
篤史「勝がどうも、焼きイモ屋を始めるみたいなんだ!」
敏夫「え? そうだったんだ!」
洋子「勝が? 焼き芋? 今のバイトやめるの?」
篤史「そこまでは、まだ聞いてないけどね。とにかく、いしや~きいも~
   ってね」
敏夫「そうと知ったら、本気で協力しないとな!」
洋子「それで? 私にどうしろと?」
篤史「俺たちは、焼き芋あまり食べないからな、洋子 焼き芋好きだろ?」
洋子「好きでよく食べるよ」
敏夫「よし! 決まり! 今から勝のアパートに一緒に行って協力してくれ」
洋子「ちょっと待ってよ! もうすぐ恵美が遊びに来るのよ?」
篤史「恵美が? ちょうどいいな、恵美も一緒に」
敏夫「そうだな一緒に」
洋子「勝手に決めないでよ! 私たちにも予定があるのよ」

   自転車の止まる音

恵美「洋子お待たせ! あれ? 篤史と敏夫も一緒に行くの?」
洋子「違うのよ、この二人は、勝の焼き芋屋さんの手助けにって」
篤史「そうなんだ! 勝が焼き芋屋を始めるみたいで、応援しようって
   ことになってね」
恵美「え! 勝が? 焼き芋屋? 今のアルバイトはどうするの?」
洋子「そこは、まだ聞いてないらしい」
敏夫「今、石焼イモの声で、どれが一番おいしく聞こえるのか研究中なんだ」
恵美「面白そうね! 行きましょうよ!」
洋子「映画はどうするの?」
恵美「映画はまた観れるしね。焼き芋やさんって興味あるし!」
篤史「決まり! 二人に協力してもらえば、鬼に金棒だな」
洋子「私たちは鬼なんだ!」
敏夫「ハハハ うまくいけば焼き芋、食べ放題になるかもよ」
洋子「それいいね」
恵美「任せてよ! 食べ物が、特に焼き芋がかかれば! 強いわよ!」

   ノックの音(トントントン)

勝 「空いてるよ」

   ドアの開く音

篤史「強力な助っ人連れてきたぜ」
洋子「まさる こんにちは」
恵美「こんにちは」
勝 「洋子に恵美まで? そんなに気を使ってもらわなくても」
敏夫「焼き芋ならこの二人だろ」
洋子「どういういみ?!」
恵美「しつれいな! まあ、当たってるけど ハハハ」
敏夫「ところで? 勝? 本当なのか?」
勝 「なにが?」
篤史「その話は、あとでゆっくりするとして! 焼き芋の掛け声をだな」
敏夫「そうだな」
洋子「よくあるのは いしや~~き イモ~かな?」
恵美「この間、買った時の掛け声が面白くて」
勝 「どんなの?」
恵美「いしや~き イモ~ いしや~き イモ~ お芋 お芋 やっきいも
   やきいも~」
敏夫「それ 俺もさっきやったけど 勝がもうひとひねりって」
恵美「そうなんだ、ひとひねりね?」
篤史「さっき敏夫が、ラップ調をやってみたんだけど」
洋子「ラップ調? どんな感じ?」
敏夫「ヘイ! いっしのヨ! やっきのヨ! うまいでヨ! 食ってみな!
   ヘイ!」
洋子「なに? それ? 焼き芋じゃないみたい! 恵美どう思う?」
恵美「除外!」
敏夫「え! 一言でアウト?」
篤史「厳しいな」
勝 「みんなありがとう、あとは一人で考える」
篤史「水臭いこと言うなよ、友達じゃないか! な、みんな!」
敏夫「そうだよ、困ったときはお互い様だし、しっくりいくのを考えようぜ」
恵美「まさる 遠慮しなくていいよ」
洋子「篤史と敏夫は、頼りないけど! 恵美と私がついてるからね」
篤史「洋子、頼りないとはなんだ!」
敏夫「そうだぞ!」
洋子「頼りないから、頼りないって言って何が悪いのよ!」
篤史「まだいうか!」
恵美「洋子、あなたが悪いわ」
洋子「そうね、言い過ぎたわね」
恵美「そうよ、たとえそうだとしても、面と向かって言っちゃだめよ!」
敏夫「恵美の言葉の方が、胸に突き刺さるわ!」
勝 「喧嘩はやめてくれよ! 困るよ」
篤史「そうだな、喧嘩はやめようぜ」
勝 「ありがとう」
洋子「ところで? 勝? いつから始めるの?」
勝 「何を?」
恵美「何をって?」
篤史「そういえば、機材まだ揃えていないよな?」
敏夫「確かにこの部屋には無いな」
勝 「機材って? スマホでやろうと思ってるけど?」
洋子「スマホ? できないことはないか・・・・・・」
恵美「スマホにスピーカーつけてとか?」
勝 「スピーカー必要かな?」
篤史「必要だろ! 当然」
敏夫「お腹すいてきたな・・・・・・イモの試食みたいなのないのか?」
勝 「試食? 今日は何も用意していないけど?」
篤史「そうだよな、俺たち突然来たんだしな」
洋子「ところで? 勝? 自動車の免許いつとったの?」
恵美「そうよ、この間まで自動車の免許持ってなかったよね?」
敏夫「そうか! リヤカーでするのか!」
篤史「リヤカー? そんなので出来るのか?」
恵美「昔ならリヤカーも、ありかもだけど・・・・・・」
勝 「話が盛り上がってるところ、申し訳ないけど、なんの話?」
洋子「なんのって? 焼き芋屋さんするんでしょ?」
勝 「誰が?」
篤史「誰が? って? おまえだよ!」
勝 「え! 僕が? なんで?」
敏夫「なんで? って? 石焼イモ~って・・・」
勝 「あ~ それでね! なんだか、おかしいと思ってたんだ!」
恵美「おかしいって?」
勝 「急にみんなが、集まってきて、石焼イモの声のこと一緒に考えて
   たから!」
洋子「焼き芋屋さん、するんじゃないの?」
勝 「しないよ? 今のアルバイト気に入ってるし」
篤史「じゃ~なんで? 石焼イモの声の研究してたんだ?」
勝 「それは、携帯の着信音を石焼イモの声にしようかとね」
全員「え~」
勝 「どうしたの?」
敏夫「篤史! おまえ!」
篤史「いや・・・・・・俺はてっきり、焼き芋屋さんするのかと」
勝 「そんなこと一言も言ってないよね?」
洋子「篤史の早とちりね! もう!」
恵美「あ~あ 映画観に行けばよかった」
敏夫「気が抜けたら、お腹よけいすいてきた!」
洋子「焼き芋食べたくなってきた・・・」
恵美「ほんと、食べたい! 篤史! どうにかしてよ!」
篤史「俺が? 責任は感じるけど・・・・・・」
敏夫「この何時間か、無駄だったのか?」
勝 「ごめん」
洋子「勝は悪くないよ。たぶん」

   いしや~き いも~

篤史「勝! それはもういいわ!」
勝 「今の、僕じゃないよ!」
敏夫「本物か?!」

   敏夫が窓を開ける(ガラガラ)

   いしや~き いも~おいも おいも やっきいも やきいも~

洋子「おじさん! 焼き芋ちょうだい!」
恵美「みんなで買いにいきましょう!」

   全員部屋から出て焼き芋を買いに行く(ドア開閉音)

勝 「あ~あ 静かになった。 焼き芋の着信音は食いつきがよすぎるから
   やめた!」
勝 「どれにするかな? あ! これいいかも!」

   金魚~え 金魚! 金魚~え 金魚!

終わり

こちらでは、貴方が主役の物語を描かせて頂きます。
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