教養としてのユダヤ教②:モーセと律法

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モーセ:ユダヤ教の中心。エジプトで奴隷生活を送っていたイスラエル人を率いて出エジプトし、紅海を渡り、シナイ山で神ヤハウェから2枚の石版に刻まれた十戒を授かります。モーセが目指した地が、聖書に「乳と蜜の流れる土地」と表現されているカナン(現在のパレスチナ)でした。モーセはキリスト教でも旧約最大の預言者とされ、旧約聖書の最初の部分(創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記)はモーセ五書と呼ばれます。

十戒:律法の中心。神の絶対性に関わる宗教的義務と人間のあり方に関わる道徳的義務からなり、イスラエル人がエジプトから脱出(出エジプト)した際、シナイ山で預言者モーセを通じて神から与えられたとされます。
(1)あなたは、私の他に、なにものをも神としてはならない。
(2)あなたは自分のために刻んだ像も造ってはならない。
(3)あなたはあなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。
(4)安息日を覚えて、これを聖とせよ。
(5)あなたの父と母を敬え。
(6)あなたは殺してはならない。:仏教・ジャイナ教の五戒にも不殺生戒(ふせっしょうかい)があります。
(7)あなたは姦淫をしてはならない。:仏教・ジャイナ教の五戒にも不邪婬戒(ふじゃいんかい)があります。
(8)あなたは盗んではならない。:仏教の五戒にも不偸盗戒(ふちゅうとうかい)があります。
(9)あなたの隣人について偽証してはならない。:仏教・ジャイナ教の五戒にも不妄語戒(ふもうごかい)があります。
(10)あなたの隣人の家を貪ってはならない。:仏教の五戒ではここは不飲酒戒(ふおんじゅかい)、ジャイナ教の五戒では無所有戒となっています。

安息日:一切労働をしてはならないと定められた日。ユダヤ教で重視されました。ちなみにユダヤ教の安息日は土曜日、キリスト教の安息日は日曜日、イスラーム教の安息日は金曜日です。

ラビ:ユダヤ教社会における精神的指導者。ユダヤ教には聖職者はおらず、シナゴーグ(ユダヤ教の会堂・礼拝所)で説教や解説を担当しています。

コーシェル(コーシャ):ユダヤ教の厳格な食事規定「カシュルート」に沿った、食べてよい食べ物。イスラーム教ではハラール(アラビア語で「合法」という意味)と言います。

ユダヤ教史観:「神との契約が更改されることで歴史が全く変わる」と考える歴史観です。中国歴史観が「歴史法則は古今東西を通じて一貫している」と考え、良い政治をするためには歴史に学べばよく、歴史に名を残すことを個人の救済として、中国的殉教(歴史の範例となるために死ぬ)すら生んだのと対照的な考え方です。ヘーゲルは中国を「持続の帝国」と呼んだように、2000年経っても何回易姓革命を繰り返しても、社会構造も社会組織も規範も変化せず、統治機構も階層構成もほとんど変わらず、法律も本質的には変化せず、制度革命ですらないため、「歴史を見れば中国(中国人の基本的行動様式=エートス)が分かる」と言われますが、ユダヤ教史観によれば、神との契約(命令)が変われば社会法則が全く変わることになります。後にユダヤ人のマルクスが唯物史観を確立しますが、マルクス史観はユダヤ教史観にそっくりの進歩史観、線型進化論で、原始共産制→奴隷制→封建制→資本制→社会主義→共産主義へと直線的に変化し、前段階から後段階への進化は「革命」によりますが、これはユダヤ教史観における「契約更改」に該当します。
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