幼稚園の先生に壊された日②

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コラム
私は、あの日のことを今でも生々しく覚えています。

幼稚園の教室で、みんなと円を作って、
椅子を丸く並べて座り、先生の話を聞いていたときでした。

突然、先生が教室中に響く大きな声でこう言いました。

「みんな~!みとちゃんは喋れなくて、
気持ち悪い病気だから、うつるから近づかないでね~」

その瞬間、教室の空気が凍りつきました。

周りの子どもたちが一斉に、私を見ました。

私の両隣に座っていた子は、
椅子をずらして離れていき、
私の周りには、空間ができました。

私は、何が起きているのかわからず、
ただ苦笑いをすることしかできませんでした。

先生の方を、ちらっと見ると___

さげすむような目で、ほくそ笑んでいました。
あの表情だけは今でも一生、忘れられません。

それから私は、
クラスで完全に一人ぼっちになりました。

「気持ち悪いから、こっち来ないで!!」

毎日のように先生や周りの子から言われ、
避けられました。

行事で誰もやりたがらない役目があると、
「おまえが行けよ」そう言って、
棒みたいなもので、背中を押されることもありました。

幼い私には、なぜ嫌われているのか、分かりませんでした。

ただ、こう思うしかなかったのです。

「私は喋れなくて、気持ち悪いんだ。病気なんだ。」

泣くと、もっと嫌われる気がして、
私は泣きませんでした。

何も言わず、苦笑いをしながら、
息を止めるように耐えていました。

耐えることしか、幼稚園児の私には分からなかったのです。

先生のいじめは、さらにエスカレートしました。

「喋れないし、頭がおかしいから、病院に連れていく」

「頭を手術してもらえばいい」

そう脅され、幼稚園の階段から、
突き落とされそうになったこともあります。

あの頃から、私は自分を責めるようになりました。
自信を失っていった、大きなきっかけです。

今振り返ると、あまりにも苦しくて、
記憶がところどころ抜け落ちています。

それでもあのさげすむような、ほくそ笑む表情だけは、
今も鮮明に焼きついています。

なぜ、あんな言葉を言われたのか。
今でも、はっきりとは分かりません。

ただ、「大人しすぎるから」
そんな理由だったのだと思います。

ある日、先生に提出するはずのプリントを、
忘れたと思っていたとき。

カバンの中に、そのプリントが入っていることに気づき、
先生のところへ持っていきました。

「せんせい、これ・・・」

そう言ってプリントを差し出した瞬間__
頬に強い衝撃が走りました。

「なぜもっと早く言わなかったの!」
怒鳴り声とともに、平手打ちされたのです。

どうして叩かれたのかわからず、
ただ戸惑って、黙ったまま立ちすくんでいました。

教室中に響いた怒鳴り声と、
パーンという平手打ちの音に、
周りの園児たちも、こちらを見ていました。

頬がじんじん痛む中、
先生の表情は鬼のようでした。

その日を境に、私はますます
大人と話すことが怖くなりました。

正直に話したら、
また叩かれるかもしれない。

その恐怖が、心に深く結びついてしまったのです。

幼稚園で感じた恐怖は、
子どもの心に、驚くほど深く刻まれます。

あの平手打ちは、
私が沈黙を選ぶようになった
理由のひとつになりました。

家に帰っても、
安心できる場所はありません。

両親は共働きで忙しく、
話をゆっくり聞いてもらえる時間は、
ほとんどありません。

幼稚園のことを話したら、
今度は家でも叩かれる__

そう思うと、誰にも何も言えませんでした。

幼稚園でも、
家でも、
居場所がない。

そんな気持ちを抱えながら
過ごしたのが、
私の幼稚園時代でした。

___今なら、はっきり分かります。

あのとき、壊れていたのは
私ではありません。

守るべき子どもを、傷つけた大人の方でした。

mito

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