「二人じゃ嫌でしたか?」
と聞かれたが、むしろ年齢がかなり下の子なので
私と二人でこの子は大丈夫なんだろうか・・
と心配した。
Cは気にする様子もなく
というか、この子はちょっと変わった男の子だった。
店一番、調理が早いのだが
とにかく時間にルーズな子で無口。
人に気を遣うという事を知らない子。
上に何を言われても謝らないし
かといって下の子たちに先輩風も吹かさない。
一種独特な雰囲気のC。
そう、敬語もあまり使えなかった。
だから驚いた。
この時だけは終始、私に敬語で話していたから。
店で見ていたCとは全くの別人かと思うほど
Cはよくしゃべっていた。
3時間くらいだったかな、呑んだの。
また吞みましょうと約束して、帰宅。
そして翌日、お店では相変わらず無口でぶっきらぼう。
意味が分からない子。
でも1週間と経たないでまた誘われ
このギャップが少し面白くなった私は
それからも何度か呑みに行くようになった。
何回目の呑みの帰りだったかは覚えていない。
送ってくれた帰り道
いきなり抱きつかれキスをされた。
「初めて会った時から好きでした」と。
正直、本当に何とも思っていなかった私には
困惑しかない。
私は結婚しているし、年も違い過ぎる。
悪いけど諦めて欲しいと頼んだが
Cは諦めることなく
その後も何度も何度も言い寄ってきた。
結婚はしている。
でもすでに愛情のかけらもなくなった夫に
義理立てする必要ってある?
不倫・浮気は黒!
そういうことはもうしないと結婚するときに決めたはず。
でも・・
ここまで求められてる。
悪い気はしない。
そして別に嫌いじゃない。
むしろ何度も好きだと言われるうちに
少し自分の中でも変化が起きている。
まぁいっか、付き合ってみても。
こうして黒はグレーになっていき
私はCを受け入れた。