はじめに
ものづくり補助金の計画書を作る上で、必ず参照しなければならないのは、以下の2つです。
・『公募要領』の審査基準部分
・『参考様式 事業計画書 記載項目』
いずれも、公式ホームページからダウンロードできますが、『参考様式 事業計画書 記載項目』は、少し見つけづらくなっています。
公募要領のページに移動し、『公募要領・よくあるご質問』の最下段にダウンロードリンクがあります。
その他の参考資料
『ものづくり補助金』の採択された事業計画書については、公式に公開等されていません。
しかし、『ものづくり補助金』をベースに、コロナ特例として用意された『事業再構築補助金』では、採択された事業計画書が、公式に公開されています。
事業計画書に書かなければならない内容は大きく異なるため、同じように作ればよいというものではありません。
しかし、構成や情報の粒度については、かなり参考になると思います。
ぜひ、こちらも参照してみて頂きたいです。
1.市場の概要
ここで書かなければならないのは、以下の2点です。
・取り組む事業が属する市場の規模と傾向
・ターゲットとなる顧客・ユーザー等の分析
まず、『取り組む事業が属する市場の規模と傾向』については、「どうしてこの補助事業が必要か」という点を、市場目線で確認する部分です。
「自社がこの補助事業をしなければ、市場を追従できない、補助事業をすれば、追従・リードできる」というような内容の説得をします。
次に『ターゲットとなる顧客・ユーザー等の分析』については、本補助事業を実施することで、顧客にとってどういうメリットがあるのかを説明します。
・生産量が上がって、より多くの顧客に届けられる
・価格が下がって、より多くの顧客に届けられる
・ユーザビリティが上がって、より多くの顧客が利用できる
こういった内容を説得できるように、顧客・ユーザーの属性等を紹介しておきます。
2.価格的・性能的な優位性
『価格的優位性』『性能的な優位性』は、分けて記載しておきましょう。
大切なことは、何がメリットなのかです。
価格的優位性・性能的な優位性の、両方が無ければならないわけではありません。
何か強い優位性が実現でき、そこに革新性があれば、補助金の対象になります。
上手に説得するようにしましょう。
3.事業化の見込み等
ここで書かなければならないことは、主に以下のような内容です。
・開発予算と資金調達
・補助事業の収益性
・売上規模と集客方法
・事業拡大と雇用
・課題・リスク等とその克服方法
『開発予算と資金調達』については、簡単に紹介するだけで問題ありません。
実際、弊社の計画書も、4行程度の記載で採択されています。
『補助事業の収益性』は、補助事業で実現する商品・サービス単体の収益性を説得する部分です。
客観的な収益性が認められなければ、補助金を交付する意味がありません。
投資と収益の構造について、数値をベースに紹介しましょう。
『売上規模と集客方法』は、事業の成長にとって、非常に重要です。
せっかく革新性の高い商品・サービスが実現できても、それが顧客に届かず、売上アップにつながらなければ意味がありません。
今回生み出される商品・サービスを、どのように集客し、どう売上につなげていくか。
それを、数値をベースに紹介する必要があります。
『事業拡大と雇用』については、事業を拡大していく・付加価値を高めていくために、重要な要素です。
事業の成長に合わせて、どのような雇用を行うのか等、簡単に紹介しておきましょう。
『課題・リスク等とその克服方法』は、非常に重要です。
1ページの4分の3から1ページぐらいを割いて、商品・サービスにどのような課題やリスクがあるのか、どう克服するつもりなのか、書いておかなければなりません。
なお、内的要因・外的要因をきちんと整理して書く必要があります。
よく見かける内容に、「コロナ等による市場の停滞」等があり、確かに考慮は必要です。
ただ、そういう一般論ばかりになるのは良くありません。
競合が同じようなビジネスを始めた際にどう克服するか等、他社との競争要因を意識した課題・リスクをしっかり書くようにしましょう。
さいごに
私が計画書を作る場合、『将来の展望』は全部でだいたい4枚です。
ここがコンパクトになればなるほど、『収益計画等』に割けるページが多くなります。
優位性など、表を駆使して、無駄な記載がないように書かなければなりません。
もし、申請に困ったら、ぜひ気軽にご相談くださいませ。