私は、人材斡旋企業に対して人材の仲介を行っています。仕事を探している方だけではなく、私が知っている方の中で、もっと活躍できると思われる方を、これまでに関わりのあった人材斡旋企業へ紹介するとともに、人材斡旋企業から、求人に対する人材の情報提供を求められています。
先日、私が知っている方の中で、もっと活躍できると思われる女性を企業へ紹介するにあたって、当人の希望を確認するため会食に誘いました。
その費用は必要経費となりますが、あいにく経営状態は良くないので、身の丈に合わせ、とある居酒屋で待ち合わせることにしました。その居酒屋のメニューには「飲み放題」があり、私は費用を抑制できると考えました。
さっそく「飲み放題」を注文し、まずは、ビールを頼みました。彼女はビールが好きなようで、あっと言う間に最初のジュッキを空け、2杯、3杯とビールを飲み干しました。私よりもペースが早く、こんなにお酒が強いのかと驚きました。
彼女が4杯目を飲み干す前に、私が「ビールにしますか?」と尋ねると、彼女が「ビール以外でも良いの? 飲み放題ってビールだけじゃないの?」と言いました。
なんだこりゃ。この人は飲み放題を知らないのか。いや、この居酒屋を指定したときに「飲み放題あるものね」と、家族で来たときの話をしていたぞ。「飲み放題ってビールだけじゃないの?」というセリフが何を示しているのか理解できず、私は困惑しました。
答えを紐解くと、彼女が家族で来たときはビールしか頼んだことがなく、これまで「飲み放題」はビールだけを飲み放題で飲めるものだと思っていたそうです。
そのことを聞くことができたので、私の仕事は完了です。
私は、人材の紹介という仕事を大切に考えており、また、人の生活に直結するので、責任が重いものと思っています。また、先方に対しても、世間の常識から外れている人を紹介することはできません。
したがって、彼女を企業へ紹介する訳にはいかないと判断するに至りました。
私自身が、世間の常識から外れているところが多いのですが、仕事となれば話は違います。
それにしても医療人というのは、やっぱり世間の常識から外れているものだと呆れております。