「優しい人ほど気をつけて」─知り合ったばかりなのに深い話をしたがる人との距離感
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うつ病やHSPなど、心が繊細な人の中には、人との距離感に悩みやすい方が少なくありません。
「嫌われたくない。」
「相手を傷つけたくない。」
「困っている人を助けてあげたい。」
そんな優しさを持っているからこそ、相手に合わせすぎてしまうことがあります。
私はこれまで仕事や作業所などで、さまざまな精神疾患を抱えた方と接してきました。
もちろん、とても思いやりがあり、穏やかな方が大半です。
その一方で、ごく一部ではありますが、知り合って間もないにもかかわらず、自分の過去や病気、家庭環境などを一気に話し始める方に出会うこともありました。
そして、そのような方の中には、「自分がここまで話したのだから、あなたも話して」という雰囲気で、こちらのプライベートを細かく聞いてくるケースもありました。
今回は、そのような相手と出会ったとき、自分の心を守るために知っておいてほしいことを書いてみたいと思います。
❇️自己開示そのものは悪いことではありません
まず最初にお伝えしたいのは、自己開示は本来、人間関係を築くうえでとても大切なものだということです。
「実はこんなことが好きなんです。」
「最近こんなことで悩んでいて。」
そうした話が少しずつ増えていくことで、お互いの理解は深まっていきます。
問題なのは、そのタイミングと距離感です。
まだほとんど関係ができていない段階で、一気に重い話を続けたり、相手にも同じレベルの自己開示を求めたりする場合は、お互いに負担になってしまうことがあります。
❇️「私が話したから、あなたも話して」は対等ではありません
繊細な人ほど、
「ここまで話してくれたのだから、私も話さなきゃ。」
と思ってしまいます。
ですが、本来、自己開示は交換条件ではありません。
自分が話したからといって、相手にも同じだけ話す義務はありません。
「家族は?」
「恋人は?」
「仕事は?」
「病気はいつから?」
「どこに住んでいるの?」
こうした質問が次々に続き、答えにくい雰囲気を感じるのであれば、一度立ち止まってみてください。
相手が悪気なく距離感を測れていない場合もありますし、人との境界線が曖昧になっていることもあります。
だからこそ、「答えたくないことは答えなくてもいい」と、自分に許可を出してあげてください。
❇️「距離を縮めたい」と「支配したい」は似ているようで違います
人は安心したいとき、相手のことをたくさん知りたくなることがあります。
これは自然な心理です。
しかし、中には無意識のうちに「相手のことをたくさん知れば安心できる」「相手のことを把握していたい」という気持ちが強くなりすぎる人もいます。
さらに、ごく一部ではありますが、自分が深い話をすることで相手にも深い話をさせ、人間関係の主導権を握ろうとする人もいます。
もちろん、これは精神疾患が原因というわけではありません。
病気の有無に関係なく、その人の性格や育ってきた環境、愛着の問題、人との関わり方の癖など、さまざまな要因が重なって起こるものです。
だから、「精神疾患だからこうなる」と考えるのではなく、「こういうコミュニケーションを取る人もいる」と理解することが大切です。
❇️優しい人ほど境界線を持ちましょう
HSPやうつ病の方は、相手の気持ちを優先しすぎる傾向があります。
そのため、質問攻めにされても断れず、あとになってぐったり疲れてしまうことがあります。
ですが、人には「話さない自由」があります。
「まだそこまでは話せません。」
「もう少し仲良くなってからお話ししますね。」
「それは少しプライベートなので。」
そんな一言を伝えても大丈夫です。
本当にあなたを大切に思ってくれる人なら、その境界線を尊重してくれます。
反対に、その一言で不機嫌になったり、さらに詮索したりする人であれば、少し距離を置くことも、自分を守るためには必要かもしれません。
❇️信頼は、少しずつ育てるもの
人との信頼関係は、一日で完成するものではありません。
趣味の話をしたり、一緒に笑ったり、小さな約束を守り合ったり。
そんな積み重ねの先に、「この人なら話しても大丈夫」と思える瞬間が訪れます。
だからこそ、最初からすべてを話す必要はありませんし、相手のすべてを知る必要もありません。
人には、それぞれ心地よい距離があります。
その距離を大切にしながら付き合える人こそ、長く安心して関係を築いていける相手なのだと思います。
あなたの優しさは、とても素敵なものです。
だからこそ、その優しさを誰かに利用されないように、自分の心を守る境界線も、同じくらい大切にしてください。