この話を以前、会社の同僚に話したり友人に話したりしていたのですが、どの際も周りに不思議な現象が現れました。
ある時は何もしていないのにプリンタの電源が落ちたり、交換して間もない蛍光灯がチカチカとしだしたり、倒れるはずのないものが倒れたり。
大抵はそれが怖くて話を最後までできずに中断していました。
内容的にはそこまで怖い話ではないのですが、「警告」のような物事が続いたので人に話すことはやめました。
ですが今回は文章にするのでそのようなことは起こらないと思い、書いていこうかと思います。
これば私が18か19の頃の話です。
お盆前の夏の季節で、それでも夜には寝るのに丁度いいぐらいの涼しくなるそんな日でした。
そんなある日、私の弟がふと私にいうのです。
「兄さん、怖いから一緒の部屋で寝させてくれない?」
どうしてかと尋ねると、弟はこう言いました。
「俺が一人で部屋で寝ていると金縛りにあって、気づくと近くに髪の長い女がそばに立ってたんだ。やばいって思ってなんとか動いた左手で部屋の明かりをつけたんだけど…」
弟は悪い夢でもみていたのかな、とその時は半信半疑で聞いていました。
そして続けてこう言います。
「明かりをつけても逃げなくて、女は俺の両腕を掴んで上に乗りかかってきて、頑張っても聞き取れないような早口で俺に何かを言うんだ、それがどれぐらいの時間続いたかわからないけど自然と消えて去って行って、それでも昨日は寝れなくて」
そういって弟は腕を見せると、誰かに強く握られたような跡があるではないか。
悪ふざけでこんなことするか?
いや弟はそういう人間ではない。
私を怖がらせようと思っても、こんな神妙な顔をしながら話すのはおかしい。
少し怖くなりました。
「いいよ、今日から床で寝るから、お前はベット使って」
弟は安どの表情で私にお礼をいいました。
それから何日か、私の部屋で就寝をともに過ごすことになります。
それから何日か経ったある日、不可解な事が起こります。
夜の12時?1時?
それぐらいの時間にベットのきしむ音で目が覚めました。
弟は夜に、1階にあるトイレへ行くことが多くてその夜もフラフラと立ち上がって用を足しに向かっていました。
”何だ、トイレか”
そんなことを思いながら目をつむっていると
トトン トトン トトン
”あれ?”
2階廊下になっている足音の数が多いのに気づきました。
明らかに1人分多い。
その足音は2階の廊下部分にのみ現れて、下に下る階段までで途切れました。
しばらく廊下でウロウロしている様子で、また弟が返ってくると後ろを追いかけているろうな様子で後に続きます。
”怖い、怖くて目が開けられない”
”この足音がこの部屋の中に入ってきたらどうしよう”
そんなことを思いながら恐る恐る目を細めて開けてみると、部屋には怖いものもいないし、不可解な事も起きていまんでした。
足音は廊下までにとどまって部屋の中まではきていませんでした。
”良かった…怖いからもう寝よう…”
そう思い、寝ようとすると不思議とすぐに寝れてその日はぐっすりと眠りに落ちました。
次の日の朝、その話を弟に報告。
「それでさ、お前がトイレに行ったときに変な足音が聞こえてたんだよ」
弟は言います
「いやいや怖いこと言って脅かさんでよ!」
怖がりなので当然のリアクション。
そんな弟は、その続に怖いことを言います。
「第一、俺トイレに行ってもないし」
私は耳を疑います。
”え、、ちょっと待ってくれ”
なら私の聞いたあれは、いったいなんだったのでしょうか。