自動車メーカーが自動車を設計する際には、低コストでメンテナンス性に優れた部品が求められますが、ブレーキホースに使われているゴムはまさにその条件を満たしています。
ブレーキホースには他にも、ステンレス製ブレード、テフロン、ケブラーなどがあります。
ステンレスメッシュ製ホースは、インナーチューブをステンレス製のメッシュで包んだものです。
ゴムよりもはるかに強度がありますが、その分、価格も高くなります。
このタイプのアフターメーカー製(社外品)ブレーキホースは、ブレーキを強くかけたときの極端な圧力にも"たわみ"や膨張がありません。
■そのメリットは?
・ブレーキレスポンスの向上
・ペダルを踏んだ時のフィーリングの向上
・ブレーキホース自体の耐熱温度の向上
などが挙げられます。
■なぜゴム製ではなくステンレスメッシュ製なのか?
ゴム製ホースは、性能を重視しないドライバーにとっては完璧な内容です。
しかし、ブレーキシステムにもう一歩踏み込んだ性能を求める方には、ステンレスメッシュ製ホースが適しています。
メーカー工場出荷時のゴム製ホースは、ステンレスメッシュ製ホースのように強化されていないため、圧力がかかると膨張します。
その結果、ペダルの踏み心地が曖昧になってしまうのです。
純正ゴム製ホースからステンレスメッシュ製ホースに交換することで、ホース外側への膨張を抑えることができます。
これにより、ブレーキペダルの"スポンジー"な感触が減少し、より正確なペダルフィーリングを得ることができます。
正確なペダルフィーリングは、より繊細なブレーキ調整を可能にし、システムへのペダルフィードバックも増加します。
最後に、あまり着目されていませんが、非常に重要な耐熱性です。
ローターはスリット入り、パッドはメタル系、フルードは高温対応品へと変更すると、ストッピングパワーの増大と共に発せられる熱量も上昇します。
その際にゴム製ホースを使用していると、フルードの温度によりゴムが軟化し、最悪は圧着部位からゴム製ホースが抜けてしまう症状が発生します。
それに対応する為にも、耐熱温度の高いステンレスメッシュ製ホースへ交換する事をおすすめします。
■ステンレスメッシュホースのデメリット
網目状のメッシュで覆われているため、メッシュとインナー・ライナーの間に小さな埃や汚れの粒子が入り込んでしまいます。
時間が経つにつれ、これらの汚れは内側のチューブを摩耗させ、最終的には漏れの原因となります。
アフターパーツとして販売されているステンレスメッシュ製ブレーキホースには、汚れの侵入を防ぐために PVC(またはそれに類するもの)のカバーが付いている品もありますので、お使いのラインの仕様を知ることが重要です。
また、PVC 被覆が施されている場合でも、定期的に漏れがないかどうかをチェックすることをお勧めします。
そして、ゴム製ホースと違い、ステンレスメッシュ製ホースは強度が増す分、インナー・ライナーが硬く、極端に曲げた状態にすると、あるところで ”ポキッ” と折れてしまいます。
■ステンレスメッシュライン(ホース)を導入すべきか?
積極的なドライビングをするなら、ステンレスメッシュ製ホースは必須です。
ペダルフィールが向上することで、ブレーキングがより正確で安定したものになり、ドライバーはブレーキシステムに対する新たな信頼感を得ることができます。
ステンレスメッシュ製ホースと、よりアグレッシブなブレーキパッドのセットにアップグレードすることで、ゴム製の純正ホースよりも素早く、より自信を持って止まることができます。
また、ステンレスメッシュにコーティングを施したものを購入すれば、非常に長持ちします。
ステンレスメッシュ製のブレーキホースは、摩耗した純正ラインを交換する場合や、より硬いペダルフィールを求める場合に最適なアップグレードです