下図はライン圧を調整した際の偏り具合をイメージし易く記載しています。
■プロポーショニング・バルブの故障の兆し
プロポーショニング・バルブは、他の自動車部品と同様に、いずれは故障する可能性があります。
これを見分けるにはいくつかの方法があります。
まず、急にブレーキをかけたときに、車速が急に落ちる状況で、車が十分に止まらないことがあります。
他に、後輪が簡単にロックしてしまう場合、特に濡れた路面を走行しているときは、プロポーショニング・バルブが故障していることを示しています。
ブレーキシステムが正常に機能していないその他の兆候についてもお読みください。
■バルブの故障の原因
バルブが故障している、または正常に動作していないと感じた場合、なぜそうなったのか疑問に思うかもしれません。
プロポーショニング・バルブは、長い間運転していると単純に故障することがあります。
また、ブレーキバランスに影響を与えるような改造をしたことが原因の場合もあります。
ここでは、前輪と後輪の偏りに影響を与える内容の一部をご紹介します。
●フロントの偏りが大きくなる内容
・フロントキャリパーのピストン径の拡大
・フロントパッドの摩擦係数の増加
・フロントローターの直径を大きくする
・リアキャリパーのピストン径を小さくする
・リヤパッドの摩擦係数の減少
・リアローター径の減少
・スティッキーなタイヤの減少
・フロントアクスルの重量軽減
・リアアクスルの荷重
・車高が低く、低重心になっている
●リアの偏りが大きくなる内容
・リアキャリパーのピストン径の拡大
・リアパッドの摩擦係数の増加
・リアローターの大径化
・フロントキャリパーのピストン径を小さくする
・フロントパッドの摩擦係数の減少
・フロントローター径の減少
・フロントアクスルの重量増加
・リアアクスルの重量減少
・車高が上がり、重心が高くなる
■プロポーショニング・バルブのメンテナンスや交換が必要な場合
プロポーショニング・バルブが最適な状態で動作していない場合は、調整や交換が必要な時期かもしれません。
自分でやってみたいと思うかもしれませんが、ブレーキの偏りの変更は、有資格者、ツール、デバイスを持っている人が行うべきです。
正しい圧力の傾斜と効き始めるポイントの選択は、とても面倒で緻密な工程を必要とします。
時々勘違いをされている方も見受けられるのですが、プロポーショニングバルブは減圧する事はできますが、昇圧させる事はできません。
制動力を強化した際に調整する為に必要とします。
この情報によって、ブレーキシステムを少しでも理解していただければ幸いです。