お別れしてから、もう数ヶ月が経つのに、スマートフォンのアプリに登録したままの「彼の最寄り駅」の天気予報。
ふとした瞬間に画面を開いては、遠く離れたその街の空模様を確認してしまうこと、ありませんか?
「あ、今あのアパートの周りは雨が降っているんだな」
そうやって、もう行くことのない街の気配を感じることで、かろうじて彼と同じ空気を吸っているような、そんな切ない感覚を味わっているのかもしれませんね。
その天気予報を削除してしまったら、本当に彼との繋がりがすべて消えてしまうような気がして、完全に手放すのが怖くなってしまう。
「もう前を向かなきゃいけないのに、どうして私はいつまでも執着してしまうんだろう」と、自分を責めて、苦しくなってしまう夜もあるのではないでしょうか。
心理カウンセラーとして、僕はこう考えています。そのアプリの数字や傘のマークは、あなたが彼を心から一途に愛したという、とても美しくて温かい記憶のしるしなのだと。
繊細な気質を持つ方は、誰かを好きになるとき、相手の心の深い部分や、一緒に過ごした空間の匂い、空気感までをも、五感のすべてで優しく包み込むように受け止めます。
だからこそ、お別れしたからといって、その重ね合わせた心をパチリとスイッチを切るように引き離すことなんて、簡単にできるはずがないんですよね。
相手の街の天気を気にかけることは、あなたの心が、傷ついた自分をゆっくりと守りながら、少しずつお別れを受け入れようとしている大切なプロセスなのです。
無理にアプリから削除しようとしたり、忘れようと必死になったりしなくて大丈夫ですよ。
心が「まだ手放すのが怖いよ」と言っているときは、その怖さをそのままにして、そんなに深く人を愛せる自分の優しさを、まずはそっと認めてあげてくださいね。
今はまだ、同じ空の下で繋がっている感覚に救われていてもいいんです。
季節が巡り、あなたの心が少しずつエネルギーを取り戻したとき、ある日ふと「もう、消しても大丈夫かもしれないな」と思える瞬間が自然と訪れます。
それまでは、その小さな天気予報の画面ごと、あなたの傷ついた愛しい心を、温かい毛布で包むように優しくハグしてあげてくださいね。
今回は、そんな切ない痛みを抱えるあなたへ、このお話が届くことを願っています。