「ちょっと大事な話があるんだけど」
大好きな彼からそんな言葉を言われた瞬間、心臓がドクンと跳ねて、頭の中が真っ白になってしまう。そんな経験はありませんか?
まだ何の話かも分からないのに、あなたの脳内では一瞬にして「別れを告げられる最悪のシナリオ」が組み立てられていく。
取り乱して泣き叫んだり、相手を引き止めたりして、惨めな姿を見せたくない。だからこそ、傷つく準備を整えるように、脳内で「分かったよ、今までありがとう」なんていう、綺麗で物分かりの良いセリフの台本を瞬時に完成させてしまうんですよね。
ふたを開けてみれば、ただの仕事の相談だったり、次のデートの相談だったり、他愛のない世間話だったりすることも多いはずです。
それなのに、どうしていつもこんなに最悪の事態を想定して、自分を守るための防衛線を張ってしまうのでしょうか。
心理カウンセラーとして、僕はこれはあなたの心が弱いからでも、ネガティブすぎるからでもないと考えています。
繊細な気質を持つ方は、相手の表情や声のトーン、空気感の微細な変化をとても敏感に察知します。だからこそ、いつもと少し違う「大事な話」というフレーズに対して、心が危険を察知して、全力であなたを守ろうとアラートを鳴らしている状態なのです。
傷つくかもしれない恐怖から、あらかじめ一番最悪の結末を想像しておくことで、実際にそうなったときのショックを少しでも和らげようとする、健気な防衛本能なんですよね。
いつでも「綺麗な自分でいよう」とするあなたは、本当に優しくて、健気で、誇り高い女性です。
でも、そうやっていつも「物分かりの良い自分」の仮面を用意していると、あなた自身の本当の悲しみや、寂しいという本音が、行き場をなくして心の中に溜まってしまいます。
もし、次にそんな風に脳内で台本を作りそうになったときは、まずはぎゅっと強張った自分の肩の力を抜いて、深呼吸をしてみてください。
そして、「ああ、私は今、自分を守るために一生懸命シミュレーションしているんだな」と、その心の準備をしている自分を優しく受け止めてあげてほしいのです。
最悪の事態を考えてしまう自分を責める必要はまったくありません。それだけ相手のことを真剣に想っていて、自分の心も大切に守ろうとしている証拠なのだから。
少しずつで大丈夫ですので、その脳内の台本をそっと脇に置いて、「ただいま」と自分の心に意識を戻す練習をしていきましょうね。あなたの心が、いつでも穏やかな安心感で満たされることを心から願っています。