以心伝心

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コラム
  今回は以心伝心について書こうと思いますが、前回のコラム「悩み方のパターン」を書きましたがそれについて補足したいとおもいます。
 「悩み方のパターン」というより「悩む方のパターン」と言った方がよかったかもしれませんが、私が書いたのは心理的に健康な人の場合です。これが心理的に不健康な人の場合(神経症的な人など)はまた違うということです。
 早稲田大学名誉教授の加藤諦三先生は、相談に来る人の半分以上は解決など望んでいない¹⁾と言っています。また、同調してくれる人間を永遠に求めつづける²⁾と言っています。これについては甘えの心理や様々な要因があるようです。ここでは詳しく書きませんが興味ある方は下記に示した参考文献を読んでください。

 さて、以心伝心ですがあなたはどう思いますか。以心伝心とは広辞苑によると「思うことが言葉によらず、互いの心から心に伝わること。」とあります。どうですか?他人の心って読めますか?私には読めませんし、相手が心の中で要求することは言葉や文字、ジェスチャーで示してもらわないと分かりません。

・「言わなくても動いてくれよ」という人
 こういう人は自分が思っていることは他人も分かっていると思い込んでいるようです。ある程度ルーティン化した作業など、またよっぽど近しい家族など、その場面場面で何となく理解できることはあると思いますが、同僚、知人、友達、もちろん家族でも、なんでこの人はこんなことを言うのだろうと理解に苦しむことがあります。
 この場合、この人はには他人に対する過度な期待・甘えがあると思われます。もう少し深刻にいうと他人と自分との境界が理解できない可能性があります。

・感情の変化
 他人に過度な期待や「甘え」があるとその通りにならない場合、感情的にどのような変化が起こるでしょうか。ここでは心理的に不健康な人を考えます。
 例えば何かしら相手に期待して「甘え」た場合それが期待どおりにならなかったときに心理的に不健康な人は「不安」になるでしょう。「この人は私のことを理解してくれていないのかしら」なんて思うかもしれません。そしてあれこれ関心を持ってもらえるように行動するかもしれません。しかしそれでも相手が動かなかった場合どうなるでしょうか、その感情は「怒り」に変化します。
 これが勝手に思い込んで勝手に怒っているならいいかもしれませんが、相手に対して過度な要求が多い人、心理的に不健康な人は「攻撃」に変化します。
 心理的に健康な人なら相手に何かしら「甘え」ても相手が期待どおりに行動しなかった場合、「ああ、忙しいんだな」とか「別のことで気が付かなかったんだな」など相手のことを思うことができると思います。しかし、心理的に不健康な人の場合、相手に対してなにかしら「攻撃」をしてくるでしょう。
 これがハラスメントにつながったり、事件につながるのだと思います。

・「○○さん、○○をお願いします。」と示す。
 人間関係のトラブルを避けるために、他人に何かをお願いするときは「○○さん、○○をお願いします。」と示した方が、相手も理解できますし、相手もそれが可能かどうか返答ができると思います。もし相手がその行為が可能でない場合、それはそれで仕方がないのと受け入れて別の方法を考えればいいと思います。

・余談ですが私が応急手当普及員の講習を受けた時の経験
 消防本部に応急手当普及員という資格があります。普通救命講習を行うことができます。
 人が意識を無くして倒れている場合、救急車を呼ぶこと、AEDを持って来てもらうこと、大勢の人を呼んでもらうことを誰かに頼まなければいけません。緊急時に焦ってしまいますね。救急隊員に教えてもらいましたが、その場面に人を集めて「誰かAED持って来てください」「誰か救急車読んでください」なんて言っても人は動かないようです。ですので、1人1人指名して、
 「あなたは救急車を呼んでください」
 「あなたはAEDを持って来てください」
 「あなたはもっと大勢の人を呼んできてください」
と指示を出します。すると指示された人はしっかり動いてくれます。
応急手当普及員の資格に興味ある方は、お近くの消防署にお問い合わせください。

¹⁾ 「不機嫌」と「甘え」の心理 加藤諦三 PHP研究所 2009年 P126
²⁾ 「不機嫌」と「甘え」の心理 加藤諦三 PHP研究所 2009年 p140

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