ドイツ語暗号解読 「新世界より」④~許せかつての俺よ~

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コラム
さて、最終回として、このポストカードの送り主のオーストリア青年について考察していきたいと思います。

アメリカに到着したという報告をしていることから、最先端の技術や設備のある有名な病院で働き始めて数か月くらいだろう。同僚に移民・移住者が多いか、そういう人たちとよく交流をする。
ポストカードの送り主は、20~30歳くらいの独身男性、と推測します。

宛先は、ウイーン、多分親戚、叔父夫婦あたりでしょう。自分の親や祖父母以外の人に、「アメリカに到着しました」と報告の葉書を出す、小さいころから親戚同士で良く、みんなから可愛がられていたと想像できますね。愛情豊かな家庭環境、割とよいお宅のご子息なのではないかしら。
「こんなところ地獄だよ」とちょっと愚痴を交えての報告ができるくらい打ち解けている関係。

立場としては、年齢からしても教授や専門家ではない。特定の肩書のない一般研修医、一般研究職か、または助手、医師ではない医療関係の技術職という可能性も考えられます。

オーストリア方言を自然に使っていることから、生まれ・育ち、教育を受けたのはオーストリアだろう。すでにオーストリアで医療関係の勉強を済ませ、アメリカに渡る前にすでにこの病院での就職が決まっていた、と考えます。
働き口・住居を決めずに来ちゃった場合、報告は「新世界に到着しました」だけでは済まないですからね。

教授や特定の分野の専門家、すでに実績のある研究者だとしたら、「ここは地獄だ」と愚痴を言うより先に、そこから抜け出す手立てを考えられるでしょう。地獄だと言いながら、その場で我慢する必要なんてありません。

つまり、一定期間は、この病院で働かなければならない立場。
研修生、研修医という線が濃厚になります。
依頼主様も、この病院の研修制度は厳しいことで有名で、「地獄」と表現してもおかしくはないとの見解を示していらっしゃいます。

どのくらいの地獄度だったのか・・・
ちょっとでも雰囲気を味わうなら、ER緊急救命室、かつて一大ERブームを巻き起こしたアメリカドラマを思い浮かべて頂きたいわけです。

ER緊急救命室
アメリカの連続ドラマで、かなり長い間放送されていましたよね。
大体の今の成人ならば、一度は見たことがあるのではないでしょうか?

シーズン1、ジョン・カーター、インターン、レジデントの立場の若い医師が出てくるのですが、多分、このポストカードの送り主はこんな感じの現場、下っ端の奴隷労働を強いられていたのではないかと想像するわけです。
まぁ、ERは特殊でしょうけどね。

このシリーズの中で、ジョンは様々な経験、失敗をし、学び、私生活もロマンス、破局を経て、シリーズ後半では、医師として、また人間としても精神的にたくましく成長します。

ここに出てくるお医者さんたちは、過酷な労働環境の下で働いています。ERということもあって、夜勤もあるし、次々と一刻を争う患者さんが運び込まれてきます。
最初のモチベーション、夢や理想があったはずなのに、日々の忙しさでそんな余裕ない。多くの医師が私生活なんかズタズタのボロボロ。みんな疲れてイライラしているので、時として同僚の中でゴタゴタがあったり、ギスギスしたり。そういうどーでもいいことで精神削られる。

目の前に、生死のはざまにいる人がいて、自分が一息つく間に死んでしまうかもしれない・・・そういう緊張状態を強いられているのです。自分が疲れてボロボロだなんてことは後回しになってしまう。

私も手に汗を握ってドラマを見ていましたが、このドラマを見た後「今日も一日働いたぜ・・・」という気分になって、妙に疲れた覚えがあります(笑)
医療関係のお仕事をされているみなさま、いつもどうもありがとうございます!!boのオゴリで(気持ちだけでごめんね)コーヒーでも飲んでね!

原作者のマイケル・クライトンさんは、このマサチューセッツ総合病院で実習を行っていた経歴があるそうです。1960年にハーバード・カレッジに入学している。その後、別のコースに変更しているので、実習は、1960年から2-3年の間に行われたはず。

ポストカードの送り主が、この先10年くらいこの病院で働いていたとしたら・・・時期が被っている可能性もありますね!
どこかですれ違っていたかもと思うと、ロマンを感じますねぇ。

まさに、作者のマイケル・クライトンさんが見た、そしてこのポストカードの送り主が見ただろう地獄は、同じだったかもしれません。
ルーティンワークに近い日々の仕事の中で、最初のワクワク感・期待がどんどん失われ、ただ目の前にある仕事をこなすだけで精一杯。余裕なんかない。最初の目的ややりがいなんて忘れてしまう。だけど、それを忘れちゃ命にかかわる仕事なんてできない。
ちょっとしたミスが、一生の悔恨になってしまう現場です。

そういう日々を送った人にしか分からないその先の世界があるのでしょうね。
無我夢中、限界突破の勢いで走り過ぎてきた。そこでふと振り返る。
過去の自分から見たら、今の自分は理想とは程遠いかもしれないけど・・・。

「許せかつての俺よ」

昔の自分が、今の姿を知ったら幻滅するかも。そんなの、みんな同じです。
どうして、それなのに夢を見てしまうんでしょうね。
その光が栄光に続くとは限らないのに。
間違った光に導かれているかもしれないのに。

私、今のうち、許しておきます、未来の自分を。

↓夢を追う人、夢を追ったことのある人だけ一緒に歌っていいよ!


それにしても、依頼者様、すごいチョイスでコレクションなさってますね~。
一体どんな基準でコレクションしていらっしゃるのでしょうか?(ウフフ♡)

今回のお仕事も、アメリカンドリームな時代やその雰囲気を感じさせるいいポストカードでした。
三枚のポストカードをしみじみ総合して考えると、味わい深いものがありますね。様々な人生模様、時代や場所はまったく別なのに、何かしらの人間味というのか、様々な人生の段階、その時、その瞬間。時代背景なんかが見えると余計に面白みが増します。

今と昔では、ポストカードを送る意味も違ってますしね。内容が濃くて、ただの一枚のポストカードなのに、なんと世界が広がることか!!これは私にとっても初めての驚きでした。
素敵なコレクションです。

依頼者様のコレクションにちょっとでも協力できたことがうれしかったです。少し別の世界を覗かせていただいて、楽しかった。ありがとうございました♡
経歴も実績もあやふやなboみたいなのに仕事頼んで大丈夫かな?と心配だったかもしれません。
それにも関わらず、信頼してくださって、お任せくださってありがとう。
ブログのネタ・資料を快く提供してくださったことも、感謝してます。

また何かありましたらぜひぜひboにご連絡くださいね!
お役に立てればうれしいです♡
気が向いたら古いポストカードの解読、自主トレしておきますね!!

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