私、実は一回だけオーストリアに行ったことがあるんですよー。観光です。
ザルツブルクに行きました。
あと、一回だけ、ウイーンで飛行機の乗り換えしたことあります。
空港内でお土産用のザッハトルテを買いました!結構高くてビビりました。様々なサイズのがありましたが、一番小さいのでも20~30ユーロくらい、家族用で買ったので、小さいのでは足りないと思い(みんな甘党)、50ユーロくらいする中サイズを購入しました・・・。
小さいスクエア型のお土産用ザッハトルテでしたが、ちゃんと上に「S」のマークが入ってました!
ザルツブルクは、モーツァルト一色です。あちこちでコンサートが行われてます。
モーツァルトハウスなどを観光した覚えがあります。
お城の庭園も有名です。バラの季節に行くのがお勧めです。
映画サウンドオブミュージック好きな方、バスツアーも出てますヨ。
サウンドオブミュージックは、1960年代の映画ですが、このポストカードが発送された1953年には、「ローマの休日」が公開されたようです。アメリカの映画史では注目すべき年ですね。
だけど、私は、ヘプバーンよりモンロー派♡
さて、このポストカードのお仕事で最後まで分からなかった謎の言語。
「Wirkens」と「Zuagroaster」
Wirkensの方は、似たような単語はある。文脈から言っても「職場」というような意味であるはずだと、そこまでは分かっている。
だが!辞書に載ってないんです!
それで、もしかしたら、Wだと思っているけれど、最初の頭の文字はWではないのかもしれない・・・と混乱しちゃった。
今まで、Wにはさんざん振り回されている。今回だって、実はWじゃないんでーす!という可能性だってある。スペルが違っている可能性もある。私が読み違えている場合もあれば、書き手が間違えて書いている可能性もある。
普段使いの辞書だけではなく、紙の分厚い辞書を引っ張り出してきたり、オンラインで使える辞書で探したりしたが・・・・ない。
単語のスペルは割と明確に分かっている、だけど、辞書に載っていない。
そういう場合は、グーグルさんで検索してみます。
グーグルで、分からない単語をサーチしますと、様々なサイトでその単語が使われている場合は出てきます。辞書に載ってなくても、使う言葉もありますからね。
1953年、結構前の話になると、短い間の流行言葉だとしたら、ネットにも出てない可能性もある。局地的な方言も出てこない可能性がある。家族内でしか通用しない言葉だってなくはない・・・。
だけど、極力、裏取り、裏付け、辞書が最強だけど、この言葉がどのように使われているのかを調べます。決定的な証拠が辞書によって得られない場合は、状況証拠で固めるしかありません。
意味は分かっている。だが、裏付けがない場合、ただの憶測になってしまいます。犯人逮捕のために刑事さんたちは、徹底的に裏どり捜査をしますよね。そんな感じです。
ここ数回、ドイツ語暗号解読シリーズをご覧になっていらっしゃる方にはお分かりでしょうが、たった一つの単語が違うだけで、全体の意味・雰囲気・世界観がガラッと変わってしまうこともある。
ネット検索で、助けられることばかりです。
インターネットが出てくる前、いったい翻訳者はどうやって翻訳作業をしていたのだろうか・・・と想像するだけで吐き気がしますね!
もう国立図書館で作業しないとお仕事にならないのではないかと・・・。
私も何十年か前に行ったことあるんですが、あそこの司書さんたち、コワイよぅ。
ちょっとしたニュース記事を訳すのも、私のようなやつだと基礎知識が圧倒的に足りてないので、裏どり捜査段階で相当な時間が必要です。要領が悪い、経験不足ということもありますけどね。
海外のジャーナリストさんたちは、特にアメリカのジャーナリストさんとか顕著ですが・・・引用を多用するのです。
聖書をはじめ、様々な神話の逸話や過去の作品、戯曲、詩からの引用、過去~現在の政治家、作家、思想家、哲学者、芸能人・有名人・スポーツ選手、宇宙飛行士・・・の言葉をしのばせたりする。
そこで、自分の知識と教養を見せつける傾向がある。(時々コラムで見かけますが、パックンの書いてる文章も割とその傾向がありますよね)
引用元がちゃんと書いてあるとは限らないですし。「この程度、みんな知ってるよねー」ってさらっと引用されていると、別の文化圏の人間からしたら、ちんぷんかんぷんになってしまうこともあります。
それを調べるために、ネット検索でどれだけ助けられているか。
Wirkensについても、この単語を検索するだけで、用例が出てくるので、実際どういう使われ方しているのか調べることができます。
辞書には載ってないけど、普段使いの言葉としてよく使われているということが分りました。とりあえず、この言葉が、「職場」という意味で使われているという事実、それで通じるということが分ればいいのです。
ネットがなかったら、ちょっと探せない。ドイツ人、オーストリア人を捕まえないと無理です。それで人に聞いたとしても、それが裏付けになるかどうかと言ったら・・・その人だけが特殊という線も最後まで残るので、どうしても不特定多数の人の文章が見られる環境が重要なのでした。
「Zuagroaster」に関しても、ネットの存在がありがたかったですねぇ。
オーストリアドイツ語でした。辞書にも載ってなかった。
この単語の場合は、スペル自体が不明。
どうしても分からない、まず最初の一文字目がなんだか分からない。
Fに見えるがFでなし・・・。
スペルだけでも分かっていたら、こんな苦労はしないけど、手書き文字だとそのスペルが特定できないので・・・・印字されてるわけではないので、文字数だって明確じゃない。aerouといった文字の判別ができない状態。
字面から、ドイツ語っぽくない、英語でもなさそう。オーストリアの方言である可能性が高かった。
オーストリア方言の辞書がオンラインで使えます。
最初の一文字が分からないので、可能性のありそうなアルファベットからだーっと全部見たうえで、全体の形状、アルファベットの数、文法的に合致するか、意味は通るか・・・検証していく作業をします。
まず、ドイツ語系統の場合、単語の頭がCであることはほぼない。IもJも限られている。XやYも限定的である。
この5つの文字は除外できる。
A、B、D、E、F、K、L、P、Wも、ポストカードには他の単語に使われており、形状が一致しないので、除外する。
G、O、Qは形に特徴があるので、除外していいだろう。
残るのは、E、G、H、M、N、R、S、T、U、Z。
形状として可能性が高いのは、Z、R、Sあたり。
単語の真ん中にgが入っているのは確実なので、可能性のありそうな単語をピックアップしながら、探していきます。そういう地道な作業をしてやっと、手書きの形状、長さ、意味、文法、様々な条件を満たす単語にたどり着けたのでした。
意味は、「そこに住んでいるが、別の場所出身の人」なので、移民、移住者と分かります。
発音は・・・ちょっとわかんない(笑)
このポストカードの送り主は、「新世界に到着しました」と報告をしている。そして、職場が「地獄だ」と言っている。さらに全米オープンで外国人が優勝したことを他の移民・移住者たちと喜んでいることから、アメリカでの生活に満足はしていないが、他の外国人同士で割と楽しくやっているのだな、と分かるわけです。
次回は最終回。
ポストカードの送り主がどういう人物だったのか?さらに考察していきたいと思います。