翔べ!友情のシリバス!

記事
コラム
ここで
シリバスを決めれば
夢が叶う

日本のエース
村上茉愛

屈辱のリオから5年
このシリバスに
すべての願いをかける

床の反動で
強く跳ね上げられた体は
高く宙を舞う

完成度の高い着地音
静寂の会場に強く響き渡る

流れるようにステップを刻み
やや上目遣いで
フィニッシュのポーズを決めた

次の瞬間
心から溢れる笑顔
自らの拳を高く突き上げると
今度は涙がこみ上げてくる

演技は金メダル。
体操人生で一番のできだった

スタジオから
村上茉愛を見守る
寺本明日香

あまりの感動に言葉が出てこない
その目には涙を浮かべている

二人の涙がシンクロした瞬間

体操女子種目別床決勝
日本のエース村上茉愛が
14.166点をマークし
個人種目として
日本初の銅メダルを獲得した

寺本明日香と村上茉愛

二人の人生は複雑に
そして強烈に絡み合ってきた

日本代表キャプテンとして
ここまで牽引してきた
寺本明日香

2019年の世界選手権では
エース村上の欠場の中
日本代表に東京五輪の出場権獲得をもたらした

当初は村上茉愛をライバルとして
強く意識していたと言う

しかし
一緒に団体戦を戦う中で
ライバルは戦友に変わっていった

そして
お互い切磋琢磨を続け
友情も育んでいった

しかし
突然の悲劇が寺本を襲う

アキレス腱断裂の大けが
東京オリンピックに向けて現役復帰を果たすも
選考会では力を出し切れず出場権を失ってしまった 

それでも前向きに代表合宿には参加をし
献身的に村上茉愛を始めとする
代表メンバーのサポートを続けてきた

自分の果たせなかった夢を村上茉愛に託した

あとは任せたよ・・

ようやくここまでこれた

それでも
村上茉愛の脳裏には不安がよぎる

いつ再発するかわからない腰の激痛

リハビリをしていても
試行錯誤しながら何か探している状態

なかなか競技力が向上していかず
これが自分のやり方だとしっくりくる場所を
ずっと探していた

余計にけがしやすい状態だった
自分の危険なサインに気づけていなかった
自粛期間中、もうこのまま体操から離れようかなと思い始めてた。
今まではそういう感情が出ても自分で押さえ込んできたけど、
今回は親に
『3カ月も体操ができないんだよ』
『来年に間に合うわけない』
と全部吐き出した。

親はただただその話を聞いてくれて。
話してすっきりした部分はありました
代表に決まるまでは
調子が良いはずなのに、体が芯から動いていない。

ウエットスーツを着て体操をしているような感覚
常にきつきつの状態
この3年の間は試合数も少なく
不安を払いきれていなかった。

コロナの自粛の中で
自分はやっぱり体操が好きだとやっと気づけました。
追い込みすぎて、つらいと思いながらやるのではなく
好きでやっている分
楽しまないとと考えるようになった

自分にしかできない
人をくぎ付けにする床運動にしたい

そして最後に
こう言い残して舞台に上がっていった

もう泣き尽くした。悔し涙は流したくない。

・・・
ここで
シリバスを決めれば
夢が叶う

日本のエース
村上茉愛

屈辱のリオから5年
このシリバスに
すべての願いをかける

床の反動で
強く跳ね上げられた体は
高く宙を舞う

完成度の高い着地音
静寂の会場に強く響き渡る

流れるようにステップを刻み
やや上目遣いのフィニッシュのポーズを決めた

次の瞬間
心から溢れる笑顔
自らの拳を高く突き上げると
今度は涙がこみ上げてくる

明日香に喜んでもらえるような演技ができた・・

友情のシリバスは
日本の体操界に
あらたな伝説を刻んだ

written by Kaz Okayasu
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す