~ネット時代の転職情報の落とし穴とは~
はじめに
これまで幅広い世代の方々から、
仕事にまつわる様々なご質問をいただいてきました。
そして最近は、40代や50代の方々から、
「面接で聞いた条件と、全く違っていた」
「入ってみたら地獄でした」
「こんなはずじゃなかった…」
というような、入社前に想定していた仕事内容や雇用条件と、
実務が違っていたという声を、よく聞くようになりました。
今の転職は、ネットで簡単に応募できる反面、
職場のリアルが見えにくい時代です。
だからこそ、求人情報の内容や条件だけで決めると、
ミスマッチが起きやすい。
この記事では、40から50代を中心に、
後悔しない転職活動をお伝えします。
1章:就職活動の変化と「働く意味」
昔の就職活動は、ハローワークの窓口で相談しながら進めるのが
一般的でした。
そのため、求人票には書かれていない情報も、
担当者から聞くことができました。
たとえば、
・女性が多い職場か
・他に応募している人はどのような人か
・求める人物はどのような人か
・出入りが多い(離職率が高い)職場か
など。
このような“求人票”だけでは判断できない情報を
事前に知ることができれば、ミスマッチを防ぐ効果があります。
しかし、仕事探しがネット中心になることで、
状況が大きく変わってきました。
2章:インターネット時代の就職活動
いまの転職は、
検索→応募→面接までオンラインで完結します。
早いし、とても便利です。
すべて在宅で出来るため、
忙しい在職者に欠かせないツールになっています。
しかし、その分、上記のような「見えない情報」
を入手するのが困難になります。
実は、ハローワークには、
その会社を退職した方や応募した人からの申し立てやクレーム、
労働基準監督署の情報などが記録されています。
そのため、
・社内の人間関係
・残業や業務量の実態
・上司のタイプ、社風
・経営の安定性、将来性
を情報提供することが可能です。
実際、私がハローワークに勤務していたとき、
応募者から希望があれば、お伝えしていました。
それにより、未然にミスマッチを回避することが可能になります。
しかし、インターネットの求人情報の場合、
企業が費用を負担して求人情報を掲載しているため、
その会社にとって不利益な情報は開示されません。
その結果、入社後に「話が違う」と感じる人が増えています。
ここで大切なことは、応募者=求職者が賢くなること。
つまり今は、求人情報の検索だけではなく「転職活動の方法」を、
学ぶ必要があります。
以前は、この求人情報を得るのが大変でした。
新聞、求人誌など紙媒体しかなかったからです。
反対に現在は、求人情報はインターネットで入手できますが、
実情が得にくい時代になっています。
3章:就職活動は「人生探し」
したがって、求人情報を検索する前に、
あなたが仕事や働き方をデザインする必要があります。
どこで、どのような仕事をして、どのようなキャリアを築いていくのか。
ただ、お金を得るだけに働くのであれば、このような事を考える必要はありません。
求人情報を閲覧して、すぐに就職できそうな仕事を選んで応募すればいい。
どの業界や職種も人手不足が深刻化しています。
すぐに採用されることでしょう。
しかし、どのようなキャリアを築きたいのかを考えると、
「どこでもいい」「何でもいい」という訳にいきません。
転職とは、会社を探す作業ではありません。
人生をどうデザインするかを決める作業です。
仕事を選ぶときは、条件だけでなく、次の視点を持ってください。
・どんな環境で、どんな人と働くか
・どんな価値を生み、誰に貢献するか
・自分の強みや適性が活かせるか
この視点が入るだけで、転職の“軸”が太くなります。
その結果、志望動機や自己PRも、ブレなくなります。
仕事は、人生の大半を占めます。
ロシアの作家マクシム・ゴーリキーは言いました。
「仕事が楽しければ、人生は極楽」
「仕事がつらければ、人生は牢獄」
私は、仕事の充実度が「人生の幸福度に大きく影響する」と考えています。
4章:充実した職業人生を送るために
40代・50代は、やり直しが難しいからこそ、慎重でOKです。
むしろ、慎重過ぎることはない。
若ければ、「じゃあ次を探そう」と新しい職場へ移ることができますが、
年齢が増すほど転職は困難になる。
そこで大切なのは、次の3つです。
① 自分の適性を理解する
得意なこと、苦手なこと。
やりがいを感じる場面。
疲れやすい環境。
これを言語化すると、職場選びの精度が上がります。
② 働く目的を明確にする
収入、やりがい、ワークライフバランス。
今のあなたにとって優先順位はどれか。
目的が決まると、求人の見方が変わります。
③ 無理をしすぎない環境を選ぶ
「給料が良いから」で選んで、心身が壊れた…
これは本当によくある話です。
条件よりも、「日々の仕事が苦痛ではないか」を必ず見てください。
転職は“今”で考えるのではなく、先を予測して、
「働き続けられる」場所を選ぶことが大事です。
さいごに
ネット時代の転職は、情報が多いようで、
本当に必要な情報は案外少ないもの。
だからこそ、求人票の条件だけで決めると、
ミスマッチが起きやすくなります。
40代や50代の転職で大切なのは、
「働くために生きる」のではなく、
「生きるために働く」という視点を取り戻すこと。
もし今、
「一人で整理できない」
「応募書類や志望動機がまとまらない」
「自分に合う仕事が分からない」
そんな状態なら、身近な人に相談することが大切です。
面倒かも知れませんが、近隣のハローワークを利用してみましょう。
また、女性ならマザーズサロンも有効です。
マザーズサロンは、未婚の女性でも利用できます。
(育児中の男性も利用できます)。
マザーズサロンとは、
厚生労働省が運営する「マザーズハローワーク事業」の一環です。
1. 「子育て中」を前提としたきめ細かな支援
最大の特徴は、担当者制によるマンツーマンのサポートです。
個別プランの作成: 一人ひとりの希望や家庭の状況に合わせ、再就職に向けた計画を一緒に立ててくれます。
専門的なアドバイス: 履歴書の添削や面接対策も、ブランクがあることや育児中であることを前提とした適切なアドバイスが受けられます。
年齢制限なし: 「マザーズ」という名称ですが、年齢に関係なく、また子育て中の男性も利用可能です。
2. 子連れでも安心・快適な施設環境
通常のハローワークとは異なり、小さなお子様を連れての来所を想定した設備が整っています。
キッズコーナー完備: おもちゃや絵本があるスペースで、子どもを遊ばせながら相談できます。
ベビーカー対応: 相談ブースの横にベビーカーを置ける広さがあり、授乳室やベビーベッドが設置されている場所も多く、授乳コーナーもあります。
3. 仕事探し以外の「周辺情報」の提供
仕事を見つけるだけでなく、「働くための準備」に必要な情報も提供されます。
子育て情報の提供: 地域の保育所や一時預かりの状況、自治体の子育て支援サービスなどの情報が収集されており、保活についても相談できます。
両立しやすい求人: 「残業なし」「急な休みへの理解がある」など、育児と仕事を両立しやすい企業の求人を重点的に紹介してもらえます。
まだまだ知名度が低く、活用されていないのが現状ですが、
せっかくこのような制度があるのに、使われないのは大変もったいない。
在職中の方でも、有給休暇を取得して利用する価値があります。
さっそく、明日にでも出かけてみましょう。