<1>でリストアップした役割に、自分にとって重要だと思う順に優先順位をつけてみましょう。
優先順位をつける基準は、『自分の生きる上での価値観』です。
【事例】35歳、既婚女性、子1人、会社員、母が要介護⇒「子どもにとっての良き母でありたい」
↓
1位:母
2位:妻(夫との関係が良好であることが、子どもへも好影響を与える)
3位:会社員(自分自身が充実することで子どもに余裕をもって接することが出来る)
のようになりますね。あくまで一例ですが。
<2>の事例で、母親の要介護度が上がった場合。
状況によって「3位:会社員」を一時的に介護休暇を取るか、退職・転職することになるかもしれない。
または仕事はそのままで、母親を福祉施設や在宅サービスに委ねる方法を取ることも出来ます。
ただし、ここで優先順位付けをしていなかったり、優先順位をつける基準があやふやなままだと、「全部完璧にやろう」と考えてしまいます。
短期間なら出来ても長期間だと心身への負担が大きくなります。
優先順位付けは、いざという時に
自分を、ひいては周囲を守るための保険になるのです。
では、自分が自分で望む自分の役割に対して、他者はどのように見ているでしょうか?
【事例】35歳、既婚女性、子1人、会社員、母が要介護⇒「子どもにとっての良き母でありたい」
↓
1位:母
2位:妻(夫との関係が良好であることが、子どもへも好影響を与える)
3位:会社員(自分自身が充実することで子どもに余裕をもって接することが出来る)
この場合
①会社の上司:既婚で子どもがいて大変なのは理解するが、会社での役割は十分(それ以上)に果たして欲しい
②子ども:友達のお母さんのように、学校から帰ったらママが家に居ればいいのに
③夫:子どもにとって良き母でいてくれて助かる。ただ無理をし過ぎていないか心配だ
など、他者それぞれの立場からの感想や期待、懸念が存在します。
そうした「他者から期待されているもの」を、やる・やらないは別として、知っておくことは重要です。
図にするとこのようになります
①:周囲からどうやって理解を得るか
②:どうやって対処するか
③:ここが大きいほどジレンマもストレスも少ない
①は優先順位が高いなら、関わる人と相談して理解を得る必要があります。
②は代替手段を考えましょう。
例えば事例の人なら、急に母親の介護度が上がったとすると、今まで通り自分一人で世話をすることが難しくなります。
なので自分が出来ない部分に福祉サービスの手を借りる、などが挙げられます。
①と②に対処することで、③のエリアが大きくなります。
そうすると、周囲の不満が減り、自分負荷も小さくなります。