対話が苦手だと思っている人の中には、自分が口下手だったり話題提供出来ないことを苦手の理由とする方がいますが、逆です。
相手が何を言おうとしているのか、またはどんな状態か、どんな気分なのかを知ることです。
そしてそれをそのまま受容します。
良い悪いの判断をする必要はありません。
注意したいのは、
「ヨイショ」や「表面上のYES」とは違う、ということ。
今日の天気はどうだろう、と思った時空を見上げるのと同じように、相手の状態を見てみましょう。
相手を重視するあまり、自分を軽んじる人も少なくありません。
相手を敬うことと、自分を蔑ろにすることは同じではありません。
ただ、「自分を尊重する」というと、「好きなように振舞う」とか「わがままを通す」ことかと思って尻込みする方もいます。
私が言いたい「尊重」とは、
「自分の価値観を持って、それに沿って行動すること」です。
例えば「よいパートナーでありたい」と思う場合。
相手の我儘を全てのんで自分は自由も欲求も求めず我慢し続けることでしょうか。
または、相手に自分の欲求を全て叶えてもらうことでしょうか。
<1>の相手を尊重する態度と、自分の価値観に従って行動することを両立させようとすると、おのずと「好き勝手・我儘」な要素は無くなります。
「理解」は「賛成」「同意」とイコールではありません。
相手の主張を理解した上で、自分の価値観を尊重し、イエスかノーを決めて相手に伝えます。
そうすることで、相手に尊重されたことが伝わると、相手はお返しをしてくれます。
いわゆる「
返報性の法則」です。
まず、相手の話を、出来るだけ正しく理解しましょう。
話の中には、聞いていても「?」と思う言葉や要素が入っていることもあります。
分からないことがあれば、
分からないことを伝えて説明してもらいましょう。
その時、まるっと全部分からない、と言ってしまうと、話そのものを拒否されたと誤解される場合があります。
自分が分からないものは何なのか、「
5W1H」で質問してみましょう。
『今の話は、いつあったこと? さっきの〇〇という件の前?』
『〇〇って用語がよく分からないけど、どういう意味?』
『〇〇って言ったのは、△△さん? それとも□□さん?』
のように。
相手の話をきちんと理解した上でノーと答えるのは拒否ではありません。
自分の意見です。
そしてそれに対してどう行動するかは、相手の責任です。そこまで自分が責任を持とうとすると、対話自体成り立たなくなるし、逆に相手の立場を尊重していないことになります。