はじめに
先日、ニュース記事で「退職代行は、いわゆる情弱ビジネスですよね」という建設業の方の意見が紹介されていました。
この言葉には、情報弱者につけ込み、不当な利益を得ているのではないかという批判的なニュアンスが含まれています。
確かに、退職の意思を伝えるという本来自分でできるはずの行為を代行し、高額な費用を請求する退職代行ビジネスに対して、「情弱ビジネス」という声が上がるのも理解できます。悪質な業者の中には、利用者の不安を煽り、不透明な契約を結ばせるところも残念ながら存在するでしょう。
しかし、私はこの退職代行サービス全体を一概に「情弱ビジネス」と断じることはできないと考えています。
なぜなら、現代社会はかつてないスピードで変化しており、多くの人々(雇用する側も含めて)がその変化に対応しきれていない現状があるからです。
そして何より、実際に「退職代行業者(弁護士や労働組合が監修するサービス)」の活動を拝見し、このサービスを利用して無事に次のステップに進まれている多くの転職者の方々を知っているからです。
「退職代行」を利用するその理由には、聞くに耐えない理由・原因が多いのも事実です。中には、もはや犯罪的ともいえるような劣悪な労働環境(いわゆるブラック企業)も多々見受けられます。
また、ニュースではさらに、今後、中途採用時に前職の退職に際して「退職代行業者」を利用したかどうかをチェックしたいという企業もあると言うことです。もちろん、「退職代行」を利用した理由を知ることは重要だと思いますが、理由によっては、前職の会社の状況が良くも悪くも明らかになってしまうこともあるでしょう。
職業の選択は個人の自由であり、自己責任でもあります。しかしながら、人手不足を補うためだけに、(もはや)偽りの情報で採用活動を行うのは、本末転倒だと私は思います。
無限の可能性がある人材を潰してしまうことも起こっているかもしれません。
そんな非常事態でもあると私は感じています。
変化に取り残される現代社会
少子高齢化は労働力不足を深刻化させ、働き方の多様化は従来の雇用慣行を揺るがしています。AIテクノロジーの発展は、私たちの仕事のあり方を根底から変えようとしています。さらに、パワハラやセクハラといったハラスメント問題は依然として根深く、気候変動という地球規模の課題も私たちの生活に大きな影響を与えています。
このような目まぐるしい変化の中で、私たちは過去の経験や既存のロールモデルだけでは対応できない局面に数多く直面しています。会社側も、働き手も、新しい社会のあり方に試行錯誤している状況と言えるでしょう。
「退職代行」を公的に認め、キャリアコンサルタントとの連携を強化する未来への提案
このような状況を踏まえ、「退職代行」が抱える課題を克服し、真に困窮する人々を支援する仕組みを構築するために、厚生労働省が積極的に関与すべきだと考えます。その際、重要な役割を担うのが「キャリアコンサルタント」の存在です。
私たちキャリアコンサルタントは、個人の適性や能力、経験に応じた職業選択や能力開発を支援する専門家です。
退職を検討する人々に対して、客観的な視点からキャリアの棚卸しや今後の方向性について相談に乗ることができます。
そこで、厚生労働省は「退職代行」の補助的な役割を認め、一定の要件を満たす事業者に対して補助金を交付するだけでなく、キャリアコンサルタントとの連携を義務付けるべきです。
例えば、退職代行サービスの利用前に、必ずキャリアコンサルタントによるカウンセリングを受けることを必須とするなどが考えられます。これにより、安易な退職を防ぎ、利用者が自身のキャリアについて深く考える機会を提供できます。
さらに、「退職代行」に関しても公的な規定を設け、法整備を行うべきです。事業者の参入要件や業務範囲、利用者保護のためのルールなどを明確化する中で、キャリアコンサルタントの配置基準を設けることも重要です。
専門知識を持つキャリアコンサルタントが関与することで、サービスの質の向上と利用者の安心感につながります。公に認められた業務として法整備を行うことで、社会的な信頼性も高まり、利用者は安心してサービスを選択できるようになるでしょう。
企業には外部相談窓口設置の義務化とキャリアコンサルタントの配置促進
一方で、人材や人手の流動性をさらに促進するためには、企業側の意識改革も不可欠です。
そこで、企業に対して、従業員の個人の成長を後押しするための外部相談窓口の設置を法的に義務付けることを提案します。
キャリアに関する相談はもちろん、ハラスメントや職場環境に関する悩みなど、従業員が安心して相談できる第三者機関の窓口を設けることで、早期の問題解決や離職の防止につながる可能性があります。
この外部相談窓口には、キャリアコンサルタントをはじめとする専門家を配置することを推奨、あるいは義務化することも検討すべきです。
専門的な知識を持つ第三者が介入することで、従業員はより客観的なアドバイスを受けることができ、自身のキャリアプランを主体的に考えるきっかけとなります。
この義務化には罰則を設けることで、企業側の責任を明確にし、実効性を高めるべきです。従業員が安心してキャリアを築き、必要であれば円滑に次のステップに進める環境を整備することは、企業にとっても長期的な視点で見れば、優秀な人材の確保や企業イメージの向上につながるはずです。
まとめ
未来へつなぐ、新たな働き方と社会システムのために
より良い社会システムを築くために、私たちは今、直面する課題と真剣に向き合う必要があります。特に、人材の育成と支援を信条とするキャリアコンサルタントとして、一部で見られる「退職代行」サービスのあり方には懸念を抱かずにはいられません。
少子高齢化が進み、深刻な人材不足に悩む日本経済において、安易な離職を助長するサービスが、社会全体の活力を削いでしまう可能性も否定できないからです。
しかし、だからといって「退職代行」を単純に否定するだけで良いのでしょうか。急速に変化する社会の中で、個人が抱える働き方の悩みや、企業との間のコミュニケーション不全は複雑化しています。「退職代行」サービスは、こうした現代社会のひずみの中で生まれ、時に労働者にとってやむを得ない選択肢となっている現実があります。
大切なのは、このサービスを単なる問題として片付けるのではなく、社会の変化に対応するための補完的な仕組みとして捉え直す視点です。そして、その機能をより健全な形で活かすために、キャリアコンサルタントとの連携を強化し、さらには公的な支援や適切な法整備を検討していくことが求められています。
同時に、企業側にも大きな責任があります。従業員のキャリア形成や成長を支援し、柔軟な働き方や円滑な人材の流動性を促進していくこと。そのために、キャリアコンサルタントの専門的な知識やサービスを積極的に活用していくべきだと考えます。
もちろん、人手不足への対応として、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進や、人工知能(AI)、ロボットといった先進技術の力は不可欠です。しかし、どれだけ技術が進歩しても、未来を支えるのは結局のところ「人間力」に他なりません。
先進技術はあくまで道具であり、その力を最大限に引き出し、より良い社会を創造していくのは人間の持つ力なのです。使い捨てられるべきは道具であり、「人間力」は決して疎かにされてはなりません。
キャリアコンサルタントの専門性を最大限に活かすことで、「退職代行」は単に退職手続きを代行するだけのサービスに留まらない可能性を秘めています。
個人のキャリア形成を支援するプロセスの一環として位置づけ、働く人々の新たな一歩を力強く後押しする。そんな「新たな価値」を生み出すことができるのではないでしょうか。
これらの多角的な取り組みを通じて、誰もが自分らしいキャリアを描き、安心して働くことができる。そんな、より柔軟で活力のある社会の実現を目指していきましょう。
最後まで読んでいただき誠に有難うございました。
*本ブログ記事(以下「記事」という)で使用されている各種商標・商品名や会社名、人名など(以下「商標」という)は、各権利者に帰属します。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
*ワイ・キャリアサポーターズ
*この記事の文章作成(音声部分がある場合はそれも含む)には、Google社の生成AI「Gemini」、AIアシスタント「NotebookLM」、及び同社の「Deep Research」を活用しました。
*作成日:2025/05/17 15:09
*最終更新日:2025/05/13 15:24
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜