こんにちは。2級キャリアコンサルティング技能士|合同会社たお代表の工藤でございます。
今日のテーマは、「週5日・計40時間/週」勤務は、AIによって無事に終焉を迎えられるか
先日、Zoomの CEOであるエリック・ユアン氏が、興味深い発言をしました。
AIの進化によって、将来的に「週3〜4日勤務」が標準になる可能性がある、というものです。
前回の記事で、私は「1日8時間という労働時間は、本当に正解なのだろうか」という問いを投げかけました。
この発言は、まさにその問いの続きになりそうです。
AIは、「仕事量」ではなく「労働時間」を変える
これまでのテクノロジーは、業務を効率化し、より多くの仕事をこなすための手段として使われてきました。
一方、AIは、業務に必要な労働時間そのものを減らせる可能性を持っていると言われています。
メール対応、会議の要約、スケジュール調整、資料作成。
これまで人間が時間をかけてきた反復業務の一部を、AIが代替し始めています。
もし従来と同等の成果を、より短い時間で上げられるなら、労働時間は減っていくはずです。
それでも、労働時間はなぜ減らなかった、減らないのでしょうか
ここで、一つの疑問が浮かびます。
これまでもテクノロジーによって生産性は向上してきたはずなのに、私たちの労働時間は、なぜ大きく減らなかった、一向に減らないのでしょうか。
生産性が上がった分だけ、私たちは、労働時間を減らすのではなく、仕事量を増やす方向を選んできたからなのでしょうか。
だとすれば、AIによって同じことが繰り返されるのか、それとも今回は違うのか。
そこが、これからの働き方を左右する分かれ道になりそうです。
実際に、週4日制で成果が出ている
イギリスで実施された大規模な週4日制の実証実験では、多くの企業が実験終了後も、週4日勤務を継続することを決めました。
従業員のストレス軽減や、離職率の低下も報告されています。
アイスランドで実施された実験でも、労働時間の短縮を通じて、生産性を維持したまま働き方を改善できる可能性が示されています。
長時間働くことと、高い成果を出すことは、必ずしも同じ意味ではなくなり始めているのだと思います。
週の「労働時間を減らしてみる」という考えもある
ここで、私自身の持論もお伝えしたいと思います。
エリック・ユアン氏の提案を踏まえて、私はこんな視点も持っています。
週の勤務日数は変更なく、「1日あたり/1週間あたりの勤務時間を短くする」というのはどうなのでしょうか。
例えば、今が「週5日・計40時間/週」勤務ですが、それを、1日5時間(9:00〜15:00)、あるいは1日6時間(9:00〜16:00)といった働き方です。
具体的な組み合わせの例を、いくつか挙げてみます。
・週6日(土曜出勤を含む)、1日6時間、週36時間(現状からの稼働率90%)
・週5日、1日6時間(9:00〜16:00)、週30時間 (現状からの稼働率75%)
・週5日、1日5時間(9:00〜15:00)、週25時間 (現状からの稼働率62.5%)
いずれにしても、今の「週5日・40時間」という前提より、労働時間の総量は少なくなります。
週3〜4日勤務になると、稼働しない曜日が生まれ、顧客対応や取引先とのやり取りに、抜けや遅れが生じやすくなりそうですが、一方で、稼働日数は週5日(もしくは週6日)のままでありながら、1日の労働時間だけを短くすれば、顧客にとっての安定感を保ちながら、労働者側の負担も軽減できることになります。
サービスの継続性と、働く人の負担軽減。
このどちらも手放さずに両立させる方法として、時短勤務という選択肢は、もっと注目されてもいいのではと、私は思っています。
労働者にも、問われていること
前回の記事で、私は、仕事人としての役割から、もう少し解放されてもいいのではという話をしました。
今回のデータは、その考えを、また別の角度から後押ししてくれるものです。
ただし、ここで、労働者の側にも問われていることがあると、私は思っています。
より短い時間で、同等かそれ以上の成果を出す。
そのためには、AIを使いこなしながら、自分自身の生産性を高めていく姿勢が必要になります。
労働時間が減る分だけ、ただ楽になるということではありません。
限られた時間の中で、どう価値を生み出すかという視点を、働く一人ひとりが持つことが、これからは大切になっていくのだと思います。
「どれだけ働くか」から、「どれだけ価値を生み出せるか」へ
今、問われ始めているのは、どれだけ長く働くかではなく、どれだけの時間で、どれだけの価値を生み出せるかという視点なのだと思います。
仕事人としての時間を、少しずつ手放しながら、その分、他の役割にも時間を使えるようになる。
そのためには、私たち自身も、AIとともに、働き方そのものを見直していく必要があるのだと、私は思っています。