「情報に振り回されないために」
「ダイエットには糖質を抜くのがいい」
「貧血にはレバーを食べるのがいい」
「血糖値を上げないために、まずは野菜から食べましょう」
SNSやテレビでは、毎日のように新しい健康法や食、栄養の情報が流れていますね。
そのたびに
「これも大事そう」
「あれも試してみよう」
と思って、気づけば頭の中が情報でいっぱいになっていませんか?
こんにちは。管理栄養士 ゆうです。
今は情報が溢れている時代で、便利な一方で、
「何を信じればいいのかわからない」という混乱に変わってしまうことがありますよね。
そんなときに必要なのが、「選択肢を絞る力」です。
つまり、「自分に本当に必要なことだけを選べる力をつけること」
この力があると、情報があふれる時代でも、情報に振り回されなくなります。
情報を点ではなく、“線”で理解すること
食の知識のひとつひとつは「点」のようなものです。
「点」の知識とはどんなものか?というと、下記のようなものですね。
「鉄が大事」
「血糖値は上げすぎない方がいい」
「筋肉に必要なアミノ酸はBCAA」
など、このどれも間違ってはいません。
しかし、この“点の情報”を1つ1つ集めて知識として持っていても
これらの情報はジャンル的に見てもバラバラの情報ですよね。
なので、情報や知識を得たけど、
で、結局「私は何をどうすればいいの?」
となってしまい、何が本当に自分に必要なのかが見えなくなってしまいます。
情報は、「受け取る」だけでは意味がなく、
「自分ごととして扱えるようにする」ことで知識を得た意味があるのです。
「自分ごととして扱えるようにする」ために大切なのは、
1つ1つの情報(点)を線でつなげて理解することです。
具体的な例を挙げて解説していきますね。
「鉄=貧血」だけで終わらない
貧血気味の人が、「貧血 栄養」など検索をすると、
「貧血には鉄をとりましょう!」という情報が出てくることが多いです。
この情報を“点”でしか理解していないと、「鉄をとればOK」と思ってしまいがちです。
しかし、実際には、鉄は血液の材料になるだけでなく、「エネルギーを生む仕組み」にも関わっています。
例えば、
・鉄が足りないとミトコンドリア(細胞内)でエネルギーが作られにくくなる
・結果、「朝起きられない」「気力が湧かない」などの症状が出る(エネルギーが作られにくくなることによって)
・酸素が全身に運ばれにくくなり、肌のくすみや抜け毛にも影響する
つまり、鉄の不足は「心の疲れ」や「代謝の低下」にも繋がっていますし、
もっと言えば、酸欠状態が体に引き起こされるので「疲れやすい」ことにも結びつきます。
さらに、もっと知識を深めていくと、鉄の吸収率を上げるためには
ビタミンCやたんぱく質、胃酸の働きも関係していることがつながっていきます。
こうした一連のつながりを理解できると、
「鉄が足りないから鉄のサプリを買おう」
「今日の夕飯レバニラにしておけばOK!」
という”点”の情報での実践ではなく、「鉄を体の中で使えるように、食事全体を整えよう」という発想に変わっていきます。
そうなんです。
人によって何が不足しているかは個人差があるのです。
鉄が足りていないことだけが原因ではないことも多いんですね。
ある人は、鉄は足りているけど、ビタミンCが不足していて吸収率が低下しているのかもしれません。
ある人は、血を造る作用に関連するたんぱく質が不足しているために貧血気味になっているのかもしれません。
このような場合、鉄をいくらとっていても食事から改善することは難しくなります。
このように、情報を“点”ではなく、”線”として理解できることが、深く知識をつけることで可能になり、結果、情報を絞る力になるのです。
情報を“絞る力”
上記の例のように、正しい知識を線で理解できるようになると、
「自分自身は何を選べばいいのか」が自然と見えてきます。
「あれも大事」
「これも試さなきゃ」
と、バラバラにある情報をむやみに実践することではなく、
関連する中で自分に合う“いくつかの選択肢”を的確に選んで、実践できるようになる。
選択肢1:鉄を補う食事をする
選択肢2:ビタミンCをとってみる
選択肢3:1と2を組み合わせてみる
選択肢4:鉄の吸収を妨げるコーヒー・緑茶・紅茶を飲んでることが多いから控えてみる
このようないくつかの選択肢の中から実践していくというふうにです。
そう、もう察しておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、
知識が深まるほど、選択肢は減っていく。情報をピンポイントに絞ることができるのです。
これは、制限されるということではなく、逆で、ピンポイントに実践でき時間を有効に使えて結果も出やすいということです。
私自身も体の仕組み、その中で栄養素がどのように使われているのか、などあらゆる情報と知識が線で繋がっていったとき、初めて食で極端に制限をしなくていいことが理解できるようになりました。
栄養学や解剖学などあらゆる知識を得た中で、情報の取捨選択が可能になったからです。
大切なのは
「どの情報を手放し、どの情報を取り入れるか」を見極めることです。
食から自分自身の体や心の状態を変えたいと思っている
勉強熱心で誠実なあなたが、
情報があふれる時代にこそ、“振り回される側”ではなく、自分にあった情報を選択できるようになることを願っています。