私の夫は転勤族で、結婚以来、2回の引っ越しを経験してきました。
2016年春 関東で結婚
2020年秋 関東→関西
2022年春 関西→四国
夫は会社のかたから「奥さんはついてきてくれるの?」と尋ねられたそうです。
私としては、仕事や二人だけの家族で、単身赴任してもらうという選択肢はありませんでした。
幸いなことに、私は社会保険労務士の資格を持っていて、場所を選ばず自宅でも仕事ができるため、ためらわずに転勤についていくことができました。
この点にはとてもラッキーだったと感じています。
転勤の法的な側面
社労士らしく 転勤の労働契約上の制約や、濫用法理による制約を簡単に書くと、転勤の命令には、次のような要素が必要です。
① 業務命令を発する根拠(就業規則や労働条件通知書)
② 業務上の必要性の有無
③ 不当な動機、目的がないこと(嫌いだから遠ざける、遠くに飛ばす、といったことは認められません)
④ 著しい職業上または生活上の不利益の有無(使用者の配慮義務)
転勤に関する有名な判例に「東亜ペイント事件(昭和31年7月の判決)」「ネスレジャパンホールディング事件(平成18年4月の判決)」などがあります。
2つの事件を見比べると、昭和から平成の間に、④使用者の配慮義務がかなり重視されるようになっているなと時代の流れを感じます。
転勤の目的
長年、人事労務の仕事をしてきた経験から、転勤の意味や必要性については理解しています。
組織としてのマンネリ防止や、不正防止、さらには企業が新たな可能性を追求するためには転勤が必要です。
転勤をきっかけに飛躍する従業員もたくさん見てきています。
家族の本音
しかし、一方で家族としては、転勤に伴う生活の大きな変化には少なからずストレスを感じます。
“いつ引っ越すかわからない”という不確定要素が常にあるため、長期的な計画が立てにくいという点が大きな課題です。
また、新しい環境に馴染む過程で「数年後の約束」はしにくいため、人間関係や仕事にどこかブレーキをかける自分がいるのも事実です。
寒くなると色々と考える
毎年12月頃になると、来年の生活がどうなるかを考え始め、場合によっては3月末に引っ越しが必要になるかもしれないという思いが頭をよぎり、気持ちが落ち着かなくなります。
私たちは子どもがいませんが、お子さんがいる家庭ではさらに大変だと思います。
転校や手続き、子どもの心のケアなど、親としての負担は計り知れません。
実は私の父親も転勤が多く、保育園は3つ、小学校も3つ通いました。
転勤をする父も大変だったでしょうが、慣れない土地で子どもを育てていた母も大変だったと思います。
転勤のプラス面と結論
とはいえ、転勤にも良い面はあります。
転勤があったから、出会えた人やできた仕事もたくさんあります。
転勤があったから、自分がどこでも生きていけるように覚悟を決めることができました。
ずっと同じ場所に留まっていたら、仕事も生活もある程度マンネリ化していたかもしれません。
転勤があったから、新しい挑戦ができました。
社会保険労務士として独立開業したり、さらに特定社労士の資格を取得したりと、自分を成長させるきっかけを与えてくれたと感じています。
転勤族としての生活は決して楽なものではありませんが、それでも何とか模索し続け、今後も新しい環境に適応しながら自分なりの道を切り開いていこうと思います。
人事異動、転勤、人を雇う上でのいろいろなお悩みを相談したい方は、ぜひ社会保険労務士にご相談ください。