社労士に「ほんとうに、気軽に相談してほしい」という思い

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法律・税務・士業全般
「人事労務の手続きや給与計算がわからない」「手がつけられない」と悩んでいる経営者の方に、気軽に相談していただきたい

社会保険労務士として、建前ではなく本当にそう思っています。

それは、私自身が昔、そういった業務を大の苦手としていた経験があるからです。

最近改めて「社労士になったきっかけ」を振り返っていたのですが、自分の中の喜怒哀楽、中でも「怒」と「哀」が深く関わっていたことに気が付きました。

哀 - 人事労務未経験からのスタート


25歳のとき、従業員40名ほどの商社に勤めていました。

部署は経理部でしたが、上司の定年退職に伴い、未経験でいきなり40人分の給与計算や社会保険手続きを任されました。

その頃の私は、自分の給与から引かれているものの意味もよく知らないレベルでした(いくら25歳でもダメですが)。

前任者は、経理業務の片手間に労務をやっていたので、引き継ぎもあやふや、処理も正しいか怪しい状態でした。

周囲に教えてくれる人もおらず、ネット情報も書く人によってなんか違うしで、途方に暮れました。
月末退職者の社会保険料の取り扱いもよくわからず、引かなきゃいけないものを控除しそびれました。

任意継続?離職票?色々わからないことが起きて、役所に問い合わせても要領を得ないので結論にたどり着けず、処理は間違いだらけ。

泣きながら「人事労務のスペシャリスト」の資格を探してたどり着いたのが「社会保険労務士」でした。

怒 - 制度が分かりにくすぎる!


なにも知らない初心者だったからこそ、制度に対しても強い不満を感じました。

「なんでこんなに、何から何までわかりにくいんだ」
「なんで健康保険と厚生年金、雇用保険で届出先や加入の基準が違うんだ」
「なんでこんなに給付がいっぱいあって、ややこしい手続きをしないと貰えないんだ」
「なんでこんなにわかりにくいのに間違えるとみんな怒るんだ」

念のために言っておきますが、まだ社労士になる前、右も左もわからないときの感情です。
でも、「少しでも、このわかりにくい制度を攻略したい」という「怒り」が試験勉強の原動力になったのは確かです。

楽 - 学ぶ楽しさ


試験勉強を始めてみると、「社会保険労務士試験」との相性は悪くないなと感じました。
割と覚えるのが得意で、マークシート形式が性に合っていたこともあり、試験勉強自体にゲーム性と楽しさを感じました。
わけのわからないことが少しずつ解明されていき「知らないことを知る」ことが、私にとって救いになりました。

喜 - 人の役に立てる喜び


社労士の試験勉強をしていたころ、定年再雇用を控えた方からご相談を受けました。

在職老齢年金や高年齢雇用継続給付について、分かる範囲で応えたことに大変感謝をしていただき、はじめて自分の成長を感じました。
社労士を目指す前は、メンタル疾患などで体調が安定せず、何がしたいかもわからないし将来も見えない焦燥感しかなかったので、少しでも人の役に立てたことは喜びでした。

(ただ、別の方に迂闊なアドバイスで失敗したこともあり、それは「哀」の感情に繋がる部分です…)
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私が社労士を目指した理由は「キャリアアップ」や「人の役に立ちたい」といった前向きなものだけでなく「複雑でわかりにくい」「怒られるのが嫌」という、怒りや哀しみ、負の感情が原動力でした。

だからこそ、経営者の方々が人事労務制度の複雑さに戸惑う気持ちは、痛いほど理解できます。

いまだに苦手な部分…


プロとしてどうかと思われるかもしれませんが、私はもともと細かい書類の確認や給与計算が得意ではありません。

たくさん文字や数字を見ると目が滑ってしまうので、落ち着いて時間をかけて、バウムクーヘン作りのように丁寧に確認を重ねないとミスが出てしまいます。

書類作成は、さすがに18年の経験でミスを減らす、ミスしたとしても傷が浅いうちにリカバリーをするノウハウが身についてきました。

給与計算は、キャリアのかなりの部分携わってきたにも関わらず、今でも心臓がギュッとなるほどの緊張を感じますし、ストレスで帯状疱疹になったこともあります。

そのため、給与計算のまるごと受託は、1人社労士ということもあり極力お引き受けしていません。

初めての人事労務は「わからない」が当たり前


私自身がこんな状態でしたので、初めて人を雇う方が「正しい処理ができない」のは当たり前だと思っています。

給与計算や届出が理解できないのは、あなたのせいではなく、制度が複雑過ぎるんです。(というくらいの気持ちでいいと思います)

私は社会保険労務士なので、プロとして「制度が悪いから間違えた」とは言えませんが、合格までに1,500時間くらい勉強し、その後も実務や研修で知識を積み重ねています。

それでも、ちょっとした法律の解釈に、日々迷ったり調べたりします。

そんなに時間がかけられない経営者の方は、ぜひ社労士に頼っていただきたいと思います。

たとえば、次のようなシンプルな相談で十分です。

「人を雇うときに渡さなければいけない書類があると聞いたんですけど・・・」

こういった内容から、一緒に確認を進めます。

労働時間や給与計算、割増賃金、社会保険の加入など、必要なことは追って整理していきます。

社労士で対応しきれない部分(税金とか)については、しかるべき問い合わせ先を案内します。

悩んでいる時間がもったいないので、ぜひ気軽にご相談ください。


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