学校で“問題児”と呼ばれる“ギフテッド”④

学校で“問題児”と呼ばれる“ギフテッド”④

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コラム

忘れ物の多い天才


アヤトは、忘れ物が多かった。

教科書。

体操服。

連絡帳。

宿題。

上履き。

毎日のように何かを忘れた。

先生は言った。

「もっと気をつけなさい」

母親も言った。

「どうして何回言っても忘れるの」

でも、アヤトは覚えることが苦手なわけではなかった。

好きな宇宙探査機の名前は、打ち上げ年まで覚えていた。

恐竜の分類も言えた。

ゲームのアイテム効果も全部覚えていた。

ただ、朝の支度だけができなかった。

頭の中に、未来の研究と昨日読んだ本と今日の不安が同時に流れ込んでくる。

その中から「体操服」を拾い上げるのは、とても難しかった。

ある日、母親は怒るのをやめて、玄関にチェック表を貼った。

アヤトは不満そうに言った。

「子ども扱いみたい」

母親は言った。

「頭の外に置けるものは、外に置こう」

忘れ物は減った。

アヤトは言った。

「僕がしっかりしたんじゃないよ。世界の方を少し分かりやすくしただけ」
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