10〜11歳ごろの対人理解とメンタライゼーション

10〜11歳ごろの対人理解とメンタライゼーション

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コラム

「人の気持ちを考えなさい」だけでは届かない

10歳前後になると、子どもは人間関係の中で、さらに複雑な心の理解を学んでいきます。

自分はどう感じているのか。

相手は何を考えているのか。

相手の言葉の裏にはどんな気持ちがあるのか。

自分の行動が相手にどう受け取られるのか。

こうした力は、メンタライゼーションとも関係します。

簡単に言えば、自分や相手の心を想像し、理解しようとする力です。

ギフテッドの子は、知的には早熟なことがあります。

でも、人の心を読む力も同じように早く育つとは限りません。

むしろ、考える力が強いからこそ、相手の感情よりも理屈を優先してしまうことがあります。

友だちの間違いを強く指摘する。

正論を言いすぎる。

相手が傷ついていることに気づきにくい。

または逆に、相手の気持ちを考えすぎて疲れてしまう。

保護者は「どうして人の気持ちが分からないの」と感じるかもしれません。

しかし、「人の気持ちを考えなさい」という言葉だけでは、子どもには届かないことがあります。

必要なのは、具体的に一緒に考えることです。

「今、相手はどんな表情だった?」

「その言い方だと、どう受け取られるかな?」

「あなたは何を伝えたかったの?」

「別の言い方をするとしたら?」

このように、自分の心と相手の心を分けて整理する練習が必要です。

学校生活では、友だちと一緒に活動しながら、理解や共感を身につけていきます。

ただ、ギフテッドや2Eの子は、対人関係が苦手な場合、この学びでつまずきやすくなります。

私は、ギフテッドの子には、知識を教えるのと同じくらい「心の読み取り方」を教える必要があると考えています。

それは、優しさがないからではありません。

優しさを相手に届く形にする練習が必要なのです。

10〜11歳の時期は、人と関わる力を育てる大切な段階です。

叱るよりも、翻訳する。

責めるよりも、一緒に振り返る。

その積み重ねが、人間関係の土台になります。
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