私の両親は、「勤勉」という言葉がよく似合う人たちでした。
体調がすぐれない日でも仕事へ向かい、有給休暇もほとんど使わず。
当時は土曜日も出勤していたので、
週6日働き詰めの毎日を淡々とこなしていました。
公務員として、目立たずとも確実に暮らしを支える。
私にとって「公務員」という言葉は、まさに両親そのものでした。
私が3歳の頃、弟が生まれ、家庭の空気は一気に張り詰まりました。
母は完璧主義で几帳面な人。
理系の技術職に就いていたこともあり、
手順や段取りをしっかり決めて動くタイプでした。
でも、育児と家事に追われる日々の中で、
思い通りに進まないことが増えていきます。
仕事から帰った母は、食事の支度、洗濯、お風呂の準備と忙しく動き回り、
その間に子どもが声をかけると、
「うるさい」「後にして」と怒られることもありました。
私は、「話しかけて母の動きを止めてはいけない」
そんな空気を、幼いながらに感じ取っていました。
だけど弟はまだ赤ちゃん。緊張した空間の中で、泣き声が響きます。
私はその理由がなんとなく分かっていました。
「お腹が空いているんだな」
「おむつがよごれちゃったんだ」
母にそれとなく伝えてみても、
忙しさで余裕のない母からは、怒られるか不機嫌な態度が返ってくる。
弟が泣き止まないと、母の怒りが増し、
その怒りは弟にも、そして私にも向いてしまいます。
だから私は、必死で弟をあやしました。
「怒られないように」
「怒らせないように」
そんな風に、常に気を張っていた幼い頃の私。
今になって思うのは、母も限界だったのだろうということ。
そして、あのときの私は、弟を守りたかったんだなということ。
そしてもうひとつ——
あの頃の私は、誰かに気づいてほしかったのかもしれません。
「よく頑張ってるね」
「怖かったね」
「話しかけたかったんだよね」
そんなふうに、ただ受け止めてくれる存在を、
心のどこかで求めていたのだと思います。
そんな「小さなわたし」の声に、
今の大人になった「私」が耳を傾ける時間を過ごしませんか?
幼い頃、誰にも言えなかった気持ち。
「頑張らなきゃ」
「わかってもらえない」
「私が我慢すれば」
そんな日々の中で心に残った“過去の声”を、
そっと拾い上げる時間をお届けします。
このサービスでは、繊細なあなたの内側にいる「小さなわたし」に、
優しく語りかける静かな時間をご提供します。
「そのままのあなたでいいんだよ」
「生まれてきてくれてありがとう」
「ここにいていいんだよ」
「あなたがしたいようにしていいんだよ」
そんな言葉とともに、心が少しでもほどけますように。
今のあなたが、あの頃のあなたに寄り添う時間を。