【青色申告に開業届は必要?】青色申告のメリットや手続きの流れを解説

開業届と青色申告

青色申告をするためには事前の準備が必要です。そのひとつが「開業届」の提出。しかし開業届を出すだけでは、青色申告はできません。今回は青色申告に必要な事前準備について詳しく解説します。青色申告のメリット、手続きの流れもご紹介しますのでぜひご覧ください!

青色申告には「開業届」と「青色申告承認申請書」が必須!

開業届と青色申告

個人事業主として青色申告をするためには、事前の準備が必要です。
それが「開業届」と「青色申告承認申請書」の提出です。
開業届の正式名称を「個人事業の開業・廃業等届書」といい、個人が事業を始めたことを税務署に知らせる書類です。
開業届を出して初めて「青色申告承認申請書」の提出ができます。
青色申告を目指している方は、開業届と一緒に青色申告承認申請書を忘れずに提出しましょう!

「開業届」と「青色申告承認申請書」の書き方は?

開業届と青色申告

青色申告の事前準備として必要な2つの書類。
ここからは「開業届」と「青色申告承認申請書」の書き方について解説します。

開業届の書き方

開業届は管轄の税務署で受け取るか、国税庁・都道府県のホームページからダウンロードしましょう(参考:国税庁)。
開業届には項目が複数あります。
ひとつずつ見ていきましょう。

提出日・開業日

開業届は事業を開始した日(開業日)から1か月以内に提出します。
ただし「いつから事業を開始したのか」は、事業主の判断になります。
実店舗がある場合は、お店のオープン日を開業日とするケースが多いでしょう。
店舗がない事業では、実際に事業活動をスタートした日を開業日と考えます。

職業

職業の書き方に決まりはありません。
デザイナーやライター、飲食業など仕事の種類がわかるように書きましょう。
複数の仕事をしている人は、1番売り上げが大きい職業を記載します。

屋号

屋号とは個人事業の「名前」のことです。
法人の場合は会社名がありますが、個人事業主の場合は屋号が会社名の代わりになります。
ただし屋号の記載は必須ではありません。

届出の区分

新たに事業を始める場合は「開業」にチェックを入れます。

所得の種類

お店を始める、イラストレーターになる、など一般的なビジネスを始める方は「事業所得」にチェックを入れます。

開業・廃業に伴う届出書の提出の有無

青色申告を考えている場合は「青色申告承認申請書」にチェックを入れます。

事業の概要

「職業」で記載した内容を、さらに詳しく書きます。

給与等の支払いの状況

従業員がいる場合は、人数と給与の支払い方法(日給・月給など)を記載します。
人を雇う予定がない場合は空欄のままにしましょう。

個人事業主でも給与や特定の報酬を支払うと、源泉徴収を毎月行います。
ただし一定の基準を満たすと「源泉所得税の納期特例」が利用でき、納付が年2回になります。
特例を利用する場合は「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無」の欄の「有」をチェックして、申請書を出しましょう。

関与税理士

顧問税理士がいる場合は、税理士の氏名・連絡先を記載します。
依頼している税理士がいない場合は空欄で提出します。

青色申告承認申請書の書き方・提出方法

開業届を提出したら、青色申告承認申請書を出します。
管轄の税務署で入手するか、国税庁のホームページからダウンロードしましょう(参考:国税庁)。
ここからは青色申告承認申請書の記載項目について解説します。

提出日

開業日から2か月以内に提出します。
税務署の窓口に開業届を提出しに行く場合は、青色申告承認申請書も同時に提出いましょう。

職業・屋号

職業と屋号は、開業届に記載したものと同じ内容を書きます。
屋号を空欄で出した場合は、青色申告承認申請書でも空欄のまま提出しましょう。

所得の種類

開業届の所得の種類にあわせます。
一般的な事業の場合は「事業所得」を選択しましょう。

いままでに青色申告承認の取消しを受けたこと又は取りやめをしたことの有無

初めて青色申告をする人は「無」をチェックします。

の開始した年月日

青色申告承認申請書を提出する年の1月16日以降に事業を始めた場合は、開業日を記載します。

相続による事業承継の有無

自分で事業を立ち上げた場合は「無」、相続によって事業を継承した場合は「有」を選び必要事項を記載しましょう。

その他参考事項

青色申告で65万円控除を受ける場合、簿記方式は「複式簿記」を選択します。
「簡易簿記」で申請すると、控除額は10万円になるので注意しましょう。
備付帳簿名の欄は、下記項目を選択します。

【必ず選択するもの】
  • 総勘定元帳
  • 仕訳帳
【事業に合わせて選択するもの】
  • 現金出納帳
  • 売掛帳
  • 買掛帳
  • 固定資産台帳

備付帳簿名の選択では「使う可能性があるもの」を選びます。
そのため「結局、買掛帳は使わなかった」という場合も問題ありません。
まずは上記の6つにチェックを入れておけば安心でしょう。

青色申告のメリット

開業届と青色申告

青色申告をすると、税金の面で大きなメリットがあります。

【青色申告 3つのメリット】
  • 最大65万円の特別控除が受けられる
  • 純損失の繰越しと繰戻しが可能
  • 経費の対象範囲が広い

なかでも1番のメリットは「65万円の特別控除」です。
確定申告は事業の所得を計算し、所得に合わせて所得税を申告する制度です。
つまり所得が大きくなれば、所得税も大きくなります。

青色申告特別控除とは、計算した所得から65万円を差し引いた金額を「課税所得」として所得税を収める制度です。
課税所得が少なくなるので税額も小さくなり、節税につながります。

▼詳しくはこちらから

【徹底比較】青色申告と白色申告の違いって?メリットやデメリットをご紹介

青色申告のやり方は?

開業届と青色申告

税金の面でメリットが大きい青色申告ですが、実際にどのような作業が必要なのでしょうか?
青色申告の流れは3つのステップに分かれます。
それぞれのステップを詳しくみていきましょう!

ステップ① 複式簿記で記帳

青色申告をするためにはお金の流れを全て記録する必要があり、この作業が「記帳」です。
記帳のやり方には「複式簿記」と「簡易簿記」の2種類があります。
青色申告で65万円の控除を受ける場合は、複式簿記で記帳します。

複式簿記とは

複式簿記では全ての取引を「借方」「貸方」に仕訳して記帳することで、お金の流れと財産の増減を記録します。
例えばコピー用紙を500円で購入した場合は次のように考えます。

  • 借方:500円のコピー用紙が増えた
  • 貸方:500円の現金が減った

全ての取引を仕訳するので簿記の知識がないと難しいですが、65万円控除を受けるためには複式簿記での記帳が必須です。

「簡易簿記」では取引を1つ1つ仕訳する必要はありません。
家計簿のような単純な記帳ですが、65万円控除の対象外になります。

会計ソフトを利用しよう

日々の記帳を手作業で行うと、非常に時間がかかります。
そこで便利なツールが「会計ソフト」です。
会計ソフトでは取引を入力するだけで、仕訳帳や総勘定元帳が作られます。
銀行口座やカードと同期して、自動的に取引を読み込んでくれるソフトもあります。
初めての青色申告では、会計ソフトを活用して効率的に記帳しましょう。

ステップ② 青色申告決算書、確定申告書Bを作成

1月1日(初年度は開業日)~12月31日までの記帳を行ったら、青色申告決算書と確定申告書Bを作成します。
これらの用紙は税務署や申告会場で入手できますが、国税庁のホームページからダウンロードも可能です。
またクラウド版の会計ソフトでも、青色決算書と確定申告書Bを作成できます。
必要事項の入力も自動で行われるので、非常に効率的です。

ステップ③ 申請書類を提出

所得税の確定申告期間は、2月16日~3月15日が原則※です。
期間中に申告書類を提出します。

【申告書類】
  • 青色申告決算書
  • 確定申告書B
  • 各種控除にかかわる書類
  • 源泉徴収票(給与所得がある場合)
  • マイナンバーカードの写し(マイナンバーカードがない場合は、指定の身元確認書類)

提出方法には「e-Taxによる申請」「郵送」「所轄税務署、または確定申告会場へ持参」の3つがあります。

※2019年分の確定申告は、新型コロナウィルスの影響で2020年4月16日まで延長されました。期限内に申告することが困難であった方については、期限を区切らず柔軟に対応する方針です。(参考:国税庁

青色申告で困ったらプロに相談!

開業届と青色申告

青色申告で65万円の控除を受けるためには、複式簿記での記帳が必須です。
会計ソフトを使えば効率的に記帳できますが、それでも簿記の知識や確定申告の経験がない人には難しい作業。
そこで青色申告で困ったときは、プロに相談しましょう!

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