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泉鏡花「天守物語」は、高貴な女性の凛々しさが光る物語です。

これは極上のエンターテイメントです。 -------------- 第一幕 舞台は姫路城、天守閣。 数人の侍女が、天守より釣竿を垂れている。 秋草を釣ろうというのである。 餌はというと、それは「白露」 ほどなくして 「釣れました」 「あれ、私も・・・」 黄と白と紫の胡蝶の群れ、ひらひらと舞い上がる。 なんとも不思議な幽玄世界です。 --------------- 天守閣の天井から降りている梯子より 天守閣の主、富姫が現れる。 「お帰りあそばせ、お帰りあそばせ」 口々に言迎う侍女ら。 富姫は、遥かかなたにある「夜叉が池」に 参っていたとのこと。 ここまでの件で登場人物は すべからく只ならぬ者であることが伺えます(;^_^A。 --------------- 第二幕 さらに天守閣の天井から降りている梯子より 猪苗代城の主 亀姫が現れる。 山伏をお供に連れている。 山伏が小脇に抱えているのは 「白布に蔽うたる一個の小桶」 富姫へのお土産とのこと。 中から出てきたものは「色白き男の生首」 げに恐ろしや・・・(;^_^A --------------- 第三幕 ふと、城下を見ると、城主である但馬の上が鷹狩をしている。 生首のお礼にと、富姫は白鶴に身を変えると 鷹を呼び込んでしまう。 「この鷹ならば、毬を投げても取りましょう。 たんとお遊びなさいまし」 さて、ここから、大変なことが起こるのです・・・。
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泉鏡花「夜叉が池」は、まるで映画を観ているかのようです。

まぁ、セリフだけで構成される戯曲なので 当たり前と言われればそれまでですが・・・(;^_^A ----------- 第1幕 舞台は、山の麓の村。 仲睦まじい夫婦の百合と晃が 夕餉の支度を始めるとこから物語が始まります。 古式ゆかしいセリフ回しが とてもいい。 場面がありありと浮かんできます。 ----------- 第2幕 夕餉の支度をしている百合。 そこへひとりの僧侶 学円が訪れます。 一昨年来、行方知れずとなっている友人を探し歩いていると言う。 それを聞いた百合の顔色が変わる。 「もう沢山でございます」 とにべもなく言う・・・。 不穏な空気が漂ってきました(;^_^A ----------- 百合と僧侶 学円が話しているところに 晃がやってくる。 彼は言う 「君はここへ来たことで物語の中の人になった。 ボクは、物語そのものになったんだ」 泉鏡花の本領が発揮されていきます・・・。 ----------- 晃の話が続く。 「50年来、欠くことなく日に三度 鐘を打ってきた老人が亡くなった」 彼はその老人の代わりになっているのだという。 なぜ彼は、鐘を打たなければならないのか・・・。 ----------- 第3幕 夜叉ヶ池に棲む魑魅魍魎が現れる。 彼らは、遠く離れた剣ヶ峰千蛇ヶ池の主からの手紙を持ってきたのです。 夜叉ヶ池の姫 白雪に届けるために。 ここから先は、 極上の幽玄世界エンターテインメントと相成ります。 読んでからのお楽しみ(;^_^A
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泉鏡花「外科室」は文語体ゆえに凛とした情念が感じられるのです。

実に、泉鏡花らしい静かなる情念のお話です。 医学士高峰の執刀によって 外科施術を受ける貴船伯爵夫人。 「手術台なる伯爵夫人、純潔なる白衣を纏いて横はれる」 だが、伯爵夫人は、麻酔はいらないと言う。 「私はね、心に秘密がある。麻酔剤は譫言を言ふと申すから、 それが怖くてなりません」 麻酔なしでの手術が始まる。 「見れば雪の寒紅梅、血汐は胸よりつと流れて、白衣を染むる」 医学士高峰が訪ねる。 「痛みますか」 「否、貴下(あなた)だから、貴下(あなた)だから」 二人の関係がただならぬものだということが うかがい知れます。 二人にどんな過去があったのかは 読んでからのお楽しみです。
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