「革命における少数者への抑圧」慶應義塾大学法学部2024年
(1)問題以下に掲げるのは,ある政治思想史家が書いた架空の鼎談の一部である。フランス革命をめぐり,一七九〇年のある日,エドマンド·バーク,トマス·ペイン,およびメアリ·ウルストンクラフトの三人が語り合っている。よく知られているように,バークのフランス革命に対する態度は,鋭く批判的であった。一方,ペインはこの革命に対して強い共感を抱いていた。フェミニズム思想の先駆者として知られるウルストンクラフトもまた,ペインと同様の立場に立っていた。もしこの議論にあなたが加わっていると仮定して,ⅠおよびⅡの箇所においていかなる発言をするか,それぞれ五〇〇字以内で述べなさい。Ⅰにおいては,革命が正常な政治の一部分であるとするペインの見解に与しても,それに反対してもかまわない。ただし,Ⅱにおいては,Ⅰで述べたのと同じ立場に立って,民主主義においては国民の多数派が最も残虐な抑圧を少数派に対して加えうる,というバークの見解に賛同するかあるいは反論を加えなさい。① ペイン:旧体制はあまりに腐敗しすぎて改革が不可能であったがゆえにこそ,破壊されねばならなかったのです。―中略―② ウルストンクラフト:イギリス革命もフランス革命も同じひとつの至上目的を持っています。それは自由です。もしバークさん,あなたがこの点を否認するならば,それは故意に歴史に目をつぶることです。③ バーク:あなたがそう主張されるならば,お嬢さん,あなたは理性に対して目を閉ざしておられる。もしもわれわれが自由を目的とするというのならば,われわれはそれがどんな種類の自由であるかを問題にせねばりません。私はすべての種類の自由が祝福さ
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