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「伝えた」と「伝わった」は違う。患者さんに届く説明とは

歯科医院では、毎日のように使われている言葉があります。「歯周ポケット」「プラーク」「根管治療」「SRP」歯科医院で働く私たちにとっては、勉強や経験の中で身についた自然な言葉です。しかし、患者さんにとっては初めて聞く言葉かもしれません。知っている人と、初めて聞く人では見えているものが違う専門的な知識を持っている側からすると、言葉の意味はすでに理解されています。そのため、「歯周ポケットが深くなっています」という説明だけでも、その後に必要な処置や注意点までイメージできるかもしれません。しかし、初めて聞いた患者さんは、「歯周ポケットって何だろう」「深くなると何が問題なのだろう」というところから考えなければなりません。同じ言葉を聞いていても、頭の中に浮かんでいるものが違います。わからないことを聞くのは、簡単ではない患者さんが理解できない言葉があったとしても、「それはどういう意味ですか?」と毎回聞けるとは限りません。診療室という場所。治療への緊張。初めて聞く言葉への戸惑い。さまざまな理由から、わからないまま頷いてしまうこともあります。一方で、説明する側も、普段その言葉を使っている環境にいるため、どこから説明すれば伝わるのか判断することが、むずかしい場合があります。相手の知識や経験を完全に知ることはできないからです。患者さんが忘れてしまうのは自然なことそして、理解できたとしても、人はすべてを覚えていられるわけではありません。診療室では、「今日から歯磨きを気をつけよう」と思っていたとしても、家に帰れば日常があります。「今日の夕飯は何にしよう」「明日は何をしなければいけないかな」そんなことを考え
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自分の歯なのに、なぜ患者さんは『抜かれた』と言うのか

「歯を抜かれたんです」患者さんとの会話で、こんな言葉を聞くことがあります。「抜かれた」この言葉には、患者さんが治療をどう受け止めているのかが表れています。歯科医院では、患者さんの歯を守るために必要な処置として抜歯を行います。しかし患者さんからすると、その処置に至るまでの理由や、自分の口の中で何が起きていたのかを十分に理解できていないことがあります。その結果、「納得して受けた治療」ではなく、「されるまま受けた治療」という記憶になることがあります。なぜでしょうか。歯は自分のものなのに、なぜか他人事になる歯は、その人自身の体の一部です。本来なら、自分の健康に関わる大切なものとして向き合うはずです。しかし歯科治療では、患者さん自身が口の中で何が起きているのか、わからないまま進んでしまうことがあります。鏡で見ても、自分の奥歯の状態を詳しく確認することはできません。どこが悪いのか。なぜ治療が必要なのか。このまま放置するとどうなるのか。見えない部分が多いからこそ、不安になります。例えば、「歯周ポケットが深くなっています」「プラークが残っています」「根の治療が必要です」私たちにとっては日常的に使う言葉です。しかし患者さんにとっては、初めて聞く言葉かもしれません。「それは自分の歯にどう関係するのか」「自分は何をすればいいのか」そこまで理解できなければ、自分の歯の話なのに、どこか遠い話になってしまいます。「ガリガリされた」の中にある患者さんの感覚例えば、歯石除去。私たちにとっては、歯周病の原因となる歯石を取り除くための大切な処置です。でも患者さんからすると、「歯医者でガリガリされた」という記憶にな
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