自分の歯なのに、なぜ患者さんは『抜かれた』と言うのか

自分の歯なのに、なぜ患者さんは『抜かれた』と言うのか

記事
ビジネス・マーケティング
「歯を抜かれたんです」

患者さんとの会話で、こんな言葉を聞くことがあります。

「抜かれた」

この言葉には、患者さんが治療をどう受け止めているのかが表れています。

歯科医院では、患者さんの歯を守るために必要な処置として抜歯を行います。

しかし患者さんからすると、その処置に至るまでの理由や、自分の口の中で何が起きていたのかを十分に理解できていないことがあります。

その結果、

「納得して受けた治療」

ではなく、

「されるまま受けた治療」

という記憶になることがあります。

なぜでしょうか。

歯は自分のものなのに、なぜか他人事になる


歯は、その人自身の体の一部です。

本来なら、自分の健康に関わる大切なものとして向き合うはずです。

しかし歯科治療では、患者さん自身が口の中で何が起きているのか、わからないまま進んでしまうことがあります。

鏡で見ても、自分の奥歯の状態を詳しく確認することはできません。

どこが悪いのか。

なぜ治療が必要なのか。

このまま放置するとどうなるのか。

見えない部分が多いからこそ、不安になります。

例えば、

「歯周ポケットが深くなっています」

「プラークが残っています」

「根の治療が必要です」

私たちにとっては日常的に使う言葉です。

しかし患者さんにとっては、初めて聞く言葉かもしれません。

「それは自分の歯にどう関係するのか」

「自分は何をすればいいのか」

そこまで理解できなければ、自分の歯の話なのに、どこか遠い話になってしまいます。

「ガリガリされた」の中にある患者さんの感覚


例えば、歯石除去。

私たちにとっては、歯周病の原因となる歯石を取り除くための大切な処置です。

でも患者さんからすると、

「歯医者でガリガリされた」

という記憶になることがあります。

これは、患者さんが歯に関心がないからではありません。

口の中は、自分では見ることができないからです。

何をしているのか。

なぜ必要なのか。

わからないまま処置が進めば、不安になるのは自然なことです。

そして人は、理解できない出来事ほど「自分で選んだこと」ではなく、「されたこと」として記憶しやすくなります。

「説明した」と「伝わった」は違う


歯科医院では、患者さんへの説明を大切にされています。

治療内容を説明する。

注意点を伝える。

セルフケアの方法を伝える。

しかし、「説明したこと」と「患者さんに伝わったこと」は同じではありません。

例えば、

「プラークコントロールが大切です」

と言われても、

「プラークって何?」

「どうすればいいの?」

と思う患者さんもいます。

一方で、

「歯についた細菌のかたまりを、毎日の歯磨きで減らしていくことが大切です」

と伝えると、自分の生活と結びつけて考えやすくなります。

専門用語を使わないことが目的ではありません。

患者さんが、自分のこととして理解できる形に変えることが大切です。

患者さんが自分の歯を守るために


「歯を抜かれた」

ではなく、

「自分の歯を守るために、この処置が必要だった」

と思えること。

そのためには、患者さん自身が自分の口の中で何が起きているのかを理解することが必要です。

診療時間の中ですべてを伝えることは簡単ではありません。

だからこそ、患者さんが後から見返せる資料や、わかりやすい情報発信が役立ちます。

歯科の専門的な内容を、患者さんが理解できる言葉へ整理すること。

それは、患者さんが自分の歯を自分ごととして考えるきっかけになります。

歯科医院向け患者説明資料では、専門的な内容を患者さん目線の言葉とデザインに整理し、診療時の説明をサポートする資料を制作しています。



サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す