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何もできなくなったあなたへ-それは脳が命を守るためのセーフモード

 うつ病という病に罹患すると、それまで当たり前のようにこなしていた日常の営みが、周囲の想像をはるかにお超えるレベルでできなくなってしまいます。 健康な時には思いもよらないことですが、生きることの基本機能が少しずつ、しかし確実に止まっていくのです。今回は、病気の医学的な仕組みではなく、当事者の身に現実に起きる「できなくなること」の輪郭を、私の経験を交えながら少し詳しくお話しさせてください。 まず、目に見えて奪われるのが「体力や持久力」です。 これは単なる「疲れやすい」というレベルを遥かに超えています。極論を言ってしまえば、社会の標準である「週5日・1日8時間労働」という壁は、限りなく高く、こなすことは不可能に近くなります。 朝、目が覚めた瞬間から体に鉛が詰まっているかのように重く、午前中は布団から起き上がることすらままなりません。午後になり、なんとか動けるようになっても、体中を支配する鉛のような倦怠感が抜けることはないのです。 それに伴い、未来の予定を立てることが絶望的に難しくなります。 うつ病の世界では、明日の自分の体調すら本人にすら全く予測がつきません。明日の朝、動けるのか、それとも泥のように眠り続けることになるのか分からない中で、他者と約束を交わすことは恐怖すら伴う困難な作業です。 さらに、1日の活動量は、それと同等の時間(あるいはそれ以上)をかけて休養しなければ回復しません。その回復の過程も直線的ではなく、「3歩進んで2歩下がる」ようなもどかしい歩みを、誰もが歯がゆい思いで経験しています。 また、周囲から最も理解されにくいのが「読解力や識字力の低下」という脳の機能障害です
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