絞り込み条件を変更する
検索条件を絞り込む

すべてのカテゴリ

1 件中 1 - 1 件表示
カバー画像

無常の布団の中で ―「休む」という大切なお勤め

 朝、目が覚めても体が鉛のように重く、どうしても布団から出られない日がございます。天井をじっと見つめながら「今日も何もできない」「周りの皆さんは頑張っているのに」という罪悪感が、しずしずと胸のあたりを浸食していく。 うつ病という時間の中にいると、この「動けない自分」がずっとこのまま変わらないのではないかと、やりきれない気持ちになってしまうものです。 そんなある朝のことでした。ふと、心の中に「諸行無常」という言葉が浮かんできたのです。 仏教の根本にあるこの言葉は、「あらゆるものは移ろいゆく」ということを教えてくれます。これまでは、どこか寂しい響きとして感じていましたが、布団の中で動けずにいる私に届いたのは、温かな光のような意味でした。「この苦しみも、この重たい空気も、決して永遠ではありません。いつか必ず流れていくものなのですよ」 そう語りかけられたような気がして、こわばっていた肩の力が、ほんの少しだけ抜けていくのを感じました。 医学の世界では、うつ病は「治すべきもの」とされ、規則正しい生活が大切だと言われます。もちろんそれは正しいことなのですが、心底疲れ果ててしまった今の私には、「こうあるべき」という正論が、時に鋭い刃のように感じられることもございました。 仏教が説く「慈悲」の心は、誰かに対してだけでなく、自分自身に向けてもよいものなのですね。 動けない朝は、心と体が「今はお休みが必要ですよ」と、一生懸命に伝えてくれている時間です。それを「怠け」と責めるのではなく、ただ「今はそういう時期なのだ」と、ありのままに見つめてあげる。これこそが、仏教でいう「諦観(明らかに観る)」という救
0
1 件中 1 - 1