絞り込み条件を変更する
検索条件を絞り込む

すべてのカテゴリ

2 件中 1 - 2 件表示
カバー画像

窓の外では、悠真と陽菜が並んで歩いていくのが見える

その夜、凪はなかなか眠れずにいた。天井を見つめながら、放課後の廊下での出来事を何度も思い返す。(明日は……悠真と陽菜ちゃん)自分の番は、その次。わかっているのに、胸の奥がじんわりと冷えていく。スマホを手に取るけれど、画面を開いては閉じるだけで、何も送れない。(応援するって言ったのに……)陽菜のまっすぐな瞳。迷いのない言葉。それに比べて、自分は・・・まだどこかで、逃げている気がした。翌日。授業中、凪は前の席の悠真の背中を見つめていた。シャープペンを動かす指。少しだけ緊張しているような肩。(今、何を考えてるんだろう……)休み時間になると、陽菜が迷いなく悠真のところへ行く。「放課後、忘れないでね」明るい声。悠真は少し照れたように、でもはっきりとうなずいた。「うん」その一瞬で、凪の胸がきゅっと締めつけられる。(約束したんだもんね……)誰も責められない。でも、苦しい。放課後。凪は教室に一人残っていた。窓の外では、悠真と陽菜が並んで歩いていくのが見える。楽しそうに話す陽菜。それを静かに聞く悠真。お似合いだ。そう思ってしまった自分が、いちばんつらかった。(私の知らない悠真……)胸の奥が、じわっと熱くなる。そのとき、悠真がふと立ち止まり、振り返った。一瞬だけ、視線が合う。驚いたような顔。そして、少しだけ困った笑顔。その表情に、凪の心臓が強く鳴る。(見ないで……でも、見てほしい)陽菜が何か言って、悠真はまた前を向く。二人の背中が、夕焼けの中に溶けていく。凪はそっと目を伏せた。(明日は……私の番)そう思うだけで、胸が苦しくて、でも少しだけ期待してしまう。この恋は、誰かが選ばれて、誰かが傷つく。それ
0
カバー画像

私は待つだけの恋はしないよ

夕暮れの廊下に、沈黙が重く落ちていた。凪の胸はまだ、告白の余韻で震えている。(言っちゃった……)悠真の目をまっすぐ見て、想いを伝えてしまった。後悔はない。でも、怖かった。悠真はしばらく黙ったまま、二人を交互に見つめていた。「……急にこんなことになって、ごめん」小さくつぶやく。「でも、ちゃんと考えたい」陽菜が一歩近づく。「悠真くん」その声はやさしいけれど、真剣だった。「考える時間はあげる。でもね……」一瞬、言葉を選ぶように唇を噛む。「私は待つだけの恋はしないよ」凪の胸がぎゅっと締めつけられる。(陽菜ちゃん……強い)悠真は驚いたように目を見開いた。「陽菜……」「好きだからこそ、動くの」そう言って、少し照れた笑顔を見せる。「悠真くんと、もっと一緒にいたい」その宣言に、空気が一気に熱を帯びた。凪は思わず手を握りしめる。(負けたくない……)でも、どう動けばいいかわからない。悠真は苦しそうに眉を寄せた。「二人とも……」声が震えている。「俺は、誰かを選ぶってこんなに怖いって知らなかった」その正直さが、余計に胸を締めつける。陽菜は少しだけ黙り、それから静かに言った。「じゃあさ」凪と悠真を見る。「明日、放課後」凪の心臓が跳ねる。「悠真くん、私と二人で帰ろう」突然の誘い。悠真は固まる。凪の息が止まりそうになる。(え……)陽菜は凪に向かって続けた。「その次の日は、凪ちゃんと帰って」凪の目が大きく開く。「それで……悠真くんがどんな気持ちになるか、     自分で感じて決めて」大胆だけど、どこまでも正直な提案。悠真はしばらく考え込んでから、ゆっくりうなずいた。「……わかった」その一言に、凪の胸がドクンと
0
2 件中 1 - 2