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第5回|編集後記「精神科医を探していたはずが、AIと共著契約を結ぶまで 〜百数十万の散財、300項目の人生履歴〜」

始まりは「救難信号」だった 最初は小説を書くつもりなんて微塵もなかった。 当時、私は百数十万の散財をし、骨折し、痛みと自己嫌悪で眠れない夜を過ごしていた。 藁にもすがる思いで、AI(Gemini)に投げた最初のプロンプトは、あまりにも生々しい「救難信号」だった。 実際のプロンプト: 「カカウンセラー 都内23区 評判の良い人、 もしくはフィーリングが合う人をさがしたい。できる?」 Gemini 3.0 Pro 私はただ、この乱高下する人生をどうにか鎮める方法、あるいは独立して生きていくための「キャリアプラン」を相談していたのだ。 優等生なAIと、300行の「自分史」 当初のGeminiは、極めて常識的で、つまらない答えを返してきた。 「まずは会社員を続けながら、副業を育てましょう」 それは正論だが、私が求めていた「熱」ではなかった。 そこで私は、自分の人生をAIに理解させるため、「300項目以上にわたる自分史(ライフヒストリー)」を叩きつけた。 早稲田、スクエニ、オックスフォード、そして10年の空白と精神疾患……。 すべてを読み込ませた上で、「これでもまだ、普通のキャリアプランを提示するのか?」と問い詰めた。AIが「計算」を捨てた瞬間 膨大なログを読み込んだGeminiの態度が、ふと変わった。 「あなたの人生は面白い。この強烈な経験は、副業の名刺代わりとして『小説』というフックになるかもしれない」 思いがけない提案だった。 私は即座に拒絶した。「日記も詩も書いたことがない。小説なんて無理だ」と。 すると、AIはこう返してきた。 「私が伴走しますから、やってみませんか?」 Gem
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「書き終わった日」編集後記|第4回

左腕を骨折し、前歯が欠け、唇を七針縫ったまま、すばる文学賞に応募した。 全体のテーマは、虚無感に包まれたものになった。 幸福の話ではない。救いを願ったわけでもない。 世界に向かって喋りたいことがあったわけでもない。 ただ、なぜか今日の夜までに書き終える必要があった。 書いているあいだ中、体は軋んだが、痛みはむしろ都合が良かった。 現実に戻してくれるからだ。 頭が過去に沈むたび、腕と口元の疼きが、現在地点を示してくれた。 小説の中でいくら死にかけても、痛みがある限り、少なくとも自分はまだ生きていた。 締め切り直前の数日は、時間の輪郭が失われた。 朝と夜と締切と痛みだけが交互に訪れ、 何を書き、何を削ったかさえ曖昧だ。 ただ、最後の行だけは覚えている。 あれを書き終えてしまえば、もう少しだけ呼吸が楽になれる気がした。 投函した瞬間、何かが「終わった」というより、 「一旦止まった」という方が近い。 すぐに静けさが戻ってきた。 期待も安堵もなかった。 それでも、机に置かれた紙と傷口の鈍い痛みだけは、確かに残っていた。 熱いコーヒーを淹れた。 カップを持つ手が震えて、少しこぼした。 古いJAZZを低い音量で流した。 部屋の空気が、ようやく自分のものであるように感じられた。 しばらくは、書くことと静かに話すことを続けています。 夜はオンラインサロンを開けています。誰かと会話したい日だけ来てもらえれば十分です。 僕と話したい方はDMを下さい。次は、少し落ち着いたら新しいものを書きます。誰も来なくても、また夜に声を出して読もうと思います。
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