紙の本の寿命はどんどん短くなっている──これからの出版の意味を考える
紀伊國屋書店やジュンク堂、丸善などの大型書店を歩き回るのが、私の長年の習慣です。いまも新宿や池袋、丸の内の店舗をぐるぐる歩きながら、新刊や話題の棚を眺めます。ただ、そこでいつも思うのが「本の寿命は年々短くなっている」という事実です。紙の本の命は「2週間」「人を動かす」「7つの習慣」のような大ベストセラーは別として、毎年出る7万点以上の新刊の大半は、半年も経てば棚から消えてしまいます。なかにはもっと短いケースもあります。コロナ禍以降、本屋の数は減り、返品のスピードは加速しました。ある書店員さんに言われた衝撃的な言葉があります。「発売から2週間が勝負。動きがなければ即返品対象です」2週間で見切りをつけられてしまう世界。これは一般の方がほとんど知らない、出版業界のリアルです。流通の壁と出版社の苦悩「初版2万部で勝負だ!」と編集部が気合を入れても、流通を握るトーハンや日販が受けなければ、そもそも書店に並ばない。結果、倉庫に眠るだけになる。だから今は、実績ある著者でも初版3000部が珍しくない時代です。さらに、本屋の売り場自体が縮小しています。雑貨や文房具にスペースが奪われ、本が並ぶ棚はどんどん減っているのです。私は2年前、時流に合ったテーマで有名著者の新刊を出しました。しかし発売後あっという間に返品され、激動する出版の厳しさを身をもって体験しました。「出版=印税で稼いで有名に」そんな時代は終わったそれでもいまも「商業出版でデビューして印税生活を!」と教えている人がいます。でも現実は、昔のモデルがそのまま通用する時代ではありません。出版の「意味」そのものが大きく変わってきています。電子書
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